表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/44

それで黒くなっちゃったの?

                ●

大工   「可哀そうにね」


メガネ  「まだ若いのにね…」


ラグビー 「急にだもんね」


細美さん 「びっくりしたでしょ?」


丸美さん 「それで黒くなっちゃったの?」


私    「え?ぁ、ぃや、よくわからないですね。なんか、最初から黒かったらしいですし…」


丸美さん 「え?誰から聞いたの?」


私    「病院で、他の方たちに、教えてもらって」


大工   「ああ、で、追い出されてきたわけだ」


私    「いや、追い出されたわけじゃなくて、自分で出てきたというか…」


メガネ  「え?どういうこと?」


私    「黒って、伝染するじゃないですか?」


ラグビー 「うん、するねえ」


私    「皆で私と話して、私を治そうとしてくれたんですけど」


細美さん 「それだけ黒いと難しいんじゃない」


私    「そ、そうなんです…私と話した人が灰色になっちゃって」


丸美さん 「で、追い出されたわけね」


私    「いや、追い出されたわけじゃなくて、このままだと、皆も私のせいで色が変わっちゃうなぁ…皆の平穏を壊してしまいそうだなぁと思って…」


メガネ  「抜け出してきたわけだね」


私    「ええ、まぁ、はい」


大工   「へえそう!珍しい奴だね!」


私    「珍しい?」


ラグビー 「大体は、色が濃いと追い出されるのがほとんどで、皆そのままここに来るんだ」


私    「え、そうなんですか!」


細美さん 「私も死んだときから黒かったから「出てけ!」って怒鳴られて、ここに来たんだもん」


私    「ぇぇ…そうなんですね…そこの人たちによって色々あるんですね」


丸美さん 「私なんて最初は受け入れられてたんだけど、なんかどんどん黒くなっちゃって、最終的に追い出されてきたのよ」


私    「へえ。ぁ、そうなんですね。ぁ、あの、前から疑問だったんですけど、黒くなっちゃうのってなんでなんですか?全然わからなくて…私、全然誰と」


大工   「黒くなっちゃう原因ねえ」


私    「ぁ、はい。ぇぇ、それが全然わからなくて」


一同   「……」


メガネ  「実のところ、僕らも全然よくわかってなくてね…」


ラグビー 「死んでからだいぶ経つけど、これだけはよくわからないね」


細美さん 「黒くなってもすぐ透明になる人もいれば、私達みたいに全然治らない人もいる、それに逆にまったく黒くならない人もしるし…」


丸美さん 「しかも、透明な人も黒い人も大きな差はないのよ。喋っている事は同じだし、鬱憤は皆にあるし、私達が特別大きいとは思えない」


大工   「でも透明な奴らは俺らを邪悪だとか、黒=悪いという一括りにまとめやがって、俺らを避けて近づいて来もしない」


私    「あ…そう、ですよね……それは本当に感じました。誰も話しかけて来ないです、本当に」


メガネ  「死んでも区別されるし、差別されるんだよ」


ラグビー 「嫌な世界だよ本当に」


細美さん 「ここに入るときも、同じような色の人たちの所へってやられてるのよ」


私    「あ!あの黒服サングラスの!」


丸美さん 「そうそう!あれで審査されて飛ばされるの!」


私    「あの人は…幽霊なんですか?なんなんですか?」


大工   「あれも噂では幽霊らしい」


メガネ  「なんか特別な力がある幽霊みたいだよ」


私    「え?特別な力?」


メガネ  「なんか、生きてる時とかでも特別な力…なんて言うんだろう、普通の人は持ってない力がある人っていたでしょ?」


私    「…」


ラグビー 「超能力でスプーン曲げるとか、占いとか予言で未来を当てるとかさ、あったじゃない」


私    「はいありました」


細美さん 「そういうあれの類らしいわよ」


丸美さん 「死んでから、そういうのになる人も結構いるらしいのよ」


大工   「ま!俺らには無縁だけどな!ははは!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ