落書き
お手伝いにスイゲツが加わり春花、ハク、スイゲツは順調に掃除や併設されている温泉の風呂番をしたりといろんなところを掃除していたある日、退院した子供の妖怪がいた部屋を片付ける事になった。
「何だこの部屋!落書きだらけだな!」
スイゲツは子供らしい事をしてこなかったからか目を輝かせながら忘れて行ったのっであろう筆に墨をつけ落書きを始めた。
「ちょっと書いちゃダメだよ!」
「やめとけ、それよりもこの隙に布団や布類を集めるぞ」
楽しそうに落書きをするスイゲツを置いて春花とハクは落書き以外の掃除をしていた。
「そう言えばこの部屋を使ってたのって子供の妖怪よね?」
「ああ、虎の双子の妖怪で死んでもおかしくない怪我でここに来たんだ」
虎の双子の妖怪は以前会ったことがある事を春花は思い出してた。
「ずっと入院してたからたまに遊んであげてたが、やっと家に帰れたんだな」
「仲よかったんだね。その子達ってなんて言う子達だったの?」
「……悪戯好きだけど弟思いなキトラとそんな兄が大好きで一緒になって悪戯をしていたシトラ。アイツらレオンによく悪戯してたんだ…俺はそれを遠くから見てたがな」
楽しそうに話すハクに以前食べられそうなったことは胸にしまった春花はあと落書きだけになっていた。
「スイゲツ!落書きは終いだ。お前の水でさっさと落としてくれ」
「あーあ楽しかったのに…わかったよちょっと部屋から出てって」
春花とハクが出た事を確認するとスイゲツは水圧で汚れを消していく。あらかじめ石鹸の泡をつけてあったため、あっという間に綺麗に。部屋は何もかもが新しくなったようにピカピカだ。
「もしかして最初からこれが目的でハクはスイゲツに落書きを許したの?」
春花は落書きを許していたハクにずっと疑問に思っていた。
「そうだ。それに早々落書きなんて出来ないしスイゲツにしたらいい経験になるだろう」
スイゲツの事を考えていたハクに驚きながらも少し尊敬した春花は部屋に入るハクを見ていた。
「スイゲツ、ありがとうな」
「このくらい俺にしたら楽勝だよ」
最初はどうなるかと冷や冷やしていた春花の心配は既に無く。何だかんだで良い関係になっていた。
「皆さんお疲れ様です。あの子達の部屋見た時は絶望していたので本当に助かりました」
そう言うレオンと食卓を囲み、食事をしているとその話で思い出したハクは薄く小さい石鹸を見せる。
「落書き落とすので石鹸を使ったんだ。レオン、新しいのはどこにあるんだ?」
「いつものとこにありませんでしたか?」
いつもの所とは裏にある洗濯や掃除道具がある場所だ。
「何度も見たが無かったな」
「そうですか…なら仕方ないです。人間界に買いに行かなくてはなりませんね」




