表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/53

第8話 しっぽ亭

「そやそや、サガンの狩った触覚が4個、うちらのが6個、足して21リルや! パーっといくでー!サガンの歓迎会や~!」

「ねえ、まだ痛む?」

「いいや。もう大丈夫だ。」

 本当は痛んだが、なぜだか俺は嘘をついた。


 町の中には至る所に酒場がある。

 竜族は酒を飲まないが、俺は冒険者だ。流儀には従おう。


「酒場には色んな情報があるのよ。探し物は酒場にあるって言うらしいわ。」

「探し物か、ホノカの記憶はここにはないのか?」

「町中の酒場に通ったわ、だけどダメだった。私はどこから来たのかな・・・・・・」


 俺は想像してみた。

 知らない土地、知らない人々、常識も非常識も、すべての記憶を奪われる恐怖。

 ホノカは何も見えない深い霧の中を、裸足で歩き出したのだ。

 俺たちが、俺が、失った記憶の代わりになれるだろうか。


 酒場には多くの冒険者たちが酒を飲み交わしていた。


 酒場にもルールがあるらしい。

 ギルドランクに応じた席が決められていた。

 俺たち最下級のEランクの席は入り口の近く。

 自分たちより上位の席には不必要に近づいてはいけない。

 逆もまたしかり。

 秩序を守るための暗黙のルールだ。


 この店、『しっぽ亭』にはこのほかにも、


 1.料理や酒を残さない

 シンプルだが絶妙な味付け。俺達ははすぐに虜になった。

 2.料理や酒の文句を言わない

「この麦酒、薄いんじゃねーかー!?」

 苦情を言った酔っぱらいは、巨体の店主トマから投げ飛ばされていた。


 3.猫耳娘たちに手を出さない

「かわええなぁ~。お店終わったら一緒に飲み行かへん~?」

 リールは店主のトマから一発お見舞いされた挙句、閉店後の清掃をやらされた。

「堪忍してやぁ~」


 俺たちは、入り口近くの丸いテーブルを囲み、これまでの事、そしてこれからの事を話し合った。

 リールの失態を笑いあい、俺の話を黙って聞いてくれた。

 まずは強くなること。

 この町を拠点に強くなろう。

 目標はBランクになること。

 Bランク以上の冒険者には、それ以下のランクでは公開されない依頼や情報が転がり込む。

 世間的な地位も高くなり、生活するうえで困ることはなくなるだろう。

 有名になればホノカを知る者も現れるかもしれない。

 俺は強くなるため、ホノカは自分を探すため、リールは・・・・・・

「あんたらといると、おもろいからな~」

 目標を見つけるまでは一緒に居ると言ってくれた。



 それから俺たちは、毎日のように討伐依頼をこなしていった。


 Eランクでは一番の業績を積み、期待の新人だとか噂されるようになっていた。

 しかし所詮はEランク、受注できる依頼は大量発生した雑魚の駆除や、町の警備、それから土木作業の現場など、取るに足らないものばかりだった。

「このままで、私たち強くなれるのかしら・・・・・・。」

「手っ取り早く、ランクアップしたいな~。」

 確かにその通りだ。

 Dランクからは依頼された魔物の危険度が跳ね上がる。

 それは早期のレベルアップを意味するわけだが、今の段階では得られる経験値が低すぎるのだ。

 虫を100匹狩ったところで何になる。


 そんな小物の討伐依頼に飽きてきたころ、ある事件が起きるのだった。

【読んで頂きありがとうございます!】

「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「このあとどうなるの!」

と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!

ブックマークもいただけると幸いです。


皆さんの応援が執筆の原動力です!

何卒よろしくお願いします……!


                 作者 手塚ブラボー より

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ