表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花飾りの約束  作者: ツルギ
20/67

花嫁

 山頂を目指し歩くスイゲツや烏天狗、村の者は疲れなど知らず普通の道を歩くように足取りが軽い。その中で春花は一人息を乱しながら白無垢を着て歩く。もう少しで山頂だ。

 しかし、その姿を怪しむ者は多く。山頂前で度々足止めを食らい遂にスイゲツの祖父、ザンゲツが声を荒げた。

 「スイゲツ!この娘は本当に烏天狗か?先程から休んでばかりではないか!」

 顔を真っ赤に怒るザンゲツにスイゲツは冷たい瞳で睨む。

 「もう少しで着くんだから黙って」

 いつもより低く言い放つその声に身震いをするザンゲツはそれ以上何も言わず立ち尽くす。

 

 山頂にはかなり広い御堂がありその中に皆入り儀式を始める。儀式を取り行うのは前当主と言うのがしきたりだ。御堂にはザンゲツの声が響く。

 「この山を守りし大天狗様。此度、烏天狗の当主スイゲツの婚姻の儀式を行います」

 初めの言葉をいい終えると烏天狗達は頭を低くする。

 スイゲツと春花は立ち上がり御堂にある大天狗の像の前に立ち烏天狗達を見下ろす。頭を上げる烏天狗達は騒めき出す。

 「この娘、妖狐ではないか!」

 「どういう事だスイゲツ」

 ザンゲツとカゲツを筆頭に村の者も声を荒げ出した。

 「俺が妖狐と婚姻したらダメなの?」

 「当たり前だろうが!この烏天狗の村は先代様達からずっと純粋な血を受け継いできたんだ。汚れた狐の血など入れてはならない」

 そうだそうだと声を揃え抗議する村の者。

 「それでも婚姻すると言ったら?」

 「スイゲツ!そんな事は許さない。お前の母がした事は許されないが、お前はその力で許された。その好機を無駄にするのか?」

 カゲツの口から出た母の許されない事。にスイゲツは殺気立つ。

 「貴様に母様の何がわかる!母様は貴様だけが頼りだった!それを裏切ったのは貴様だ!貴様に母様を語る資格は無い!」

 「…何言ってるんだ…赤ん坊だったお前に何が知っている」

 「知っている。俺は生まれた時から記憶があるからな。貴様が母様に言った事もな」

 ヒヨリに言った事とはヒヨリが亡くなる前にカゲツが言った事だ。カゲツは動揺していた。スイゲツに記憶がある事もだが、脳裏に浮かぶ最後に見たヒヨリの顔が今更になって思い出したからだ。

 「ザンゲツ。俺は神から代々授かった羽根団扇を燃やした。それを踏まえて妖狐と婚姻する」

 「何だと…あの羽根団扇が無ければこの村にもう神は降りてこない。それは村を滅ぼすことと同じそれをわかっていた事か!」

 「そうだ」

 ザンゲツは赤い顔が沸騰するほど更に赤くなり怒りは頂点に達する。

 「スゥイィィゲェツ…お前はこの村から追放だ!烏天狗兵!此奴を処刑せぇぇぇえい!!!」

 スイゲツは春花を抱き抱え御堂を飛び出す。その後を烏天狗兵を追いかけるがそこに破るように火球が間を通る。一瞬の隙にスイゲツは距離を取る。その火球はハクが放ったもの二人は何とか追いつき外から様子を見ていた。

 「春花さん!!」

 レオンの声に反応するように春花の胸あたりが光出す。その光は暖かく春花の暗示は解けてゆく。

 

 "春花さん起きてください"


 呪いで直接話しかけるレオンに春花の瞳は応答するように光を取り戻す。

 「ここは…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ