生きていても 死んでいても 変わらぬ私は 変われぬ私は 私を 地球を 呪いながら 死んでいる
もぅぃぃゃ
だれかをターゲットにしよぅ
そぅして時間を浪費しよぅ
もういぃょ
疲れたょ
自分で自分を卑下することに
眠くないのに眠ることに
一分一秒の長さに驚くことに
一人でいることに…
「なんだょ…」
ふざけるなよ
死んだら時間の感覚が変化しろよ
何もできない時間をつまらないと感じるなよ
自分を卑下するなよ
何でもかんでも傷付くなよ
一人を寂しがるなよ
死んだら変われよ
執着するなよ
勝手に死んだと執着するなよ
殺されたんだと怒るなよ
生きている時の尊さに溺れ
生きている事を愛おしいと思うなよ
あんなに堕落した日々を過ごしていたくせに
つまらないと嘆いていたくせに
死にたいと…深く考えることなく思っていたくせに
「死ね」という言葉の重みを知ることもなく嫌いな人間に、むかついた名前も分からぬ人間に、思っていたくせに
落ち込むなよ
嘆くなよ
何度も同じ所を回るなよ
ぐるぐるぐるぐる同じ思考の中を
バカがずっと回っていて
そこには棘があるのにそのバカは
また戻ってきて傷付いて
痛いと思って凹んで
数分もすると
ただいまと言わんばかりに戻ってくる
「…」
生きていても
死んでいても
変わらぬ私は
変われぬ私は
「私を」
「地球を」
呪いながら
死んでいる。
●
一目見てわかった。
この子元気ないなって
下を見て
とぼとぼ歩く君を見て
何にも憑かれていない
人気のない君を見て
髪が綺麗で目がぱっちりで可愛いのに人気のない君を見て
寄り添ってみようかなと…
思ってしまったんだ。
●
最初は空からずっと見ることにした。
皆みたいに至近距離でいるのは…何だか悪い気がして
彼女は高校生。
元気で活発というよりも、控えめでおとなしい感じの子。
どこか昔の私みたいで、好感を持てた。
「…」
彼女が家を出てから学校に着くまで、空からずっと眺めてみた。
電車に乗ればその電車を尾行し、学校の最寄り駅で彼女が出てくるのを待った。
学校に着き学校から出てくるまで、屋上にいたり図書館にいたり体育館にいたり時には彼女を覗きに行ったりと、色んな所で時間を潰せた。
学校には生徒以上に色んな幽霊がいて、皆私を見て驚いたが、何だかそのころにはもう皆の目とかそういうものが、どうでもよくなっていた。
「…」
彼女は私みたいに、誰にも構ってもらえていなかった。
四角い教室に閉じ込められて、そこでは各々がグループに別れて談笑し、授業が始まるとグループは散らばり、椅子に座り机に教科書と筆記用具を置き、静寂が正解である時間を過ごす。




