まぁ、起きていてもしょうがないし… 座っていてもしょうがないし…
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病院の屋上に到着した。
透明な人達がぎょっとしているのがわかった。
「あれ?どうしました?」
あの時声を掛けてくれたお兄さんが驚いた顔で飛んでくる。
「皆さんすみません!助けてください!」
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あの子の家の周りには5分もしないで千人程の人間が集まった。
「すみません!ありがとうございます!ありがとうございます!」
私は必死で頭を下げる。
大工「じゃあ!一旦黒い俺らは山に帰る!本当に集まってくれてありがとう!」
そう言って私を残して黒い人達は一斉にいなくなった。
○
首を括るための紐を持って一度座るべきではなかった。
あの勢いのまま突っ走るべきだった。
「バカだな私…」
また眠くなってきた。
また明日でいいかと思えてきた。
「はぁ…」
また明日も生きるのか、と思ってしまった。
私には、生きる、意味が、なにもない。
生きることは素晴らしいと言う人たちがいる。
それはあなたには好きなことがあって、それを発信するだけのステージがあって、それを聞いてくれる人たちがいて、共感されて、賞賛されて、寄り添ってくれる人がいる。休みの日は気になってた所に行って、気になってたものを見て、美味しいと人気のご飯を食べて、満足して帰って来る。
そんなあなたは生きてることに意味がある。
楽しいフックがたくさんついてて、色んな事に引っかかって、次の引っ掛かりをすぐに見つけて、深堀したり浅く見たり…
それを円満と呼ぶ。
「………」
ぷらんぷらんと揺らしていた紐の輪っかの部分を頭から通してみた。その状態で少し上に引っ張ってみた。
「……」
少し苦しかった。
これくらいで死ねたらいいのになと思った。
「まぁ、起きていてもしょうがないし…」
座っていてもしょうがないし…
そう思いながら立ち上がった。




