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爬鎧類戦争(ハガイルイセンソウ)  作者: ヒレカツ寺本
第一章
8/16

第八話  心配

ヨロイ。怖かったですねー。

これからどーなってしまうのでしょう。

それでは第八話です。


 内田家グループメール


 母〔リク生きてる?〕


 母〔すごい音と地響きがしてる〕


 母〔新宿の方向で煙が上がってる大丈夫?〕


 母〔テレビですごい映像がたくさん映ってる〕


 母〔今は三人で家にいるよ。リクの無事を祈ってます〕


 母〔さっきまでの地響き等はおさまりました。こちらは全員無事です〕


 母〔連絡ください〕


 内田家のリビングに父、母、友美の三人がいる。テレビからは、東京上空を旋回中のヘリコプターからの映像が中継されている。皆まだ状況が把握出来ず、テレビを観ながらパソコンやスマホで情報収集している。母が何度もメールを見返す。息子が心配すぎて、事の始まりから何件もメールを送ってしまっていた。しかし、息子は任務中なので返信があるはずはない。

 

 東京駅。ビルや駅舎が破壊されている。まだ緊急事態宣言は解除されておらず、警察、消防、防衛隊関係以外の一般人の姿はほとんど見当たらない。周辺の警視庁、国会議事堂も大きな打撃を受けている。品川、新宿、六本木などの大きな街も同じくビルのガラスは割れ、商店等のシャッターもベコベコになっていた。

 おそらく、世界中の主要都市が同じ様な惨状になってしまっているのだろう。

 渋谷も例外ではなく、スクランブル交差点のモニターは、砲弾が当たったのか穴が開いていて使えそうにない。街は変わってしまった。あれほど彩りがあり、毎日賑わっていた街が色を失って、ほとんどが戦車と軍服に占拠されている。たまに、怖いもの見たさのバカがやってきては軍服の人に怒られている。


 新宿の都庁前。所々でまだ煙が上がる中、後処理に追われる隊員たち。コータとアキラの姿もある。アキラが大声で指示を出している。第二中隊の生き残った者たちは、言葉少なめに遺体をかき集め、ジュンヤとカズマら仲間の亡骸を遺体袋に納めた。それらをトラックに積み込み、見送る。


「絶対許さねえ」


 セナが吐き出す。


「殲滅してやる」


 ジュンヤともカズマとも仲が良かった普段はおとなしめのサダキが、怒りをあらわにしている。二人の認証タグを握っている拳が怒りで震えている。

 リクは何も言わず、去っていくトラックの後ろ姿を見ていた。

 

 

 リク〔今帰ってきた。無事無事!〕


 母〔電話できる?〕


 リク〔できるよ。今かける!〕


 音声通話 通話時間8:58


 母〔よかった。電話でも少し声聞けてよかった。本当によかった〕


 友美〔よかった 涙〕


 父〔よくやった〕


 母〔やっぱり心配しちゃうね〕


 リク〔新人の俺は後方の安全な所に配置されるから大丈夫だよ(^^)〕

 

 リクは嘘をついた。

読んでいただきありがとうございます。感謝いたします。

次回もよろしくお願い申し上げます。

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