12話
あれから1ヶ月が経った
「だから友希ちゃん、それは大が言ったの」
「大、最低」
大声で笑いながら大と、友希ちゃんと休憩中盛り上がっていた
「愛桜ちゃん元気になったみたいだね」
教室の中で言い合う3人を嘉くんと安堵しながら見ていた
「まあまだ1ヶ月だけど、愛桜なりに頑張ってると思うけど、羽音はどう思う?」
「うん、頑張ってると思う。
如月先生にも普通だしね…」
「…けど本当は今にも潰れそう…が本音だろうな」
「お見舞いも来なかったし、愛桜ちゃんに会いに来てない。拓人さんにとって愛桜ちゃんは何だったのかな?」
「さあな…」
あれから1ヶ月の月日が経って私は笑えるようになっていた
あの日、私は拓人さんを待ちわびて雨に濡れ体を壊してしまった。あとから如月先生に謝られ事の真相を知る事になる
私が教室で話してるのを聞き、嘘の日付を拓人さんに教えて私の携帯を隠したってことを…
本当に悲しかったし、どうしてこんな事されたんだろうって思ったけど答えは明白だった
拓人さんは会いに来てくれなかった
私が二人の邪魔をしたんだ…
いっぱい泣いてるうちに心のどこかでこうなる事解っていたんだと思う
如月先生のことは私たちグループの秘密にしている
これ以上傷を広げる勇気は私にはない
如月先生を傷つければ拓人さんが傷つくんだから
―――――――
「おい、拓人?」
「……………」
あれから1ヶ月が経って愛桜とは会ってない
だけどこの1ヶ月は、モヤモヤして結局愛桜の事ばかりを考えていた
『一緒のようで一緒じゃない』
おばさんの言葉がずっと胸を締め付ける
「拓人!!」
「っ?…呼んだ?」
「呼んだじゃねぇよ、これ夕方までに配達だろ?」
「……忘れてた、行ってくる」
元気なく外へ行き荷物を軽トラに積む姿を見つめる
「大丈夫かしら?拓人…最近元気ないわね」
「そうだな、あいつだけは何考えてるか未だに解らねぇよ」
「んじゃ行ってくる」
「はい、気をつけてね」
「おう」
愛桜の居ない1ヶ月は不思議なくらい長い気がした
通学路さえ変えたのか愛桜に毎朝会っていた日課もなくなった…六軒先がこんなに遠いと初めて思った
俺のいろんな断片に愛桜が居て、何かしててもいちいち思い出す。
この胸のモヤモヤは、あの病院の日から俺の中で日に日に増していく
「…ックソ……んだよもう…」
信号が赤になり、ハンドルにもたれかかる
「はあ。」
この胸の痛みは何を教えようとしてるのか考えても今はどうすることも出来ない距離にため息しか出なかった
―――――
「たこ焼きにする?」
「友希好きだな、たこ焼き
どうせならカラオケで食べようぜ」
「大はカラオケ好きすぎでしょ、まだフリータイムで入れる?」
「さあな…愛桜は…ん?」
校庭の先でこっちに手を振る人影を見つけみんなで足を止めた
「…あっ…優人さん!!?」
「久しぶりだな愛桜!」
そういうと優人さんが駆け寄ってきてギュッと私を抱きしめた
その光景に全員の目が点になる
「愛桜ちゃん…優人さんって?」
「誰だよ?」
「嘉、大、羽音、この人は拓人さんの真ん中のお兄さん」
「えっ?」
「そう言われれば似てる」
「性格は全然違うけどね」
っと友希ちゃんが呟く
「はじめまして、久しぶりに帰ってきた事だし、愛桜晩飯食べに来いよ」
「あ…」
そう言いながらしれっと俺の腕の中から出た愛桜は気まずそうな、罰の悪そうな表情を浮かべた
「どうした?」
「優人さんさえ良かったら外にしない?」
「別にいいよ、何食べたい?何でも食べさせてやる!じゃあちょっと愛桜借りるな」
「ごめんねみんな、また明日ね」
みんなが手を振るのに応えながら、優人さんの車に乗り込んだ
「……いきなりどうしたの?」
「んー?時間できたから可愛い愛桜に会いに行きた」
「はいはい、相変わらず変わってないね」
「愛桜、一応おれ13くらい年上なんだけど」
「そうだったかな?」
イタズラに笑う愛桜を見て安心した




