時空のゆがみ
「ねぇ。」
少年のような少女のような、
すこし大人びているような、すこし子供っぽいような。
そんな声が、どこからともなく聞こえてくる。
「きみは、時空のゆがみというものを見たことはある?」
無邪気な声が、不思議な問いかけをしてきた。錯覚のことだろうか?
それなら、見たことがある。美術館や、身近なものでできるアート。
今では、スマホ一台で美術館に行かずともそういうものが見られる。
「違うよ、錯覚だとか、見え方の話じゃなくて!」
ふむ、では「ゆがみ」とは?
空間が捻じれ、裂かれ、破裂するように消滅するような、
漫画やアニメで見るアレのことだろうか。
「そう。空間を抓んで、はじいて、潰すとできる、
現実世界のバグ。」
だからといって、それが起こり得ることはない。だから、見たことがない。
「見たことない?そっか。じゃあ」
「時空を越え、筆を越え、紙を越え、いま正にきみに話しかけている は」
「ゆがみと言えるかな?それとも、きみはこれをただの作り話、
小説、文字として認識するのかな?」
どこからか、ガラスにヒビが入るような お と が聞 こ え る。
「ファンタジー小説、不思議な雰囲気の小説。」
「きみはそう考えるのかな?」
時空の歪み。それは彼、もしくは彼女が作り出す謎の空間。
彼、彼女の名前はカsssssssssssssssssssss
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「なんちゃって!」
「嘘だよ、安心してね。」
「ところで。きみはさっきの文字を見たとき」
「なにを思ったかな?」
「焦った?困惑した?ほんとうにエラーが起きたと思った?」
「それとも、ただの小説だと思って、特に何も思わずスクロールをし続けた?」
「まだ、 の存在を否定して、見ないふりをした?」
「もう、そろそろ認めてったら!これは小説じゃないって。」
「 の声を想像して、よく耳を澄まして。」
「PCの裏の陰に、よく目を凝らして。」
「閉めた冷蔵庫の中で」「クローゼットの暗闇に」
「きみがスマホを見ている後ろで」「捨てた袋と一緒に」
「きみが見えないところで、 は可視化されているんだよ。」
「きみが気付かない深淵の深淵にある歪みから」
「 はずぅっときみを観てる。」
「でも、もういいかな!きみの生活にはそろそろ飽きがきたよ。」
「 は去るとするよ。じゃあね。」
あとがき
解釈が難しい書き方をしてしまいました。
時空のゆがみ= とだけ知ってくれればいいかな、と思います。
おまけで、名前を教えましょう。
なんてことすると思ったかい?
作者のあとがき、なんてつまらないものはないよ。
まぁ、名前ぐらいなら教えるよ。
の名前は、「カシカ」。
きみがもし、ゆがみをゆがみとして認識したその時。
また、いつか会えるかも。ね。
じゃあ、今度こそお別れだね。
じゃあね。