先輩好きです。ずっと一緒にいましょう
僕には憧れの先輩がいる
この高校に入ったのも体験入学で先輩を見つけたから
屋上で柵に寄りかかりながら本を読んでいる先輩
風で流れる長い髪は太陽に照らされ輝いて見えた
とても綺麗だった
だからこの高校に決めた一目惚れと言うのだろう
けどしかたがないだろう?
惚れたものはしょうがないんだから好きになったのだから
だから今日も先輩に会いに屋上へ向かう
扉を開くと先輩が目に入る
いつも通り本に夢中で僕には気づいていない
少し先輩を観察してからいつも通り話しかける
「先輩!可愛い後輩くんが話し相手になりに来ましたよー」
先輩は本を閉じ呆れたような目で僕の方を向いた
その顔も美しくて自然に笑みが溢れる
【あぁ、また来たのか
クラスメイトと話さなくても大丈夫なのかい?】
先輩は僕が来るたびそう言う
クラスメイトといなくていいのかと
だから大丈夫だと伝える
だって必要ないから、先輩といたいからこの高校を選んだのにいれなかったら意味がない
あぁ、
「先輩好きです。この先もずっと一緒にいたいです」
そう僕が言う
僕は答えを知っている
"【無理だ、君と私はいつか会えなくなる】"
先輩はそう答える
理由はいずれ僕は死ぬから
先輩は美しい、まるで天使のように
頭の上にある黄色の輪も背中にある白い羽も全てが先輩を引き立てていて、とても美しい
僕は分かっていた、体験入学の時から先輩はこの世に存在しないことも、僕にしか見えていないことも
だけど僕は先輩が好きになった一目惚れをした
だから知っていながら僕は取り憑かれたように勉強をした
ここに入った、先輩といるために
だから今日覚悟を決めた
「大丈夫ですよ、僕も先輩と一緒にずっといられるようになりますんで!!」
すると先輩は目をびっくりしたように見開いた
意味が分かったのだろう
だけど関係ない、先輩が何かを言う前に僕は柵を越え下へと落下した
5階から落ちる、下はコンクリ死ぬのは確定だろう
上から先輩が何かを言っているのが聞こえるけど風の音が酷くてよく聞こえなかった
そして強い衝撃とともに僕は死んだ
【あっはは!!これでずっと一緒にいられます
改めてよろしくおねがいします、先輩】
先輩は酷く動揺していてとても悲しそうだった
なんで、どうして?と呟いている
【そんな顔しないでくださいよ
僕は望んで死んだんです
これでやっと先輩とずっと一緒にいられるのに、先輩が笑ってる顔が1番好きなんです
だから笑ってくださいよ】
僕は前より軽い体を動かし先輩の前にたち
後悔していない、大丈夫だと伝える
『〇〇高校で自殺者が出ました
いつも休み時間は教室におらず親や警察はいじめがあったのではと捜査を……』
【先輩これからたくさん時間があります
たくさん話しましょう、たくさん笑いましょう
ずっとずっと一緒にいましょう】
僕は満足だ、前より幸福感に満たされている
きっと先輩と同じになれたからだろう
僕には先輩と同じ黄色の輪と白い羽がついている
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