01 四竜伝説
〜王立図書館所蔵『四竜伝説』より抜粋〜
世界を創造せし四体の竜あり
名を、金竜、銀竜、光竜、闇竜
四竜は天地を創造した後、命あるモノを創造した
そして最後にそれらを統べる者として ヒト を創造しようとした
創造された人々は数を増やし、街を作り、徐々に繁栄を深めていった
急速に発展する彼らを見て、銀竜が言った
「このまま人間達が増え続けると、我らに害を成すことはないだろうか」
これをきっかけに、四竜は意見を違えて分裂する
「このまま見守るべき」
と言う金竜、光竜に対して銀竜、闇竜は――
「一度人間は滅ぼし、最初から造り直すべき」
として対立、溝は修復不可能となり、ついに衝突した
大気を燃やし、大地を砕き、海を裂いた戦いは七日七晩続いた
戦いの末、銀竜、闇竜は敗れ絶対零度の氷塊に封印された
しかし、激しすぎた戦いに巻き込まれ、人間は世界から姿を消した
金竜は戦いで深い傷を負い、光竜と共に新たな人間を創造した後、長い眠りにつく
残った光竜は万が一に備え、竜の力を持った人間を創造した
その後人間に姿を変え、新たに創造された人間達の国で、初代国王として彼らを導いていった