9話
ザーッザーッ
「羽音…雨凄いね…」
窓に持たれなが夕方から強まった雨足を気にする友希ちゃんが空を見上げながらそう言った
「うん…」
「大丈夫かな、愛桜」
「大丈夫だよ!落ち着いて友希ちゃん、ジュースあるけど?」
外を見れば雨が絶え間なく降り続いていた
「うん、どうしてこんな時に携帯無くすかな」
「昨日学校で無くしたっぽいね」
「なんか嫌な予感する」
「うん。そう言えば拓人さんと先生って本当に付き合ってたのかな?」
「さあ…?二人の雰囲気ってあんまり見てないもんね。こないだのカラオケの時も先生に対する愛桜の態度に怒ってたとかより…」
「あれは明らか妬きもちじゃない?大と嘉を見る目が怖かったし…大達も言ってたよ、あれでよく、くっつかずに今まで来たなって、上手くいけばいいね…」
「でも約束の時間から2時間経ってるし…もう夜の10時だよ?連絡ないってことは上手く行ったのかな?家電も出ないし」
「そうだね。上手くいってるなら邪魔しちゃ悪いよね」
そう言えば二人で笑顔になった
――――――――
「ただいま、紀乃タオル持ってくるから待ってろ」
「うん」
家に着いた途端母さんが慌てながら俺の元に来る
「あら、紀乃ちゃんいらっしゃい
拓人?ちょっと、ごめんね」
「紀乃部屋行ってて、んで何?」
「昨日から連絡してるのに」
「俺ももう大人だから」
「そんな事言ってるんじゃないわよ、愛桜ちゃんから電話かかって来てたの何回も、学校で携帯なくしたみたいで話があるって」
「あーそれなら聞いたから大丈夫」
「え?そうなの、なら良かった」
のれんから顔を出してきた親父が
「飯は食べないのか?」
と聞いてきた
「部屋で食べるよ、気使うと思うからさ」
「愛桜が良かったのに」
「…はいはい
あっそういや母さん、愛桜に俺と紀乃の写真とか渡した?」
「そんなことしないわよ?それに愛桜ちゃん二人のこと知らない雰囲気だったし…」
「まあな…大学の頃あんまりこっち居なかったし」
「それでどういう関係になったの?」
「あ~もううるせぇな、とにかく飯できたら言って」
バタン
居間を出ていく拓人を二人で見送った
「…やっぱり拓人は愛桜ちゃんとどうこうなる気はないみたいね…」
「まあ俺たちが言ったって一緒だってことだな…それより酷い雨だな…」
「そうね…」
プルルル プルルル
「もしもし?雅恵?
愛桜ちゃんは来てないわよ
うん…うん
えっ?大丈夫なの?
うん、何か解ったら電話する」
受話器を置いてお父さんを見つめた
「愛桜帰ってないのか?」
「携帯無くしてるから連絡とりようがないって、雅恵私の携帯にも何回か電話くれてたのに気づかなかったわ」
「この雨だぞ?友達の家だろ」




