13話
「で?拓人と何かあった?」
「えっ?…別にないよ」
「顔に描いてるっつの、華園家には行きたくないって」
「優人さん、容赦ないね」
「可愛い妹をいじめるやつは俺がこらしめてやる」
「残念。悪いのは私だから」
そう言うと食べていた手が止まり切ない顔をした愛桜は顔を伏せた
「いや、悪いのはあいつだな」
「えっ?」
「いい大人がこんな悲しい顔させて本当にどうしようもない奴だなあいつ」
「ハハッ…やっぱり優人さんが一番いつも優しい」
「当たり前だろ、優人の優は優しいって書くんだぞ?
それに俺三兄弟の中で一番優しいと思うけど」
笑って私を諭す優人さんに涙が出そうだった
「拓人、バカだからな」
「そんなことない。優しいよ拓人さんも…」
「振られたか?」
私を見つめる優人さんの優しい瞳に涙が溢れた
「子供はダメみたいです」
「…ッ」
その顔は反則だろって言葉を飲み込み
「ふーん。よしっ、何があっても、何聞かれても俺に話合わしておけよ!」
「え?」
「拓人さ、昔からどっか冷めてて、俺と兄貴は社交的で外向きじゃん?だからいろいろ我慢させてたなって思うわけ。愛桜もっと自信もっていいんだ
俺が保証してやるよ」
笑顔でいう優人さんに頷いた
「ほら早く食べろ!お腹いっぱいにしろよ」
「うん。ありがとう
優人さんって意外と兄弟思いなんだね?」
「言っとくけど今回だけだからな
俺、ほんと不器用だから」
「おばさんが言ってたよ?優人ほど器用な子知らないって」
「っおい。何の話してんだよ」
「高校の時の三又の話」
「さ、さんま、っもういいからデザートでも食え」
そして2人でその後も楽しく思い出話をした
理人さんや優人さんは私が物心ついた時にはもう立派な大人だった
とにかくモテて、バレンタインの日は華園酒屋の前はパニックになる
それはきっと今でも変わらないと思った
この心地いい優しさはずっと変わらない




