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Not change affection  作者: janky
6/19

6話

「ただいま…」

「愛桜おかえりって、どうしたの?」

「…ッ…グスッ拓人さん…彼女居た…」


あれからしばらくして堪え切れなかった涙が溢れてしまった

お母さんは少し笑いながら


「彼女?あんたね…彼女の一人や二人居なきゃおかしいに決まってるじゃない

拓人君よ?カッコイイし気が利くし優しいしモテないわけないでしょ」

「…お母さんに言った私がバカだった…」

「ちょっとどういう意味?捕られたくないならちゃんと拓人君の恋人候補に入らなきゃダメでしょ?」

「…恋人候補って…言われても」

「まっ愛桜には無理かな、ほら早くご飯食べよう」

「…えー教えてくれないの?」

「まだ早いかな」



お母さんの返答に笑い、心も落ち着いたのか涙が止まった

だけどあの二人は今頃…そう思うとまた泣きそうになる


こんなに好きなんだって毎回、毎日、ずっと思う

誰か止めて欲しいくらい、苦しい…

だけどどんな事をしても頭をいつも過ぎるのは、拓人さんだから…




――――――――



学校で会ったきりしばらく愛桜を見ていなかった時だった

「愛桜が?」

「そうなの」

母さんが焦るように頷く

「拓人、おめぇ愛桜に何かしたのか?」

そう親父に問われ

「してねぇよ…っつか体調悪いんじゃねぇの?」


そう返しながら、こないだのことを思い出す

さすがに冷たかったか?考えても理由は出てこない


雅恵(まさえ)が心配してるくらいだからよっぽどの事よ」


雅恵さんは愛桜のお母さんで母さんの幼なじみ


「珍しいな」


愛桜が元気なく落ち込んでいるって噂を聞いて…

母さんが確かめたら、ご飯もほとんど食べてないと聞いたらしい


「あっそうだ拓人、三丁目の居酒屋に酒配達してくれ」

「…おう」


車の鍵を握り車庫に向かう

帰りに愛桜の様子でも見に行くか…


愛桜は俺にとって妹のような存在で、つくづく甘いなっとたまに呆れる時もある

こないだ、寝ぼけてされたキスも俺の胸を騒ぎ立てるのをやめて冷静差を取り戻してくれるようになった



「ちーす、華園っす、おやっさん酒持ってきました」

「あれ珍しいじゃねぇか、今日もありがとうな」

「親父急用で、次も同じくらいで大丈夫っすか?」

「おう、これ今日のおつまみにでもして」

「すみませんいつも、ありがとうございました、失礼します」


店を出て軽トラックに乗り込もうとした時…


「愛桜?」


向かいのカラオケBOXから制服を着た男女数人が仲良く出てくる。その中に見馴れすぎた愛桜が居た。


(だい)面白すぎ」

「友希笑いすぎ」

「学校に居るよりテンション高かったね、特に(ひろ)!」

「最近如月先生になってからノリが解んなくて、羽音ちゃんも楽しかったろ?」

「うん、楽しかったよ?如月先生天然っぽいよね」

「どうせ男は、そんなとこが可愛いんでしょ?」

「正解!さすが友希」

「大は顔に出てるよ」

友希ちゃんは笑いながら

「大人だもんね…愛桜?聞いてる?」

そう問いかけてくる

「聞いてる…」

そう返事をして立ち止まり前を見つめる愛桜の視線をみんなが追った


「こらみんな!何時だと思ってるの?」


「今から帰るの」

友希ちゃんがそう言いながら私の手を握ってくれた


「そうそう先生こそ何やってんの?」


大が先生の横に行き笑いながら問いかける


「巡回に決まってるじゃない、ここ立ち入り禁止区域でしょ?とにかくみんな明日生徒指導ね」

「帰るのに通るのもダメなの?」


羽音ちゃんがめんどくさいっと言わんばかりにため息をつく


「カラオケ行ってたでしょ?」

「もう帰るからいいだろ?」


嘉は少し怒ったように如月先生の横を過ぎようとした

「ダメよ、反省してないの?」

「はあ、面白くねぇの、帰ろうぜ」


手を振りほどき嘉がそう諭す


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