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社会人1年目の自分への手紙

 君は約一年後の春にセールスカーで渋滞中に居眠りしてしまい、前の車にノーブレーキで衝突することになる。

 相手は某Gさんの経営してた会社のカーディーラーの人で、事務所に電話を何度もかけきて、保険会社に任せてるのにといっても、十万円払えと言ってくるが五万円でいい。

 それできっと納得してくれるはずだ。

 あ、三十五歳ぐらいになったら、自分が睡眠時無呼吸症だということを知ることになるが、それでこの事件の理由を納得できるだろう。


 君は約二年後の日曜日にセールスカーで帰宅中に、ミラーを見ずに後方不注意で飛び出してヤクザの車にぶつけてしまい、会社の所長代理と一緒にヤクザの事務所にケーキを持って謝りにいくことになる。

 何か誠意を見せろと言われるが、支店長に相談して本社に掛け合ってもらえば、200万出してくれるので心配するな。

 その話がお得意さん中に知れ渡って、いろいろと心配されるが、そのことにはむしろ感謝しろ。

 人の心の温かさを知ることになるだろう。


 君は約三年後に会社の寮に帰宅途中、車の横っ腹に追突されることになる。修理代の他に慰謝料十万円だすので警察呼ばないでと言われるので、素直に受け取っておけ。

 本当は事故ったら警察呼ばないと事故証明が出ないのでいけないが、武士の情けも大事だ。あっちにもいろいろと事情がある。

 

 君は約五年後に埼玉県のお得意さんに商品を届けている途中に、ぬかるんだ田んぼに落ちてレッカー車を呼ばれることになる。

 でも、ヤクザに車をぶつけたことを思えば、大したことはない。

 そんなこともある。

 むしろ、伝説が増えたことを喜べ。

 

 そんな君は会社の車両の事故担当になっているが、これ以外にも信号待ちで停車中に女性ドライバーに後ろから三回ぐらいぶつけられるが、むち打ち症にはならないので安心しろ。

 むしろ、これだけ事故経験が豊富な君は、車両の事故担当の仕事は適任と言える。



 君はヤクザに車をぶつけた事件を苦にして、セールスを頑張って六年間営業成績を伸ばし続ける。

 だが、約六年後にお得意さんの特約問屋の円満廃業と担当スーパーチェーンの業態転換で取引停止になり、売上げが半分になって苦しむことになる。

 だが、それは急激な土地取引の総量規制をしてバブルをハードランディングさせて弾けさせた当時の大蔵省(今の財務省)のせいなので気にするな。

 それでこの会社を一年後に辞めることになるが、それも人生だ。


 あ、言い忘れていたが、退職が決まった後に、会社の寮の駐車場に飛び出ていた金属の何かで車のオイルタンクに穴が開いて、気づかないで走ってたらエンジンが焼け付いて愛車が廃車になるが気にするな。

 故郷に帰ったら、妹がいらない軽自動車を五万円で売ってくれるから心配ない。

 そして、半年後に余暇時間が長い同じような給料の会社に再就職できるだろう。

 意外と人生はやり直しがきく。





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