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第16話 魔王軍幹部たち

 井上ダイは異世界に居た。


「おい芳田・・・・・・。一体全体どうなってんだよ!! そうか今日はハロウィンか!?それともここは映画村か!? どうして人外さんたちがこんなにもいらっしゃるんだよ!」

「何言ってるんですか。みんなあなたの味方、側近の魔族達ですよー。ほらほら、みんなザワついてますよー。シャキッとしてー。」


 おいおいどうなってんだ?

 俺は教祖にされるために来たんだよな?

 魔王様?魔族?側近?いったい何の冗談だってんだよ!

 よく見たら馬の被り物じゃねぇ!!

 馬そのものじゃねぇか!!

 姉ちゃんもカラコンじゃないし!

 おまけにツノ生えてるし!!

 おい!大男!!怖いからこっち見るんじゃねえ!!!


 そして他の二匹!!

 舌の長い妖怪とゼリー状のやつ!!

 絶対人間じゃねーだろーー!

 だって浮いてるもん!!!

 こいつら自然と飛んでるもんーーーー。


 ここは怪物ランドだったーーーーーーーーーーー!!


「違いますよ。失礼ですねー。みんなれっきとした魔族ですよー。ほらみんなご挨拶してー!」


 バズ「はっ。私はあなた様が魔王軍の幹部、幻影のバズでございます。よくぞ戻られました、我らが主。転移されたばかりの慣れぬ環境、何なりとこのバズに御申しつけくださいませ。」


 スイ「ちょっと何よバズ。偉そうに。私のダイ様に軽々しく()()()()なんて言ってんじゃないわよ。キモチ悪い顔して! 殺すわよ! あっ、申し遅れましたダイ様! わたくしは魔王軍幹部の一人、毒闇のスイリエッタ・アンジェリエッタでございますわ。”スイ”って呼んでくださいましっ。」

 スイという美女は頬を赤らめながら名乗った。


「井上さんも隅に置けないな~。スイリエッタは井上さんの顔を念視したときからずっと待ってたんですよ~!」

 芳田がニヤニヤと言った。


「ああ、そうなの・・・・・・。」


 魔族(?)から好かれる人生だったとは。驚きだ・・・・・・。

 でも悪くないかも・・・・・・。美女だし。おっぱいデカいし。・・・・・・ツノ生えてるけど。

「わー! なんかエッチい事考えてるー! 教祖様きもーい!」

 ミキはけらけらと指を差して笑った。


 一瞬、風が吹いた。


 ぽとっ。

 地面に何か転がった。

 俺はそれを拾い上げる。


「ん? これって・・・・・・。」

 それはよく見慣れた色、形をしている。

 ぷにっと柔らかく、小さく先は尖った、何やらプラスチック片を思わせる造形。・・・・・・指のような?・・・・・・指だーーーーーーーーー!!!!


 ミキの指先からは真っ赤な血がどぼどぼと流れていた。


「ぎゃーーーー!!ミキちゃんダイジョブかーーーー!!?」

「おまえ誰に指さしてんのか分かってんのか? このガキんちょが。」

 殺気を剥きだしにしたスイが鋭利な爪を舐めながら言った。


「ダイジョブですよ~!ほら!」

 ミキは手品でも始めるかのように、血まみれの指先にハンカチをかけた。

 小さな花柄のハンカチはみるみる真っ赤に染まっていく。

 それを見て俺は卒倒しそうになっていた。

 そしてハンカチを取ると・・・・・・

 なんと、切れ落ちた指は元に戻っていた!


「これだからヒステリックおばさんはこわいよーーー。」

「なんですって、このクソガキ!」


 仲がよろしいこと・・・・・・。


「これはどうすりゃ良いんだよ!」

 俺の手には切断されたミキの人差し指がある。


「・・・・・・拙者が頂こう。」

 すると長い舌を、さながら象の食事のように巧みに使って、舌の長い妖怪がミキの切れ落ちた指を口に含み咀嚼を始めた。

 ゴリゴリ、むしゃむしゃ。


 ごっくん。


「いや、キモい。キモいけどさ、一人称の拙者の方が気になるよ! てかミキちゃんまで魔族だったの!!!!???」

「そーだよー! あたしはお花の化身、だから指だって生えてきちゃうの~! すごいっしょ!」



 そんなこんなで俺の教団本部(異世界)での新生活が始まった。

 どうやらここは漫画やアニメやゲームのような、いわゆる『剣と魔法』の世界らしい。

 初めは疑いこそしたが、あんな非現実な連中を目の当たりにするとそうも思ってられない。

 なんとか現実として受け止めなければいけない。

 俺の周りは化け物だらけなのだ。


 芳田までもが正体は”死霊”だと。

 なんだかよくわからんが、理解しようと思っても無駄らしい。


 そして一番理解ができないのが、この中で一番強いのが『俺』だということだ。

 ホントか?こいつら全員でからかってんじゃね?

 そう思っていたが、俺が廊下を歩いているだけで幹部軍の兵隊どもは全員ひれ伏して迎える。


 それに何だか最近思うんだよな・・・・・・。

 いくらこいつらが束になってかかってきても、返り討ちにできちゃうような変な自信。

 相手との力量の差みたいのが手に取るようにわかる。


「俺も、人間じゃなくなっちまったのか・・・・・・。」


 日本から持ってきた最後のタバコをふかしながら空を見上げる。


「ま、いいか。」

【読んで頂きありがとうございます!】

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                 作者 手塚ブラボー より

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