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9 騎士・レオン

 遠目に見たのが最初だった。

 

 東の領地にて、農作物を荒らしていた害獣が人を襲い始めたと知り、またその害獣が本来冬の間は山に篭って滅多に出て来ないという中で真冬にも関わらず出て来た事が大きな問題になった。


 下っ端の兵士たちが二十人以上の集団で掛かれば仕留められるはずのものが、そうなると軍が最低でも十人以上出張らなくては仕留めるのに苦労する。

 まして、報告では横も縦も大の大人の三倍以上の体格だという。


 当時、外軍(がいぐん)の中でも国境に沿って国内巡回が(おも)となる第三師団の中から精鋭の部下を十数名引き連れて、害獣が暴れている土地へ向かった。


 餌が少ない冬季の、更に空腹状態の害獣は厄介だ。

 下手をすれば、軍の精鋭であっても重い怪我を負う事がある。

 (たち)の悪い事に、追加報告では雌雄の番だというから、子がいる可能性があり、そうなると益々討伐が難しくなる。


 死者が出る覚悟をした。


 軍からの人員を増やさなくてはならず、討伐先の土地へ向かう途中にある町に休憩を兼ねて立ち寄った。

 そこから伝令鳥を飛ばして、追加人員を準備が出来次第すぐさま出立させるよう命令書を出すつもりだった。


 しかし、そこには療養に来ているというセイィータ公爵一家が滞在されていた。

 公爵夫人の体が弱い事は有名であったし、立ち寄った町は温泉が幾つかあり療養地として人気があった。

 だから、公爵一家が滞在されていたとしても不思議ではなかった。


 そして、物々しい雰囲気を醸し出す我々に公爵の方から声を掛けて下さり、更に事情を説明すると護衛として引き連れて来ていたセイィータ公爵家お抱えの領軍(りょうぐん)から人を出してくれるという有り難い申し出があった。


 心強い援軍を得て、そうして害獣の討伐はこちら側に大した被害を出さずに完遂出来た。

 帰還の途についた時、当然その療養地へ足を運び公爵に面会した。


 その時の事だ。

 

 子供特有の甲高く柔らかい笑い声が耳を掠め、振り返れば遠目に見た幼女の姿。

 着込んだ衣服の様相から高貴な身分の子であるのは知れたし、自然その幼女がセイィータ公爵家のご息女とすぐに察せられた。


 何か楽しい事でもあったのだろう。

 傍目にも厳つい強面の男たち数人に囲まれながらも何やら面白そうに笑っている。

 男たちも、その(おもて)から想像も付かない和やかで優しげな空気で幼女を見守って相手をしている。


 内幾人かは見知った顔ぶれだった。

 公爵が貸し出して下さった領軍の兵士たちだ。


 公爵令嬢は、人見知りも恐れもせず無邪気に何やら話し掛け、それに男達が穏やかに笑って対応している。


 強面の軍人集団と幼くも高貴な娘という何とも奇妙な組み合わせは、けれど流れる空気の気安さと柔らかさで別段そこまで不思議なものとは感じられなかった。


 それだけ、彼らとご息女が常日頃から親しくしているのだと知れる。


 貴族の令嬢ともなれば、何とも珍しいはずが、その場にはそんな珍しさはない。

 

 知らずその光景を見遣って暫く。

 耳の奥にご息女の何とも無邪気で柔らかな笑い声を残したまま踵を返した。


 生まれながらにして国王陛下の許婚。

 あのご息女が未来の正妃となられるのも悪くない――――確かにその時、ふとそう思った。


 二度目に見た時に、かつて見たはずの無邪気さも楽しさも柔らかさも優しさも、何もかも削ぎ落とした無表情のご息女に激しく心が痛んだ。


 一体、何があって、どうしてご息女がこうも変わり果ててしまったのか。


 貴族令嬢として完璧な所作で挨拶をして、ひとつ。

 ふと伏せられた眼差しは何を見ているというのか。


 お労しいと憐憫を向けるのは簡単であった。

 しかし、そんなモノをご息女が欲しているかどうか。


 ただ、国王陛下の、その周囲の、そうして多くの人々の、正妃であらせられるセイィータ公爵令嬢に向けられる排他的な冷遇ぶりには何度も目を覆いたくなった。


 一体、どうしてこれ程までに存在自体を否定されるように見られるのか。


 いかようにも遣りようはあったのだ。


 どれ程、セイィータ公爵が持つ権力があろうと。

 どれ程、先代国王陛下の遺言があろうと。


 国王となって長くその地位を維持し、国王派と呼ばれるまでの強固な派閥を作り上げたグレンダート陛下が本気で動かれていれば、セイィータ公爵令嬢との婚姻を、それが成される前に白紙に戻す事が出来たはずなのだ。


 背景にある(まつりごと)の力関係も、セイィータ公爵家の血筋を王家に今入れる事はバランスを崩す事となりかねないと懸念して、国王派でなくても反対する人間は多くいたのだ。


 例え、仮にセイィータ公爵が先代陛下の遺言を楯に取り、婚姻の儀を強行したのだとしても。

 

 実際、セイィータ公爵は先代国王の遺言を楯にも取らなかったし、婚姻の儀を強行した訳でもなかった。

 ただ、事前にグレンダート国王に婚姻の儀を成すのか成さないのか意思確認をとったと聞く。

 この時、グレンダート国王が否やを答えていれば、恐らくセイィータ公爵はそれを諾々と受け入れていただろう。

 

 政治的な絡みがあろうと、国王派に疎まれていると解っているセイィータ公爵が大切なご息女を魔窟である後宮に送り込む事などしなかったはずだ。


 






 一体、誰が一番罪深いのか。

 セイィータ公爵家のご息女である限り、始めから解り切っていたはずなのだ。


 国王派とセイィータ公爵派の対立が、正妃となった女性に大きく影響する事を。











 それでも、私は望む。

 かつて耳の奥に残された優しく無邪気な笑い声をもう一度聞きたいと―――――――。















「それで、余の孫は何と?」


 入室を許可され、レオンが片膝を着いた途端に鷹揚な声音が問い掛けた。

 しかし、齢を重ねた声音はその年経た年数分だけ枯れて聞こえてしまうのは仕方ないとも言える。

 それでも、七十を半ば過ぎてさえ他の同年代と比べれば随分とはっきりした声通りをしていた。


「次期メリレンチェ公爵後継者・レバンチェック殿の申し出を快諾し、《眷属》はメリレンチェ公爵のご養女(そくじょ)になる事が決定。また《眷属》の懐妊の報と共にお披露目を兼ねた祝宴を開くとの事。その際には、セイィータ公爵令嬢であられた現正妃様の廃位宣言と新たな正妃の発表も行われるのは間違いないでしょう」

「……何とも予想通りで呆気ないものね」


 ころころと笑って頷くのは、《黄昏宮《たそがのみや》》の主人であり、現国王・グレンダートの祖母である太王太后陛下のリエルアナである。

 老いという肉体の衰えはみられるが、それでもきりりとした容貌は実年齢より随分若く六十前後の年齢に見せている。


 《女》としての己の磨き方見せ方を良く知っている太王太后陛下は、長年後宮を牛耳っていた女主人でもある。

 後宮という名の魔窟に君臨した女は、例え表向きは今の《華》たちに後宮(ぶたい)を譲ったと見えても実際は裏で鷹揚に構えて、定期的にそれと知られずに横槍を入れている。


 事実、かつてグレンダートの子を身篭ったとされる《華》を後宮から無残に引き抜いて打ち捨てたのは、この一見して厳格でありながらも優しげな顔立ちの老貴婦人だ。


 優しげな声音で、上品な仕草で、慈愛に満ちた微笑みで易々と人の命を刈る命令を躊躇いなく下せる、そんな人間である。


 正妃腹以外の懐妊は認めないとして、呆気なく引き抜かれ刈り取られた《華》。

 実の子であったギルリアード二世以上に孫のグレンダートを溺愛する太王太后は、グレンダートが愛妾腹の子を望んでいないと知ると、グレンダートの子と理解していてさえその芽を簡単に摘み取る。

 その冷酷さは、後宮という名の魔窟を生き抜き牛耳った素質を如実に表している。

 優しさや慈悲、穏やかさや上品、そんな甘ったるいものだけで後宮の頂点に立つ事は出来ない。


「グレンも、本当にあの娘が愛しくて仕方ないのは解るけれど、よもやこうも呆気なく己の正妃を切って捨てれるとは……ふふふ、流石余の可愛い孫ね。そうは思わなくて、レオン」

「…………」


 求められる同意に、けれど頭を下げたままのレオンは何も返さない。

 無言を肯定と捉えられようと下手な言葉は逆に命取りだと、この老貴婦人に仕えてから十年、身に染みて解っている。


 また、レオンの答えなど実際は求めていないのだ。

 己の思惑通りに事を進められるのならば、可愛がっている人間ですら朗らかに笑って殺すよう命じられるだろう。


 この十年で、レオンが知るだけでも太王太后・リエルアナは確かに可愛がっていたはずの傍仕えの侍女や女官、己の縁戚筋の人間を十人程、容易く切り捨てている。

 

 それ以外の人間ともなれば、闇に葬られただろう人数がどれ程となるのか。


 息子のギルリアード二世の正妃すら、病死に見せ掛けて暗殺したという噂をレオンは耳にした事があった。内容が内容だけに、その噂も良くある王侯貴族の急逝を好奇心を満たす為だけに流れた一種の娯楽的噂話としてすぐに立ち消えたらしい。


「それにしても、《眷属》を得るなどという僥倖に恵まれるのは、国王としてのグレンのこれからがもっと素晴らしいものであるという証明ね。しかも、《眷属》が懐妊しているなんて。この国も安泰だわ」


 確かに、世界中が水不足と砂漠化で悩まされている中にあって半年前、突然国王が連れ帰った娘の存在は、今や世界中が血眼になって欲しがる尊い存在でもある。


 ここ二十年程は、極端な水不足や砂漠化は見られていなかったが、娘が遣って来た頃を境に王城を中心として井戸などで湧き出る水の量が増え、緑に芽吹く植物も多く見られ始めた。

 それは、少しずつではあるが王都の外側へと円形状に広がっている現象だ。


 その僥倖を前に、恐らく娘は豊穣の女神であり、大地母神と呼ばれる《トゥヌシュミュルルフォ》の《眷属》だろうと、神殿に仕える数多の神官や巫女たちは考えているようだ。


 そして、娘に接した者たちの大半もまたそう思い至っている。


 多産・肥沃・豊穣を約束する大地母神は、緑や水の女神(むすめ)達を統括する母神でもある。

 雨と水のサライライサは、トゥヌシュミュルルフォ神の十二番目の娘だ。


 大地母神・トゥヌシュミュルルフォの《眷属》がこの国に現れ、更には国王と子を成したとなれば、この国そのものが水蛇狩りの罪を許され、かつ大地母神の祝福を得たのだと。

 

 今や、殆どの人間が信じている。


 太王太后であるリエルアナでさえそうだ。

 仮にその娘が《眷属》でなかろうと、今の国情不安が取り除かれ、水と緑が減らず増えているのであれば文句はないのだろう。

 国王・グレンダートの治世が安定し輝かしいのであれば、《眷属》の娘がどうであれ、リエルアナは満足なのだ。


 女として、祖母として、孫息子の花嫁となる女がどれ程素晴らしい人間であろうと、リエルアナの気性からすれば瑣末な事で粗探しをして不満を募らせ、そして気に喰わないと批判する。


 だが、グレンダートに多大な利を齎すならば黙る口をリエルアナは持っている。


 国益を齎すか否か。

 国王である孫息子に有益であるか否か。


 己と娘の相性が良かろうが悪かろうが、個人的な感情を後回しにして国とその頂点の国王の立場と利益を最優先に出来る程には、リエルアナは王族として義務と身の程を知っていた。


 レオンはそんな太王太后の付きの親衛隊員であり、他に十人いる隊員を纏める役目を担っている。

 

 貴族階級は伯爵位でり、軍閥貴族の嫡男として生まれ、その実家の方針で軍の下っ端から始まった叩き上げの軍人でもある。


 かつては外軍の師団を率いていたが、親衛隊へ引き抜かれ、十年前からこの老貴婦人の守護をしている。

 だが、レオンは太王太后であるリエルアナに忠誠を誓っている訳ではない。

 仕事と割り切って、老貴婦人の傍にいるに過ぎない。


 しかし、その忠誠心のなさを(さと)られるような青臭い人間でもなかった。

 レオンにとっての主君は、未だただ一人先代国王・ギルリアード二世である。


 治世短く、若くして逝った先代国王とこの目の前の太王太后の容姿は然程似ていない。

 髪の色と顎の線の細さ位で、その程度なら赤の他人同士でも似通った部分として上げられる外見だ。


 だからだろうか。

 レオンは時折思うのだ。


 ギルリアード二世は、本当にこの女性の子だったのだろうか―――と。


 その考えを口にすれば、途端首を刎ねられても仕方ない不敬なものだ。


 先々代国王とギルリアード二世は、瞳の色と容姿が似通っていたが、反してその気性と体質は全く極端な程に似てはいなかった。


 気性激しく、気に入らない事があれば簡単に周囲の人間を罰して来た事で恐れられた先々代国王は、遠出と狐狩りが趣味の精力的に外遊に出る国王で健啖家でもあったという。

 また、後宮に多くの《華》を持ち、その数は二百近くだったともいう。

 故に、愛妾に生ませた王位継承権のない子は記録されているだけでも百三十二人。

 尤もその大半が、父親である先々代国王の手に掛かって赤子の内に死した。子供嫌いだった先々代国王は好色家とも知られ、必要なのは子供ではなく《女》だったのだ。

 

 そんな男の子供であるギルリアード二世と言えば、どちらかというと内向的で幼い頃は大半を図書室で過ごす大人しい子供だったという。

 生まれながらにして病弱だったせいもあるだろう。

 気弱なところが見られ、政治的能力も凡庸。故にその能力に長けたセイィータ公爵を頼るようになったのは必然と言えたかもしれない。

 父親の持つ後宮の《華》やその子供たちの扱いを直で見て育った為か、ギルリアード二世自身は、後宮に多くの《華》を持たなかった。

 持ったのも、政治的な絡みがあっての事で、その《華》との間に出来た子を殺すような事もなかった。


 そして、ギルリアード二世の母親である太王太后・リエルアナは元々《華》の一輪、愛妾の一人だったが、先々代国王の寵愛は数多の愛妾たちの中でも五本の指に入る程には深かったという。

 先々代国王の正妃は、三年間子が出来ないままに離縁され、リエルアナが新たな正妃となったギルリアード二世を生んだのは有名である。


「ああ、それにしても楽しいわ愉快だわ」

 

 唐突めいてリエルアナが言った。

 その言葉に、思わずレオンは顔を上げてしまう。

 そこには、恍惚に満ちた表情を浮かべる太王太后がいた。


 何がそれ程までに愉快なのか。

 豪奢な長椅子に投げ出した半身を揺らして「ふふふふ」と笑う。

 

 いっそ、狂気が含まれた嗤いに見え、レオンの背筋が奇妙にざわりと震えた。


「あの忌々しい女に何処となく似ていた娘が、廃位されるなんて。ああ、本当に忌々しい事この上なくて仕方なかったのよ。何を遣っても後宮から追い出す事が出来なくて、本当に…っ」


 嗤いながら、ぎりりと眦をあげたリエルアナの姿は、今までレオンが見た事がない程に憎悪に満ちていた。


 だが、背後に控える侍女や女官たちは微動だにしない。

 まるで規律厳しい軍人のようで、また良く訓練された犬のようでもあった。


 ここにいるのは長くリエルアナに仕えて来た者たちばかりで、忠誠心や服従心は他の後宮にいる侍女や女官たちとは比べようもないだろう。

 年若い者でさえ、長く仕えている者たちの血縁者で固められている。

 幼い頃から、徹底的にリエルアナに仕える事だけを教え込まれているはずだ。


 そんな忠実な者たちでさえ、ほんの少しでもリエルアナの気に障れば殺されるのだ。

 だが、そうしたリエルアナにも殺された者にもここにいる者たちは誰一人として眉一つ動かさず、顔色ひとつ変えない。


 下手な軍隊よりも空恐ろしい事に、一種の狂信者たちの集団でもあるのだとレオンは知っている。


「障害になる父親は死した。その娘は後ろ盾もない。ならば尚の事、何をしようと構わないわね」


 狂気に満ちた目は、それでも理性が残っているからいっそ恐ろしい。


 生死と隣り合わせる出来事に、軍人であったが故に多く直面して来たレオンでさえ、一見すればか弱き老貴婦人に恐怖を感じた。


 一体、何をそれ程まで憎んでいるのか。


 一体、セイィータ公爵の息女が何をしたというのか。


「レオン。お前に命じます。人気(ひとけ)が最も少なくなる宴の時に、廃位される女を余の前に連れて来なさい」


 それは拒否を許さぬ命令だった。

 それに反していっそ耳に心地好い程に声音は柔らかく、ふわりと浮かべた笑みは何もかもを許す慈愛に満ちていた。


 しかし、そこには何かしらの怨念を(たた)え、狂った思いがあるのは決して否めない。

 それをいっそ清々しく隠せてしまえるリエルアナの淑女としての姿は感嘆に値するのだろう。


 レオンは、ぎゅっと縮んだ胃の痛みを無視し、ただ頭を下げた。


 後宮の《華》たちも全て呼ばれている祝いの宴。

 愛妾たちに《眷属》の姿を、その寵愛のされようをまざまざと見せ付けようとしているのだ。

 国王は。


 だが、そこに正妃・アリアは呼ばれていない。

 一気に人気(ひとけ)がなくなる後宮は、哄笑をあげたくなる程に警備体制が甘くなる事だろう。

 空々しい護りの中では正妃に何があろうと、誰も気にしない。

 国王でさえ解っていながら、そうするのだから。


 宴の盛り上がりが最高潮に達する時が、正妃を攫い易いだろう。


 レオンは、リエルアナの命令に「諾」と答えた。


 耳の奥に残る、憂いない幼子の笑い声。

 だからこそレオンは決意した。


 魔窟である後宮から、連れ出してしまおう――――――と。


 ギルリアード二世という、国王として生きるには優し過ぎた主君を思い出し、レオンはその母である太王太后・リエルアナを胸中で切り捨てた。


 ただ、リエルアナがギルリアード二世の母であったから。

 だから、今まで仕える事が出来たのだと今更に実感し、手本のような優雅な所作でその場を辞した。

 



 

 太王太后にとって、正妃・アリアの境遇とその面立ちが、最も忌み嫌った女と何処となく似ているというだけで憎しみの対象となっていたのだとレオンが知るのは後の事。



外軍(がいぐん)→国境に隣接する地に駐屯している軍。

内軍(ないぐん)→王都及びに王都に隣接した周辺の地に駐屯している軍。

領軍(りょうぐん)→領主が私的に抱える私有の軍隊。治安維持に努める警邏隊を兼ねている。領主によっては経済的理由で領軍を待たない場合もあり、その場合は国軍から軍人や警邏隊が派遣されている。

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