まさか…死んで、避けられるとは…。見限られるとは…。はぁ…
2週間の時が過ぎた。(おそらく)
この2週間でわかったこと
①やっぱり時間がとても長く感じる
生きている時のように暇つぶしの道具がないので、時間が永遠のように感じる。何も手に取れないし何も作れない。何も食べれないし何も感じない。この当たり前の偉大さを、深く深く実感した時間だった。私は主役ではなく脇役、下手をしたらエキストラみたいな存在だと思って生きていたが、十分私は自分を中心とした自分が主役の物語を生きていたのだ。
②私達(幽霊)は普通に至る所にいる。
これを聞いて、生きている時は(ヒエ!)みたいな反応をしていたと思うが、それがいかに失礼であったか、同じ立場になった今ならわかる。
もともと生きていた人間が亡くなり、体を失い皆(生きてる人)に見えなくなっただけ。生きている時と同様死んでこの世に残ったからって、誰かを苦しませてやろうとか、人を憎んだり恨んだりとか、そういう事をしようともくろむ者はほとんどいないと私は思う。それにそんな技術持ち合わせていない。何も触れられないんだし、どうやってやるの?って感じ。
それにやっぱりねって所にもちゃんといて、幽霊の話をしていれば興味が湧いて私達は聞きに来るし、女風呂には男の幽霊はいるし、人が多い街の上空にはたくさんの幽霊がいる。
それはやっぱり時間をお持て余しているからであって、何も動かない者を見ているよりも、なにか変化のあるものを見ていたい。そう思うからだと思う。
③幽霊も驚く。(ここで小話をひとつ!)
この前ボーっと塀に座って道路を見てたら、後ろの家の窓が突然開いて(ひゃ!)と言いながら地面に飛び降りた。恥ずかしくなって辺りを見たが、誰にも見られていなかった。「よかった」と言いながら塀に飛んでそのまま座った。(腹を抱えて笑いたまえ)
④悪霊もやはり存在する。
私が言うのもなんだけど、悪霊はやっぱり存在する。
生きている時の心霊スポット?というか、あまり良い噂を聞かなかった場所は私達から見ると、とても大きな黒い竜巻(煙?)のように見えていて、その黒は、一人一人幽霊で、遠目で見ても一目瞭然にわかるほど、大きな竜巻(煙かも)のようになっていて、普通の幽霊は絶対に足を踏み入れない。
「…」
恐らく私は向こうに行ったら引きずられて、その場が心地よくなって、私もあの遠目でもわかる黒く大きな煙の中の一人になってしまうんだろうなと思うと、やっぱり怖くなってがっかりして、涙は出ないけど泣いてしまう。
⑤私避けられてる。
まさか…とは思っていた。まさかね…って。そんなバカな…まさかねってね。くどいねごめんね、でも…まさかねってね(自分が避けられてる話なんて明るくしないとできない…)。へへ…。
私は避けられている。他の幽霊たちに。それは確実に私の色がまだ、透明になっていなことを如実に証明している。
やはり、病院の人たちは本当に優しくて、自分を犠牲にしてでも!っていう気持ちというか何と言うか、こう、なんか、ポジティブで良心的な心を持ってくれていたんだなとしみじみ思う。あれがなかったら私、ルール的な物、他の人に色がうつるとかわからずに、恐らく目に見える違和感(黒い煙に)好奇心で行ってしまっていたんじゃないかな…って思う。だからこそ…少し傷付けてしまった事が、やっぱり悔やまれる。ごめんなさい。
んで、何の話でしたっけ?あぁ…私が避けられてる話か…(わざとらしいのはわかっているのです。でもわかってほしいのです…)
はい、そうです。誰も話しかけてきません。私を見ると他の透明な方、少し灰色の方、総じて驚いて道を変えます。私の半径5メートル以内に誰かが来たことありません。道の端でコソコソされるとかもなく、総じて視界からいなくなります。うつるのでしょう…やっぱり。そして結構な、色をしているのでしょう…恐らく。
こう、話している分はあまり、感じないんだけど、ね。悪霊感?というのかな、ネガティブ感?というのかな?んね?
⑥まだまだいっぱいあるけどもういいかな?
私のテンション下がっちゃったから。もういいや。もぅぃぃ…。はぁ、もぅぃぃょ…まぁ…そりゃ…良くならないよね…
まさか…死んで、避けられるとは…。見限られるとは…。はぁ。