PROLOGUE
芸術性を重視した作品かと言われると考え込む作品です。
現実恋愛なのかもとも思ったりしましたが、それも異なるような.....。
何処にも居場所が無いので、純文学にお邪魔させて戴きました。
一万五千文字、全9話です。
最後までお付き合い戴ければ、嬉しいです。
もう何度この裏庭に訪れただろう。
蔦蔓に覆われた塀に埋もれる様にそっと、なりを潜めている小さなドアを開くとそこには切り取られてできた楽園のように樹木と花に溢れていた。
薔薇のアーチを潜ると、今日も一葉は車椅子に座って、楽園に取り残された孤独な住人よろしく風景の一部になっている。
何を見ているのか。
何を感じているのか。
それは一葉も解っていないのかもしれない。
あんなに長く伸ばしていた髪も今は短く切り揃えられ、いつも自信に満ちていた大きな瞳は、カラーコンタクトで飾られることも無く、何も映していない。
キレイな二重を縁取る長い睫毛の下に覗く、別世界を見詰める小宇宙のような瞳。
硬く閉じたピンク色の口唇はあれから、ため息さえ発することは無かった。
そうしたのは誰でもない、オレ自身だった。
オレは短い階段を登り、テラスの一葉に近付いてひざまずき、首を伸ばして一葉の頬に口付けた。
あの日から...........。
時が止まった一葉.............。
一葉................。
「キミにぞっとする告白をしようか.............」
あれはちょっとした賭けだった.............。
読んで戴き有り難うございます。
ロック物で、楽しく書かせて戴きました。
最近は心理描写を向上させたいと頑張っています。
が、上手く行ってるかは疑問です。笑
今日から宜しくお願い致します。m(_ _)m




