4月
4月7日月曜日。
今日はトライアングル高校の入学式である。
春らしい暖かな陽気を包まれながら俺は入学式をサボタージュした。
次の日、ゲームでは見かけなかった担任の先生に滅茶苦茶怒られた。
俺の言い分を聞いてほしい。
主な理由は当然、白河オリヴィア先輩に遭う確率を上げる為である。
ではなぜ入学式をサボる事がオリヴィア先輩に遭う事と繋がるのかというと、メインヒロインに接触しない為である。
転生したこの体は鈴木碧斗という名前なので多分モブだろう。
トラメモの主人公の苗字は確か三角だった、はず。
メインヒロインに接触するとオリヴィア先輩と出会える場所にも彼女たちが湧くようになる。
しかも低確率のオリヴィア先輩よりも当然メインヒロインの方が優先度が高い。
イベントが重なってしまったら必ず彼女たちが優先される。
クソゲーである。
なのでまずは入学式をサボるの最善手なのである。
ゲームではお決まりの手だ。
ただ入学式をサボるとゲームでは、教師以外の連絡先の入手イベントが消えうせ、ひとりぼっちの3年間を送る事になる。
でもそれは主人公が行った時の場合だ。
モブになった今それがどう働くかは全くの未知数である。
まあ、先輩のいない学内生活には価値はない。
次にどこで時間を潰したのかだが、4月オリヴィア先輩との唯一の接触イベントがある駅の中の喫茶店ディナヴィア。
名前の通りに北欧のパンが食べられる喫茶店で、先輩はそこだけで食べられるカルダモンパン目当てに出現する。
オリヴィア先輩の4月のイベントはこうだ。
この喫茶店ディナヴィアでカルダモンパンを注文する。
たまたま主人公でカルダモンパンが売り切れてしまい、次に並んでいた先輩に店員さんが謝る。
主人公は受取の為に脇にそれていて、先輩の目の前でカルダモンパンを受け取ってしまう。
どうしてもカルダモンパンが食べたかったオリヴィア先輩が声をかけてくる。
「ねえ、きみ。君もカルダモンパン好きなの?」と。
カルダモンパンを半分こする代わりに、飲み物を奢ってくれるのだ。
残念ながら連絡先はここでは交換できないが、ここで先輩と会えることが大事なのだ。
しかもディナヴィアで先輩に会えるのは4月中だけで、それに分からずカルダモンエンカを行おうとすると1年間カルダモンパンを食べるだけでトゥルーエンドを迎える。
喫茶店コマンドは学力ボーナスがあるようで、48回の内の12回大成功を納めると難関大学合格エンドを迎えるらしい。
難関大学合格エンドは普通に図書館コマンドを計20回押すと達成できるので、喫茶店でやらなくていい。
担任の先生に部活動はどうするのかと尋ねられてもそんなものは入っている暇はない。
というか部活って5月とかだった覚えがあるけれども。
まあ、そんなことは置いておいて、4月の放課後と休日は喫茶店ディナヴィアでカルダモンパンを注文した。
喫茶店で生まれた暇な時間を勉強で潰していたら、定期考査で学年1位だった。
うん、オリヴィア先輩のおかげだな。




