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第6話 その未来

お待たせ致しましたー


本日最終回

 今日も美味しい料理をいただい後。


 火坑(かきょう)は、何故か店を早仕舞いすると言い……珠洲(すず)に軽く掃除をさせてから帰らせて。自分は美兎(みう)を連れて、マンションに行こうと言い出したのだ。



「どうかしたんですか??」



 週末にお泊まりするのは珍しくないが、楽庵(らくあん)を早仕舞いさせてまで……美兎を連れて行くことはなかった。


 美兎が質問をしても……火坑は涼しい笑顔でいるだけ。とにかく来て欲しいと言われるだけだったので、手を引かれて火坑の自宅に入った。


 いつも通りの綺麗に整えられた部屋の中央に……見覚えのない小箱が置かれていた。見覚えはないが、見たことはある小箱。


 その小箱を見て、美兎は思わず両手で口を覆った。



「ふふ。やっと準備が整ったので……今日という日にしたんです」



 火坑は美兎から離れて、その小箱を手に取った。近づきながら、姿を猫人ではなく人間である香取(かとり)響也(きょうや)に変えていく。にっこり笑いながら、その小箱を丁寧に手に取り……まだ驚いている美兎の前にまで来ると、火坑はまるで王子様のようにひざまずいた。



「……じゅ、んび??」



 その言葉に、胸が熱くなってときめきが止まりそうにない。



「ええ。美兎さん……あなたに、結婚を申し込みたいのです」

「!?」

「人間の女性にとって、婚期を少し過ぎてしまいましたが……そろそろ、と思っていたのです。僕と一緒になっていただければ……と」



 ただ、美兎の仕事もあるので一線を越えた関係になるのはまだまだお預け。それだけは残念がっていたが、美兎は溢れ出る涙を止めることが出来なかった。



「わ……たし、で?」

「あなたしか……あなただけがいいんです。美兎さん」

「……は、い……!」



 火坑の服が濡れても構わないと言わんばかりに抱きつき、転ばないように受け止めてくれた火坑は……深いキスをするために猫人から響也の姿になったのか。セーブしていたのを外したかのように、しばらく美兎の唇を離してくれなかった。










 元、地獄の獄卒だった猫のあやかしは……転生して、あやかしらが生活する界隈で今日も小さな小料理屋を営み……そして、最愛の女性が待っててくれる家のために、日夜働いていく。


 そのような日々が……永遠に。


 その女性が笑顔で出迎えてくれるのを楽しみに……人間や神の一部から得られる『心の欠片』を、客のために料理していくのだった。

旧作も入れると、約二年近くありがとうございました!!


他の連載も頑張ります!!

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