01望まぬコンテニュー
最近は、「転生してチートになる」的な物が多いようですが、この作品はそんな楽観的な物ではありません。
主人公は死んだと同時に昔に戻ります。一見便利に見えますが、
「乳児期」「幼児期」「少年期」……などを通らないといけません。
記憶があるのに長い年月をまた繰り返す。考えただけで狂いそうです。
そこをふまえて読んでもらえると嬉しいです。
人間は皆平等に死ぬ。
どれだけ大罪を犯そうが、どれだけ非人道的な思想を抱こうが、結局は死ぬ。
死んだら感情なんて物は無くなる。
ましてや、地獄や天国が無い限り死んだあとは皆平等。
そう思ってた。
「最後に言うことはあるか?」
死刑執行人が自分に言った。
「……楽しみだよ。喜怒哀楽が無い世界に行けるなんて」
目隠しと首に強く縛られた綱が不安を煽る中、笑って見せた
「イかれてやがる…」呟きの声が聞こえた。
イかれてる……。いや、それは間違いだ。
猟奇的殺人。快楽殺人……。今まで俺がやって来たことは重すぎる。
もし、地獄なんてものが本当にあったら、俺は遥高くにある天国を見ながら地獄の釜で一生茹でられるのでは無いかと思ってしまう。この俺が怯えている。
死ぬ覚悟などできるはずがない。
「これより死刑囚、祖原友樹の死刑を執行する!」
怒鳴り声の響きで部屋の大きさがだいたい分かった。
きっと現実もそうだ。
自分の置かれてる環境なんて実は見えていないまま過ごしてるんだ。
俺も。こいつらも。この世界の民も。
「死刑囚の身体を抑えて」
両腕を二人に抑えられた。
緊張が空間を支配する。
渦巻く後悔。
逃げる気力など残ってるはずがない。
ああ、ゲームオーバーだ……。
「執行開始!!」
怒声と共に俺は死んだ。そう、死んだはずだった。
朦朧とする意識の中、最初に感じたのは息苦しさとやけに速い鼓動だ。
死刑に失敗した……?
だとすれば朦朧とする意識も、心臓の鼓動も、息の苦しさも説明が付く。
だがだとすればその場に居合わせてた者達の声が聞こえない。
ならば、本当に地獄にでも来てしまったか?
そんな事を考えてるともう一つ、おかしい所があった。
「友樹? お腹空いちゃったのー?」
母の声。少し若々しいが死んだはず母の声がする。
「あ"あ"ぁ、う"うぅー!!?」
声にならない。喉が潰れたか? いや、そもそもなぜ母がいる!?
ここはどこなんだ!!?
しかし、思考を働かす事ができるのはここまで。
急激に息苦しさが大きくなった。
体が、細胞が酸素を欲しているのに肺が酸素を受け付けず、自然と呼吸が小刻みなる。
「ん"ぎゃああ!?」
目から涙が零れた末……そこからの記憶がしばらく無かった。
次に意識がハッキリしたのは二年後
第一弾、どうだったでしょうか?
「望んでいた物と違う!」と思った人は無理に読まれなくてもいいです。
そもそも最近は、楽観的な転生チートが好まれている人がいますが、
僕の思った事を正直に言います。
「物事は上手くいかねえよ!」
はい、すいません。別にそういう類いが嫌いな訳ではありません。
ただ、「物事の大変さ」「世の中の不条理」「人間の本質」を知って欲しいと思います。
なんて傲慢な考えを言いましたが小説を書くこともとても好きです。
ですが、自分の小説に合う人と合わない人がいると思います。
でも、合う方に読んで貰い「面白い!」と思った手いただければ幸いです。
では、続きを書く気になったらまたその時に会いましょう。