夏の終わりは恋の終わり
夏ってさ、ほんと意地悪だ。
私は夏が嫌い。夏は何で長いのだろう。夏は何を楽しんでいるの?
早く秋になってほしい。早くこの恋を終わらせたい。
ー終業式ー
「私、來堵のこと、好き。」
「あっそ。俺は心のこと嫌い。俺とくに好きな人いないから。でも心のこと好きになるのは100%ない。」
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終業式に、告白するもんじゃなかった。私はいつもこんな風に夏が終わって。何でいつもこうなんだろう。告白して、失敗して。吹っ切れて、また好きになって。告白して、失敗して。
こんなの繰り返していても、何も始まらない。一途じゃないなんとなく好きかもって気持ちで告白する。それが私の人生なのかな。初恋だった來堵。來堵にはほかの人にはない感情があった。一度告白した。それは夏だった。でもその恋はあっけなく終わり、私たちの関係は友達未満になった。
でも私からした來堵への思いは一層強くなった。私は來堵を振り向かせたいと思うようになった。
私は來堵に届くような存在ではないなんてわかってる。
來堵は私とは幼馴染なんだけど。でも、高校になってしゃべる機会もなくて、二人っきりになること自体あり得ないことで。急にかっこよくなった來堵がキラキラしてて、女子がいつでも周りにいる來堵が憎らしいと思っていたあの頃とはちょっと違った感覚。いつもそばにいた來堵が、あたしのそばにいなくなって。ほかの子のところにいるのが嫌なのは私が來堵のことが好きだからですか?
來堵が私の頭を叩いて「お前なんか好きなわけないだろ」って、私は「そんなのこっちだってそうに決まってるでしょ」って意地張って。そんな仲いい頃の、中学時代に戻りたい。もう一度仲良くなりたいと思う私は変ですか?
夏の終わりは恋の終わりなんて悲しいことは認めたくない。
來堵は私のことが好きなわけじゃない。私も來堵に対してそんなの100%ないと思ってた。でもあったから。私は來堵のことが好き。今年の告白は、「好きな人とかいないから」って断られた。でもそうなら、まだ私にもチャンスはあるよね?
夏休みは恋の季節。終われば恋は儚く散る。一度だけでも数日でもいい來堵に思ってもらいたい。
來堵のインターホンを毎日鳴らす。來堵が飽き飽きしていても。
「來堵、一緒にプール行かない?」
「そんなに言うなら行ってやる。」
何それなんか、いやいやなの?嫌いな人とはいきたくないよね。これって好きへの第一歩!
プール行っても恋愛とかは会話にさえ出したりしない。告白の件もなかったことにしてくれる。來堵のこの優しさは、きっと女子で培ったんだろう。何だかいやな気分が私の奥をつついてる。水着になって水掛け合って、体と体が触れたりしたって、平気な顔してなくっちゃ。意識したって何にもならないから。自分がおかしくなっていくだけで。そんなときに気づくんだ。やっぱり來堵が好きだってね。もう止められないよ。私は、來堵が好き。何があってもずっと好き。
真っ赤になった私に言う。
「お前まだ俺のこと好きなの?」
もちろんそうに決まってる。飽きたりしないよ。來堵は私のヒーロー。いつだって優しいし、いつもそばにいてくれる。大切な存在っていつ気づいたんだろう。高校になってしゃべらなくなって、來堵と一緒にいられなくなって、それからかな。意識したのは。男子ってやっぱり、人気な人は人気なんだ。女子とは話せなくなるんだ。中学の時は何も気にせずにずっと二人で笑っていたよね。そんな思いを巡らせてる間にまた私の顔は熱くなって、それを見た來堵は、やっぱ笑ってた。
「飽きたりしないなお前。」
そうひとこと言って笑った。私のほっぺに手を当てて、顔を近づけてニコリ笑った。
「お前やっぱ、そういう顔もかわいいな。」
何もかもが私の頭から消えた。
顔がどんどん熱くなっていくことしかわからない。それは、どういう意味なの?聞く勇気もなくてただただ、來堵のほうを見つめてた。
「やっぱり俺はお前が好き。」
夏の終わりは恋の終わりそう思ってたのがばかみたい。夏の終わりは恋の始まり。夏休みは序盤なの。
あ~なんかちょっと変かも。
アドバイスお願いしますね、ハイ。