3. ある戦士の話
2021年12月24日の夢
どこかの世界のどこかの国に住んでいる、ある男。名前を仮に「ジン」とする。
ジンは実力のある戦士だ。体格はそれほど大きくないが、鍛え上げられた肉体はしなやかで無駄がない。容姿も銀髪に日に焼けた肌はどちらかと言えば整っている方で。上の下か、中の上といったところだろうか。つまりはまあまあ整った容姿をしているということだ。
腕が良くて顔も良くて、なら、普通はかなり極上の戦士といえるだろう。護衛として安心だし、貴族の御令嬢たちにも人気のはずだ。
でもジンはそれほど人気ではない、というよりどちらかと言えば評判は悪い方だ。
なぜならジンはとにかく無礼だからだ。思ったことはすぐに口に出す。相手が子供でも大人でも、平民でも貴族でも。区別がないと言えばきこえはいいのだろうが、雇う側としてはひどく不愉快だ。やりたくないことは命令でもやらないため、雇っていても「これはしない。あれもしない」などと言われれば、雇いたくなくなるのも自然だ。
だが、、仕事がまったく無くては暮らしていけない。だからジンも最低限の仕事だけは必ずこなしていた。
ある時、ひどい内戦が起こった。王族の跡目争いで多くの民が巻き込まれて命を落としていった。その戦争に打ち勝ち、王位を手に入れたのはまだ若い王女だった。おそらく20歳にはなっていないだろう。その女王の隣には、ジンの姿があった。
ジンと王女は出会い、恋に落ちていた。
ジンは権力者が嫌いだったけど、真っ直ぐな王女に惹かれて、その手助けをしたらしい。その甲斐あって、王女は女王になった。
※ ※ ※
女王の時代になって少しして、再び戦争が起こった。いくつかの町が陥落し、何人もが捕虜になった。
愛する女王のため、ジンは敵国の要人に自分の体を使って近づき、情報を手に入れる。
それによると敵の王族が、周辺国の王族を招いて祭りを催すのだという。その祭りには捕まった捕虜たちがなんらかの形で出てくるのだと。そして祭りには女王も招待されていた。
ジンは女王にそのことを伝え、女王は自国の民を助けようと招待に応じた。
その祭りはとても変わっているというより、ひどく屈辱的なものだった。なにせ、捕虜に向かってみかんを投げつける祭りだったから。
女王も自身の民に向かってみかんを投げつけるように強要された。初めは笑顔でのらりくらりとかわしていたけど、その手に無理やりみかんを握らされて激昂した。
そこにジンが登場。魔力に目覚め、敵国の王族を滅ぼしてしまった。
話的にはまだまだ続きもありそうだが、わたしは目を覚ましてしまったので、これ以降のことはわからない。