母を酔わせて
エロと言うより、不穏な空気で終わった妹との混浴? 兄の威厳は…保たれたのだろうか?
そして、残ったのは『(強制選択消滅式)母親を酔わせる』だ。
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◇『温泉で家族水入らず』
└◇土居中温泉に行く
├◆メンバーを確保する
│└◆(オプション)矢口を誘う
├◆温泉に入る
│└◆家族風呂を予約する
│ └②(強制選択消滅式)妹を誘う
│ └◆(オプション)理性を保ち兄の威厳を守る
├◆温泉街を歩く
│└◆③(強制選択消滅式)矢口を誘う
├◇懐石料理を堪能する
│└①(強制選択消滅式)母親を酔わせる
│ └◇(オプション)出生の秘密を聞く
└◇みんなで仲良く寝る
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明日の帰りの運転に支障がない程度に酔わせなければ。しかし、気になるのは『(オプション)出生の秘密を聞く』だ。
話の流れ的に、妹の行動と発言を加味すると…。俺って、本当の…というか、血の繋がらない家族のような気がする。
もしも本当にそうだとしても、俺は…今更、家族じゃないと思えない。真衣やお母さんが…嫌だと言うなら諦めるしかないが…。
部屋に戻ると、掘りごたつのテーブルに懐石料理が所狭しと並べられていた。夏は無理だが冬になら掘りごたつに入りながら食べる鍋なども良いかも知れない。
真衣が母親の対面に座ってしまったので、自然と俺が母親の隣に座る。
♂ ♀ ♂ ♀ ♂ ♀
母親、真衣、俺、矢口の順で並べられた布団に入り、母親からの告白について考える。
お母さんと真衣から寝息が聞こえている。二人は熟睡しているみたいだ。矢口は…目を閉じているが寝ているかわからない。
俺の母親は…間違いなく今のお母さん。でも、父親は…今の父親の兄…。
元々、お母さんは、その兄と付き合っていたが、婚前妊娠してしまい…いざ結婚というときに、兄が交通事故で亡くなった。
そして、紆余曲折の末、今の父親…つまり弟と結婚した。怒りも悲しみも憎しみもない。他人事の様な感覚だった。
「ドラマかよ…」と俺は呟く。
「大丈夫?」矢口はこちらをジッと見つめていた。
そうか…。お母さんと真衣は、このときのために矢口を誘ったのか…。ということは、お父さんは…本当に来れなかったのかな?
矢口はゴロンと転がり俺に近づくと、布団の中で俺の手を握る。
俺は文字通り目と鼻の先にある矢口の唇に…軽くキスをした。




