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あぁ、起きてしまった…と思った  どうしよう…なにもすることがない  どうしよう…なにもしたくない

 あれから一週間が経った…


「…」


 起きるとお昼だった。


 あれから何回か幽体離脱をする夢を見たというのだけ覚えているけど内容はあまり思い出せなかった。まぁそれが、夢というものだ。


「儚い」


 トイレに行くためドアを開けるとお茶のペットボトルとサランラップで包まれたおにぎりが置いてあった。あの日以来次の日からこのようにして、昼食、夜食が置かれるようになった。私は申し訳ない気持ちでトイレを済ませ、2階にある洗面台でうがいをしてマホを眺めた。、ぼさぼさの髪の毛を見てそのまま服を脱ぎ、シャワーを浴びる。シャワーを浴びているが頭はずっとボーっとしている。この状況でも眠たい自分に嫌気がさす。鏡に映る何の覇気もない自分の顔にも嫌気がさす。こんな人間誰が好きになるんだろうと心の底から思って勝手に傷付き勝手にうつむく。そんな自分を隠すように洗顔クリームを付けそのまま顔を洗う。真っ白い顔の私を見て少しおかしくなって笑う。そのまま洗い流す。お風呂場から出てタオルを手に取る。拭いてそのまま首に巻く。パジャマを着てさっきと同じ私に戻る。顔に化粧水をつけすぐに乳液も塗る。髪をドライヤーで乾かし、首に巻いていたタオルをそのまま洗濯機に入れる。洗濯機の中を見ながら無意識に罪悪感を感じる。そして大きな罪悪感と共に、おにぎりとお茶を持って部屋に戻る。


「…」


 おにぎりとお茶を机の上に置き、ベッドに横になり天井を見つめる。


「…」


 勉強は、しなくなった。


 もともと好きではなかったから、嫌いだったから、やらされていたから…だからしょうがないよね。と教科書を閉じた。すると少しスッとして、同時にとても悲しくなった。


 何かのふるいにかけられて、そこから弾き飛ばされたような、そんな寂しい気持ちになった。振り向くと皆はふるいの上で「だるい」「めんどい」「つかれた」と言いながらも誰一人落ちずに頑張っている。

ふるいからおちたわたしはじゆうになった。じゆうになった。じゆうになった。


 そうして私はスマホを眺めた。


                 ○


 学校に行かなくなって1ヶ月が経った。


「…」


 私の取った行動が合っていたのかわからない


「…」


 私は間違ったのかもしれない


「…」


 私は逃げてしまった


 学校がつらかったから逃げてしまった


 自分の部屋で学業に専念すると言って、部屋に引きこもってしまった


「…」


 最初は頑張った


「ぃゃ」


 最初だけ頑張った


「…」


 私はなんてダメなのだろう?なんてダメ人間なんだろう?死ねばいいのに。いらないよコイツ。どこにも馴染めないし、親は傷付けるし、毎日をただ生きてる。生きずに死ねばいいのに。なんでこんな無能が生きてるの?なんなのコイツ?何がしたいの?


「死ねよマジで」


 ドアの横にあるご飯を食べる資格なんてないんだよお前。


 ご飯を作ってもらう資格なんてないんだよお前。


 服もタオルも洗ってもらえる資格なんてないんだよお前。


 傷付けた相手に謝罪の言葉もないのにお前は施しを受けている。


 施しを受ける権利があると思ってるの?


 死ね死ね死ね。


 生きてる意味ないよ。


 外に出ないのに平気なんて異常だよ。


 毎日16時間くらい寝てて気持ち悪い。


 その時間勉強したら?


 何がしたいの?何がしたいの!何がしたいのよ?お前は!


「わからなぃ…わからなぃょ…」


              ○


 目が覚めた。


 時間は朝の11時。


 あぁ、起きてしまった…と思った


 どうしよう…なにもすることがない


 どうしよう…なにもしたくない


「…」


 スマホを手に取り、動画サイトにいく


「………」


 どうしよう…なにもおもしろそうにうつらない


 あなたにおすすめっていうけれど、それほんとうにいってる?


 きょうみがないこと、きょうみがないひと、が、なにかをはっしんしている。


「…」


 そうおもったらいけないんだとわかっていながら、そうおもった。


「…」


 ゲームの実況を見た。


 みながら、これおわったらなにみようとすこしあせった。


 オーバーにおどろくこえにすこしむかついた。


「うるさ」


 おもったことをいった。だからなんだとおもった。わたしが「うるさ」といったところでなんなんだ。みんなはそんなんおもってないだろ。わたししね。そうおもいながらきずついた。


「・・・」


 家にいると、部屋にいると、何にも興味がなくなった。


 映画を見ようと思うが見ず、漫画を読もうと思うが読まず、ゲームをしようと思うがしなかった。


 全ての時間を埋めるように動画サイトへ行き、それらが枯渇すると投稿系のアプリを開き、何も考えずに動いているものを見る。猫を可愛いと思い美人を美人と思い美男子を美男子と思った。


 13時にはまた睡魔に襲われ、17時~18時まで眠り、とんでもない眠気とけだるさと共に起きる。何度寝ても何時間寝ても眠い現状に苛立ち、また目をつぶる。まだ眠れるかなと思うけど、なんとなくスマホを手に取る。アプリを開く。スクロールするごとに動画が出てくる。犬が可愛い。猫が可愛い。ハムスターが可愛い。鳥が可愛い。この子可愛い。


 電気のリモコンを手に取り明かりをつける。


 スマホを置き立ち上がる。


 ドアを開けご飯を確認し罪悪感と共にトイレに行く。


 トイレを済ませご飯を持って部屋に戻る。


「・・・」


 なんで何もしてないのにお腹が空くの?なんで何もしてないのにこんなに寝るの?何もしてない私は生きていていいのかな?


 テレビをつけてぼーっとする。インタビューを受けているサラリーマンを異次元のような人間に感じる。食べているのに味がしてるのにしてなくて、テレビも見てるのに見てなくて、動画もそうで…私は毎日生きてるようで生きてない。

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