自己紹介などを忘れて猛省
また数週間、時が過ぎた。
大工 「そういやあ自分、気にならんのか?」
急に大工(西田さん)が私に聞いてきた。
私 「ぇ?なんですか?」
大工 「自分を轢いた奴が今どんな感じになってるか」
私 「ぇ?別に…」
細美さん 「なに?どうしたの?」
すると何かを察知して細美さん(池田さん)が話に入ってきた。
大工 「いや!そういえば気にならんのかなと思って」
細美さん 「なにが?」
大工 「自分を轢いた奴が今どんな風になってるのか」
メガネ 「あぁ…まぁ、確かに…僕らは病気や寿命で死んだからね。そういうあれはないからね」
メガネ(森田さん)も入ってきた。
ラグビー 「気にならないの?」
ラグビー(藤田さん)も入ってきた。
丸美さん 「確かにねえ」
丸美さん(吉田さん)も入ってきた。
私 「いや、別に…」
私(小田あかね)自己紹介してなかったよね、ごめん忘れてた。私は舌を出し自分の頭を優しく小突き…2秒後に面白くないことをしたと猛省した。
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「ぇ…作れって?」
はぁ…(こういう時に露骨に顔に出るのかこの顔を見た相手の眉間がいつも深くなっていた)
大工・・・西田さん(白髪の短髪。大工の棟梁だった人(当たってました!)。見た目は60歳位、亡くなられたのは82歳。人情に熱い印象。少し大雑把な感じがするけど、人のことをよく見ていて、寂しそうにしてたりすると突然声を掛けてくれたりする。でも、話を聞くのはあまり上手ではないかな。でも好きよ(全ての好きを恋愛ととる人間に死あるべし))
メガネ・・・森田さん(男の人の割には長髪(肩位まである)、丸い眼鏡をかけて、ほんわかしたイメージ。見た目は35歳位、亡くなられたのは65歳。ずっと小学校の先生だった人。だから色々研究したり、追及するのが好きなんだと思う。初めて見たときは無口な人かと思ったけど、結構喋る(悪い意味に捕らえないで)。好きよ好き(なんだか尻軽女みたいだな私…)。全ての好きを恋愛ととる人間に死あるべし。
ラグビー・・・藤田さん(黒髪の短髪で、定年まで出版系の会社にいてカメラマンとしても活躍していた人。見た目は40歳位、亡くなられたのは72歳。柔道をやってて結構強かったらしい。帯の色が上の方の奴って皆から聞いた。体育会系かと思ったら意外とシャイな感じで、先人切って喋るというよりは、皆の話をニコニコと優しい目をして聞いていてくれていて、空気を読むのが上手な印象。嫌いになる理由がないわ!(尻軽女を脱却!))
細美さん・・・(背が高くてモデル体型、髪も長い。でも本人はそれがコンプレックスだそう。見た目は40歳位で美魔女な印象だったが、モテてないし特にそんな言い寄られても来なかった人生だったそうです。意外ね。亡くなられたのは90歳。色々なことにアンテナを張っていて、どこから持ってきたんだというような面白そうな話題やらスキャンダルやらなんやらを皆に提供して、それらを大きく膨らまして暇な一日を楽しくしてくれる。私ともたくさん喋ってくれて、ムードをよくしてくれている印象。そりゃあ好きでしょ(復活のビッチ))
丸美さん・・・吉田さん(全体的にまあるい印象。体もまあるく眼鏡もまあるく、とてつもなく美味しいクッキーを作りそうな見た目をしている。天然パーマで髪はボリュームがあり、それもまたこの愛くるしい見た目を増長している。見た目は50歳位。亡くなられたのは92歳。意外と料理は上手ではなくどちらかというと好きではないらしい。聞いたとき意外とショックだった。でも食べるのは好きで、美味しい飲食店に詳しいみたい。その趣味は今も変わらないらしく美味しい飲食店のリサーチは現在も更新中らしい。味や匂いはわからなくても見ればわかるらしい。優しいお母さんみたいな印象。好き好き大好き(安定のビッチ)
私・・・小田あかね(皆の名字は覚えているのに名前を憶えていない薄情な女。めんどくさいと思いながら作るも、どんどん楽しくなってきて長文になって焦る低い頭脳の持ち主。紹介をするもやはり読者には伝わっていない説明へたくそ女。根暗でネガティブ…自分の名前の紹介すら忘れる………くぅ…」
もういいね。わかったでしょ?って感じ。(こういう時も露骨に顔に出るのか以下同文)
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ではでは、先ほどの続き
大工 「そういやあ自分、気にならんのか?自分を轢いた奴が今どんな感じになってるか」
皆が集まってくる。
省略
私 「いや、別に…」
別にあんまり気にならない自分もいれば、あの時事故にあっていなければと言い訳している自分もいて、言い訳しているんだから気にしてるんじゃないの?いやでもなんか違うんじゃないの?という変な狭間にいるのは確かで…
細美さん 「なんでこんな事になったか、知れるかもよ」
私 「ぁぁ、はは…」
別に知りたくないし、なんて言うんだろう、知った所で許すこともできなければ生き返ることもできはしない。
私 「そぅですね、では、はぃ、ぇぇ、気になりますね…」
恐らく人間の悪いところが出たんだと思う。留まることをポジティブに捉えられない私たちが、何かに向かって進むことを美徳と思った私が、少しでも暇つぶしになればと、話に乗った。
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その日から、皆は少し浮かれているように見えた。
事故が起きた日、時間などを鮮明に聞かれ、周りにいる色んな人に声を掛け情報を呼び掛けた。知っているかもという情報が入るとその事故に遭った人間は私で一致するのかと、顔を出さなければいけなくなった。
情報が間違えだったと知ると「くそ!」とか「おかしいな」と残念な顔をする。その顔は本当に悔しがっていて、その顔を見るたびに煮え切らない気持ちになった。
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生きていた私たちが、生きていたあの時のように目標を持ち、その為に努力し結託し、前へと進んでいく。生きていたあの時のように。
「…」
わかってる、わかってるよ…そんなひどいことを思ってはいけないってことは。それ以外に、できることはなにもないんだし、だれかを助けることもだれかを陥れることもできない私たちは、無力だけど無気力を受け入れられない私たちは、死んで残された私たちは、言葉と考えと気持ちだけを残された。しかも不安と憂鬱もしっかりついてきて、死んでも葛藤しながら、今日も死んでいる。生きていればという想いに身を寄せながら。
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目の前で5人が喜んでいる。私も手を叩いても音が出ないのに手を叩いて満面の笑みを作っている。皆の上擦った声を頑張って真似て感謝の言葉を述べている。




