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【結果市500PV達成記念!】結果市をイッキ見しよう!!

作者: namekowakame

500PV突破ありがとうございます!

ということで、こちらがその「イッキ見」できる作品になります。

プロローグ~第十四話までを収めていますので、ぜひご覧ください!

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プロローグ

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 僕の学校への通学路には、少し不気味な雰囲気をまとった場所がある。


もちろん僕は怖くて行ったことはないのだが、不気味であると同時に、神秘的なものも感じる。


ここを通学路で通るのは僕だけだ。小規模な山のすぐそば、割と急な坂の途中。


 


 ある日、いつものように登校していると、後ろからクマが襲ってきた。パニックになって、大慌てで道のわきに逃げ込み、何とか助かった。


落ち着いてからあたりを見回すと、そこは例の不気味な場所だった。無我夢中で逃げていたため、気づかないうちに迷い込んでしまったのだろう。




 すぐに抜け出して学校に行こうとしたが、その時見慣れない看板があることに気づいた。「"けっかいち"...?なんだろう」 その看板は妙に僕を引き付けるものがあった。そして、気づいた時にはその看板に記された矢印の方向に進んでいた。


 1分くらい歩いていると、建物が見えてきた。こんな場所に来たのは初めてだったので、当然知らない建物だ。こんな場所があったのかと感心しながら、建物の周りを見渡す。すると、また"けっかいち"と書かれた看板があった。


 そして僕は、吸い込まれるようにその建物に入った。建物の中には大きく"結果市"と書かれていて、一つの机の上に鉛筆や消しゴム、そしてたくさんの紙があった。その紙は、スーパーとかの縦長なチラシによく似ていた。また、A4判の紙も置いてあって、そこにはこの建物の使い方が記されていた。


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第一話 "けっかいち"

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ふむふむ、なるほど...? どうやら、この紙に自分の予定と日時を書き入れて、裏面の丸い枠に100円玉を合わせると、100円玉が消え、紙にその予定の結末が浮かび上がる...?なんだそりゃ。


僕には信じられなかったが、試しにやってみるのもいいと思った。だが今は登校中。100円なんて持っているはずもなかったのだが...どうやら初回は無料らしい。ネットのサービスかここは。




とりあえず、次の日に控えている試合のことを書いてみた。すると、本当に浮かび上がってきた。でも、不思議と変だとは思わなかった。紙には、"あなたのチームはこの試合に勝利します"と書かれていた。へえ、こんな風に教えてくれるんだ、と無料体験を終え、すぐに通学路に戻った。


 学校についた。が、当然ながら大遅刻だ。すでに1時間目が始まっているほどだった。先生にはこっぴどく怒られ、親に連絡するとまで言われたが、僕はさっきまでの経験が本当に現実なのか、ということで頭がいっぱいだった。


 次の日の放課後。ついに試合が始まった。自分のチームははじめはあまり調子がいいとは言えなかったが、後半で逆転し、見事勝利を勝ち取った。その瞬間、結果市の効果が僕の中で証明された。


 それからというもの、僕はひたすらお母さんの手伝いをするようになった。理由はもちろん、結果市のためだった。結果市は1回100円と、絶妙な料金設定なので、毎月のお小遣いから払うとほしいものが買えなくなるのだ。そこで、1回10円のお手伝いで結果市用にお金を貯めることにしたのだ。


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第二話 ポイントカード

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それからは何度も結果市を利用し続けた。ときどき、うまくはいかないと出ることもあったが、行動次第で変えることができた。


 しばらく結果市に通い詰めていると、いつもの机のわきにカードが置いてあることに気づいた。それは結果市のポイントカードらしい。1回の利用で1ポイントたまり、100ポイントたまるとポイントで結果市を利用できるそうだ。不気味なのに初回無料だったりポイントカードがあったりと、普通のお店のようにも感じるシステムには、なんとなく好感を抱く。


試しに、ポイントカードに名前を書いて結果市を利用してみた。すると、大きく0と書かれていたカードは1と書かれたカードに変わった。それからも利用するたびにポイントは2、3、4...と増えていった。


 それから4ヶ月が経った。現在のポイントは99ポイント。今日結果市に行けば100ポイント達成だ。ということで、また結果市に向かった。


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第三話 もう一つの"けっかいち"

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僕のポイントは101ポイントになった。


 そして、また結果市に来た。すると、いつもの看板が赤文字で"けっかいち"と書かれていた。しかし僕はそれに気づかず、いつものように入っていった。


 


 結果市を利用するとーーそこには恐ろしい文面が浮かび上がった。「あなたは今日が命日になるでしょう。」予定とは全く違うことを答えているうえ、今日が命日?いきなりどうしたんだ、と思いつつあたりを見まわしてみると、普段は「結果市」と書かれていた看板が、いつの間にか「決壊値」に代わっていたのだ。


命日ってどういうことだ...?迷っているうちに、すぐに理解できた。


揺れてる。


明らかに地面が揺れてるのだ。


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第四話 タイムスリップ

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「まだ、変えられるよ。」


ーーーそんな声が聞こえた気がした。


そして僕は目を覚ました。




僕は、いつの間にか部屋のベットにいた。さっきまで結果市にいたはずなのに...。あ、そうだ、地震。どのくらい揺れたんだろう... そう思って、地震情報をチェックしてみる。しかし、それらしき情報は見つからず、震度1程度の地震の情報しか見つからなかった。




もしかして、最初から夢だった?いや、そんなはずはない。あ、そうだ。ポイントカード。これを見れば何かわかるかも。そう思ってポイントカードを取り出した。ポイントカードがあるということは、あれは夢ではなく現実だったようだ。


そのポイントカードには、99ptと書かれていた。100ptまでためたはずなのに...ポイント消すなんてひどいよ... だが、僕の頭に一つの考えが浮かび上がった。




ーータイムスリップ?




急いで日付を確認してみる。やっぱりだ、1日分過去に戻ってる。どういうことだ?


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第五話 決壊値

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そうか、地震が起こった日より前にいるから、情報が見つからないのか。そう納得しつつ、どうして急に「命日」などと宣言されたのだろうか。




そこで僕は、いい方法を思いついた。


それは、あの地震は何だったのか調査すると宣言し、結果市で結果を確認することで、真相を確かめよう、というものだった。




早速実行に移した。


そして、昨日の地震の正体が分かった。結果市には、超えると大変なことになるという値「決壊値」があり、その「決壊値」に当たる値が101ポイントだったのだ。だからあの日、ポイントが101ポイントになった瞬間に結果市が決壊してしまったのだろう。


そして、現在のポイントは100ポイント。つまり、次に結果市を普通に利用すると、また地震が起こる、ということか。つまり、次はポイントで結果市を利用すればいいんだ。なるほど、そういうことか。




そして次の日、まだ気になることがあったので結果市に行ってみた。今度はポイントで利用してみた。残りのポイントは0ポイント。これでまたしばらく利用できそうだ。そして、今度は「地震はこの場所だけで起こったのか、もしそうならなぜそうなったのか調査する」と宣言し、結果を見る。




結果市の紙によれば、この場所限定で起きた地震らしく、その理由はこの場所が結界地(けっかいち)であるからだそうだ。この場所を作った人は言葉遊びが好きなのかな?よくできている。


また、普通の人はこの結界地に入ることはまずないのだそう。原理的には入れるのだけれど、心理的に入れないようになってるんだとか。ただ、僕は自分から入ったのではなく、クマに襲われて偶然入った。だから、心理とか関係なかったようだ。




...とりあえず、結果市についていろいろ分かったけど、これからどうしたらいいんだ...?もしかしたらほかにもいろいろな要素が隠れているかもしれないし、使うの怖いんだけど...でも便利なんだよなあ...




ここで僕はハッとした。普段の僕なら、いくら便利なものでも怖いものは怖く、避けて通ってきたはずだ。でも、今はそれがない。...もしかして、今も心理的な影響を受けているというのか?


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第六話 結界地

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う~ん。そもそも誰があんな場所作ったんだ?てか結界ってなんだよ存在すんのかよ。現実的に考えてみると、おかしなことばかりだ。さて、どうしたものか...




あ、まさか夢か。こういうのって夢の中の話でしたーって言って終わる定番パターンじゃないか。で、頬をつまんでも普通に痛いんでしょ。わかってるよ。


...だから何だ?




そうか、わからないことは結果市で確認すればいいのか。今いる世界が何なのかを調べるって宣言すればいけるぞ。


そう思って、僕は結果市に向かった。


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第七話  101

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結果市にて。


「今いる世界は0x65,1100101,145です」


...って、なんじゃこりゃ。てかこんなのどうやって求めるてるんだよ。結果市最強か?




「0x65,1100101,145」...。


145は普通に145で合ってるのかな...?でも、ほかの2つは...あ、0xってどっかで見たことあるような気がする。うーん、どこだっけな~?調べればわかるか。




0x65...検索結果の一番上に現れたのは、「ASCIIコード表」というものだった。


それを見ると、0x65はアルファベットの「e」に変換されることが分かった。しかも、そこには145とか1100101とかもあったのだ。そして10進数で表すと101。...101。




101って確か、結果市が言ってた決壊値じゃなかったっけ?なんか不憫だなあ...。eってのもなんだろう。何かあるのかな。結果市に聞いてみるか。


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第八話 紙

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結果市によると、eはerrorって意味らしい。エラーって「間違い」って意味だったはず...。


つまり、この世界は間違って作られたものってこと?いや、そんなまさか...




すると、急に結果市の紙の内容が変わった。「存在してはいけない世界にお前はいるんだ。」そう、書かれていた。...怖っ


てかめっちゃ当然のように秘密ばらしてくるじゃん....それ言っていいやつなの?




それはそうと、「存在してはいけない世界」って何...?...ってことは、僕の友達とかも存在してはいけない世界にいるってこと?やばいじゃん...


そう思ったとき、また紙の内容が変わった。


「いや、それは違う」


てか、こいつしれっと心読んでんじゃん。やばいじゃん。


「今更気づいたか」


僕は気づいたら紙と会話していた。まあ、声は出してないけど。




「私がただの"紙"でないことはすでに知ってると思うが、私が"神"であることは知らぬまい。」


そう書いてあった。また言葉遊び...ってことは、こいつが結果市の創造者?え、もう出てくんの?




「じゃあ、「存在してはいけない世界」ってなんなの?」


「せっかくだし教えてやろうじゃないか。お前はもう、結果市を使いこなしてるみたいだしな。」


「この世界はな、ここだけなんだ。」


言っている意味が分からなかった。それでも、紙の話は続く。


「まず、結界について教えよう。ここが結界地であることは知っているだろう。まあ、あれも私が教えてたようなものだがな。この結界がないと別の世界の影響を受けて消え去ってしまう。そのためにこの結界はあるんだ。」


「で、この世界は私が作ったんだ。物事の結果が分かる施設があったら便利そうだなって。でも、上の許可は下りなかった。ただ、絶対に需要はあると思って、上には秘密でこの場所を作ったんだ。もしこの場所が見つかったらどうなることやら...


もし、見つかったら0x1bするんだぞ。お前なら意味が分かるはずだ。わからなかったら調べるといい。」


0x1b。後から調べてみるとESC(エスケープ)という単語につながった。ESCには「逃げる」という意味があるらしい。おそらく、上に見つかったらすぐに結果市から逃げろ、という意味なのだろう。


結果市の紙はまだ話を続けている。


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第九話 声

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「そうそう、次は決壊値について話そうじゃないか。


実はな、この場所は昔、1度だけ上に見つかったことがあるんだ。


ただ、その時の上の人はかなり機嫌がよくて、消滅は免れたんだ。でもそのとき、上の人が勝手にポイントカードを作っておいて行ったんだ。私は特に怪しまなかったが、利用者のポイントが101ポイントに到達したとき、結界内で地震が発生し利用者を死に追いやる、という恐ろしい側面があるのを知った。


止める方法を聞きたかったが、せっかく上の人が結果市の存在忘れているのに自分から明かすのは危険だと思って放置していたんだ。」




「そういえば、お前が決壊値を超えて地震に巻き込まれたとき、声がしただろう?あれは私の声だったんだよ。」




確かにあの時、誰かの声が聞こえた気がした。


それがまさか、結果市の神様だったとは...てか、あれが神様の声なのか


というか、自分から命日とか言っておいて助けるってどういうことなんだ?




「それはな...」




そうだこの人心読めるんだった




「さっきも言った通り、決壊値のシステムは私が用意したものではない。


誰かが犠牲になるような施設にするつもりはなかったんだ。あの命日メッセージはどうやら勝手に現れるらしく、私がどうこうできるものではないらしい。それで、助けたんだ。」


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第十話 

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(そういえば、あのあと1日前にタイムスリップしてたけどあれはやっぱり神(紙)がやったものなのかな...?)


神は当然のように心を読み、質問に答える。




「あれは確かに私がやったものだ。ただ、あれはタイムスリップじゃない。結界の外の時間を止めたんだ。それで、ここが決壊する寸前にお前を結界の外に移動させた。あ、でも、外の世界の時間は少し巻き戻してるからタイムスリップではあるか。」




「.....さて、ここまで結果市についていろいろ話してきたが、あとは十分か?まあ私は暇なんでもっと話してやってもいいけどな。でも、もうすぐ練習が始まるんだろう?」




そうだった。僕は来月の試合に向けた練習に行かなければいけないんだ。


そして心の中でお礼を言い、結果市を出た。




――――――「来月の試合、期待していますよ。」


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第十一話  バレーボール

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僕はバレーボールクラブに所属している。ちなみにスタメンではない。なので、スタメンに選ばれることを目標に日々練習を頑張っている。


つい最近までは、練習試合のたびに勝っていて、勢いがあったのだが、最近ではその勢いも衰えてしまった。


そして来月、ライバルのバレーチーム「噛み」と練習試合があるのだ。


「嚙み」という名前は、特に由来はないらしいが、どうしてこんな名前になったのだろうか...


ちなみに僕も前、この「嚙み」相手に戦ったことがあった。ただ、ほとんど活躍できなかった。レシーブ(※1)はうまくいかないし、サーブ(※2)もミスばかり...


そんなわけで、スタメンにはなれていないのである。


(※1)レシーブ:相手の攻撃するボールを受けること。また、打ち返すこと。

(※2)サーブ :試合を始めるとき、最初に球を打ち出すこと。また、その打球。


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第十二話 もう一つの結果市

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今日の練習も終わった。


お母さんが夜勤で迎えに来れないらしく、歩いて帰ることになっていた。


鼻歌を歌いながら歩いていると、ふと、気になる場所があった。




――結果市?




いや、結果市は通学路にあるはずだ。こんなところにあるわけがない。


でも、その場所からは結果市と同じものを感じた。


オーラというべきか。結果市に出会ってからは何か月もたった。だからこそ、そういうものを感じられるようになっているのかもしれない。


僕は入ろうとしてみた――――が、なぜだか足を止めた。


別に見えない壁があるわけでもない。


でもなぜか、足を止めていた。


それどころか、僕の足はどんどん退いていく。




――もしかして、これが神が言ってた"心理的な影響"?




でも、結果市は一度入ったら何も気にせずに入れるようになった。


ここも結果市と同じなら、一度入れれば入れるようになるはずだ。


でもその"一度入る"ができない。


なるほど、これが本来の結果市の"影響"なのか。


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第十三話 変化

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"心理的な影響"...か。


で、結局これは何なのだろうか?本当に結果市?それとも気のせい?普通の施設?


...そうか、わからないことはまた結果市に聞けばいいのか。明日聞いてみよう。




そして次の日。


早速結果市に向かった。いつものように、紙に予定を書いていく。「わからないことを調査する」のように宣言して、それを予定とみなせば調査結果がすぐにわかるものだから、結果市は非常に便利だ。100円を置いた。すると、いつもとは違って、神が普通にしゃべりだした。無論声を出していたわけではないのだが。普段ならです・ます口調の回答が来る。しかし、今回はそのまま神の話し言葉で回答が返ってきた。




「ああ、あれのことか。実はな、私もまだよくわかっていないんだ。...でも、神である私でも正体がつかめない...ということは、私以上の力を持つ者である可能性が高い。今は近寄らないほうがよさそうだ。」だそうだ。


...ひょっとして、前に神が言っていた"上の人"と何か関係があるのだろうか? 答えてくれると思ったが、神は「とりあえず、今日は家に帰りなさい。こっちでも調べておくから。」と言っていたので、帰ることにした。


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第十四話 第二の結果市

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第二の結果市。


その正体はまだわかっていないうえ、結果市なのかさえわかっていないが、習い事の帰り道にひっそりと存在しているのは確かだ。


入ることはできていないが、物理的な壁はない。理論上は入ることができるのだ。


そこで僕は、第二の結果市に入る方法を考えてみることにした。


結果市の神は第二の結果市の正体を突き止めるので忙しそうだったので、これは自分でどうにかするしかない。


ということで、結果市のオーラを感じる例の場所にやってきた。


まず、勢いよく走って入ろうとしてみた。


途中まで行けそうな感じだったが、入口の直前で急ブレーキをかけてしまった。


何度か試したが、特に変わりはなかった。


次に、少しづつ入ろうとしてみた。


入口の直前で足が動かなくなってしまった。




それからしばらくの間、なんとかしてこの場所に入ろうといろいろな策を試みた。


しかし、入ることはできなかった。


その時、急に気になることができた。そして結果市に向かった。

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