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ジーンズの街『児島』
瀬戸内海の父の故郷の岩黒島へ、母と妹と一緒に墓参りに行ってきた。
ジーンズの街『児島』駅でバスを待っていたら、20代ぐらいの女性がスマホのバス路線図を示しながら「鷲羽山ハイランド行きの停留所は何番ですか?」と訊かれた。
鷲羽山ハイランドはブラジリアンパークとも呼ばれていて、岡山県倉敷市の鷲羽山山頂にある遊園地である。ブラジリアンカーニバルが名物のひとつだ。
次の瞬間、女性は十人ぐらい友達と中国語で話し出した。
あまりに流暢な日本語だったので、中国人観光客だとは思わなかった。
停車中のバスの運転手さんに尋ねて、ようやく四番停留所だと伝えた。
また、児島に観光に来てくれるといいなと思った。
それから、瀬戸大橋の岩黒島へのバスに乗ったのだが、勘違いしてたことに気づいた。
たぶん、あの娘達は観光客でなくて、ジーンズの街『児島』で働いてることに。
流暢な日本語、女性十人だった理由がようやく分かった。