第四話【異世界の車窓から】
つなぎ回。&新キャラ登場&決闘フラグ?
裕也「朝だ!」
祐奈「月曜だ!」
裕也・祐奈「「魔法学園だぁぁー!」」
ベランダにて二人で叫ぶ。
今日は待ちに待った魔法学園見学&入学(予定)の日だ。
「ほらほら、あねゆーちゃんにあにゆーくん!ご飯ですよ~!」
裕也・祐奈「「うぇーい!」」
まずは腹ごしらえDA!!
~~少年少女食事中~~
裕也・祐奈「「いってきまーす!!」」
両親「「いってらっしゃーい」」
魔法学園の行き方は列車らしい。
魔導列車『DL2000』、見た目は昔のSLだ。
吐き出る黒い煙は魔力の残滓だそうで。
ぼんやりと外を眺めていると、祐奈はカバンから教科書のようなものを取り出していた。
「何してんだ?」
「うむ、キミに魔法の最低限の知識を、と思ってな」
「ほむほむ…しかし何故だろうか、その知識が頭にあるぞ?」
そう。
魔法に関する最低限の知識が、俺の頭にはある。
それが何よりの謎だった。
「ふむ…思うに、私とキミが同一存在であることから、キミと私の記憶、知識が同期したと考えられる」
つまりはこうだろう。
世界をパソコン、俺と祐奈をiPhoneのようなデバイスとしよう。
世界に祐奈(iPhone:A)の記憶が入っており、そこへ俺(iPhone:B)が入り(接続し)、祐奈(iPhone:A)の記憶を同期し、その逆…俺(iPhone:B)の記憶も同期されるということ。
ん?ということは…
「無論、キミの性癖から趣向まで網羅しているぞ(キリッ」
「今すぐ忘れろぃ!!」
「ふふっ…
だ が 断 る !」
「オンドゥルルラギッタンディスカァァァー!!(0w0#)」
——閑話休題
「知っているなら尚更、復習として確認だ」
「おkおk。
えーっと…
・魔法は大まかに二種類。大気中のマナを扱う属性魔法。マナの集合体『精霊』の協力を乞う精霊魔法。
・通常は杖などは使用しなくとも魔法は使用可能。しかしその分初心者の場合は失敗しやすい。
・飛行魔法も同様
・使い魔を召喚することで前衛、若しくは後衛を任せることが出来る。
……こんなもんか?」
「魔法学園の基本としては上出来だ。それを頭に入れておけば色々役に立つ。
ちなみに属性の有無はあるが、優劣は無い。ただ混合魔法のときに失敗しやすいかそうで無いかの違いだ」
「へー…祐奈の属性って?」
「私か?私は雷と風だ。ついでに教えておくが、この世界での魔力基準は『リリなの』と同じと考えて良い」
「おお、幸運幸運♪分かりやすくて助かるぜ。…で?祐奈は?」
「SS+だ。これでも学年一位の魔力量だぞ?」
「すごっ!」
そんな他愛も無い話をしていると、俺たちの話している個室(実はハリポタっぽい列車で、個室となっている)のドアがノックされた。
ノックしているのは群青色の髪のサイドポニーの女の子だった。
「祐奈ちゃんおはよー!一昨日ぶりだねっ」
何とも元気な子だな。
何処となく「なのはっぽい」
「青廼か。おはよう」
「はいはーい♪…おやおや?そちらの少年くんは?」
「ああ、私の親戚でな。東崎裕也だ。弟と同じ名前だが、大丈夫だろう」
「東崎裕也だ。よろしく」
「ふむふむ。おっけ、"覚えた"よ!ボクは『青廼菜花』。祐奈ちゃんの同級生なんだ!よろよろ~♪」
マジで魔王でした。
祐奈の記憶ではこうだったな…
水と鉄の属性で、変幻自在に武器や姿を変えるトリッキーな戦いをするテクニシャン。
物量によるゴリ押しも得意なそうだ。
得意武器はハルバートだそうで。
「さてさて、ボクもご一緒して良いかな?」
祐奈「ああいいぞ」
そして青廼はそのまま祐奈のそばに座る。
席的にはこんな感じ。
祐 窓 裕
菜 間 荷物
良い感じに狭くて落ち着く…♪
一人ほんわかしていると青廼が話し掛けてきた。
「ねね、裕也くんってさ、もしかして魔法学園に入るの?」
裕也「ん、ああ。その予定だ」
「そっかそっか♪年も一緒っぽそうだし、同じクラスになると良いね!」
青廼が和やかに言うと、祐奈が思案する様な表情で発言してきた。
祐奈「だとすると少し厳しいぞ?私たちのクラスのクラスはAAから最大値であるSSSの魔力を前提条件に魔力を上手く扱うことが条件な上位クラスだ。まぁ、魔力と親のコネだけで来る役立たずも多くいるがな」
最後ら辺を話す祐奈の顔は、忌々しいと言わんばかりの怒りの表情だった。
それを見た青廼が原因となる話をした。
「祐奈ちゃんね、ほらほら、色々パーフェクトでしょ?容姿端麗、品行方正、頭脳明晰、運動神経抜群…それに目を付けたワグマールっていう魔法貴族のドラ息子が執拗に祐奈ちゃんに迫るんだよ。結構ワグマールん家も爵位が上だから教師たちも何も言えなくて、結局ちゃっかいだして去って行く感じなんだよ」
裕也「よし、そいつ殴ろう」
「ちょ!?」
ちょっち聞いててイラっと来た。
人間、欲望は大切だよね!
「裕也くん何言ってるの!?相手はコネ使ったと言っても魔力はAAAだよ!?魔法初心者の裕也くんじゃ…」
裕也「青廼」
「!?」
裕也「ある男は言った。
『男がやってはいけないことが二つある。女の子を泣かせることと…』」
裕也・祐奈「「『食べ物を粗末にすることだ』…!?」…ふふ」
突然言葉をかぶせてきた祐奈に顔を向けると、祐奈は笑っていた。
祐奈「流石だな。ここで天道語録を出すとはな…殴るときは手伝わせてくれ。いい加減我慢のリミットでな」
裕也「…おう」
手を取り合う俺達。
俺たち二人が揃えば、怖いものは何も無い!
「こ、これはこれは! すごいことになるのかな…!」
青廼がそう呟いていたことを俺たちは知らないでいた。
次回、魔法学園見学です