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第2話「承・美少女おっさんとダンジョン」

 ギルドの受付嬢、湘南桃花は今日もプレイヤーとクエストとかの受付作業に追われていた。歴史の教師なのに。

「次の方どうぞー」

 そう言うと、ちっちゃい美少女姿の子が前に出てきて。登録用のテンプレート用紙の、と言う名の登録用紙をびっしり書いて出してくれた。

「簡易用、基本ヨウ、詳細ニョウの詳細用紙を書きにゃしてぇ、これでいいんスにょネ? 受付じょっさん、にぇ?」

 何か聞き取りづらいような、フランクな崩し言葉の可愛らしい声で語呂がぐにゃんぐにゃんした声が聞こえた。……これが本物の人間か、不完全なロボ臭くないというか……。とか桃花嬢は思った。



 【プレイヤーネーム、ロコ、プロフィール】

 名前◇前跡追客〈まえあとついきゃく〉/ロコ

 性別◇男性

 性格◇気まぐれ

 年齢◇30代

 誕生日◇8月14日

 外見◇ちっちゃい美少女

 所属◇太陽の羅針盤

 好きな食べ物◇牛乳

 好きな色◇黒と赤

 好きなゲーム◇図鑑収集ゲーム。

 2つ名◇美少女おっさん

 種族◇人間

 武器◇でっかいハンマー

 異能◇なし

 弱点◇笑いすぎると腹筋崩壊して、お腹が痛い。

 メモ◇でっかいハンマーでコンボを決めるのが好き。ゲームのキャラを作ってなりきりプレイしているので、たまに素が出る。2.5次元のホ◯ライブのアイドル「サクラ子ミコ」を元ネタにして、自分なりにそのキャラの口癖を真似とアレンジをしている。重度のミコPであり。自称、ミコのプロデューサー。元ネタのサクラ子ミコの職業は〈アイドル&動画配信者〉、性格は〈ポンコツ〉多くの視聴者に愛されている。ということで、ミコの語録を真似してワザとセリフが砕けている。

【口癖】

 喜「皆みゅぉ、今日は元気でぃぁご飯が美味いにぇ」

 地文・気の抜けた感じで語尾のトーンが伸びる、この場合「皆も」が「みゅぉ」、「元気で」が「元気でぃぁ」、「美味い」が「美味いにぇ」になっている。

 解説・気まぐれというより気の抜けた感じになっている。


 怒「こんのォ! お、俺ちゃまを! な、何だとおミョってニャがるぅ!」

 地文・怒り口調に可愛さと、自信の無さげを精一杯体で表している。

 解説・語尾に小さい言葉を付ければ可愛く見えると思っている。


 哀「人生……WA、そんなぬ甘ない。世の中不公平だにぇ……」

 地文・諦めとともに、舌っ足らずな巻き舌で、IQ低い感じで喋っている。

 解説・ワザと崩し文字を使って言葉足らずを表現すると共に、一文で印象に残ろうとしている。


 楽「イエス! エクスタシーだ! Eにゃあ~、今日は生ぎてでよがっだァ~~!」

 地文・喜びと最高潮の言葉を表現するためにエクスタシーしてしまっている。

 解説・クセの強い言葉とともに、気まぐれを表現。



(って! 男やんけ! ボイスチャンジしてるな!)

 とかツッコミを入れたくなったが、まあゲームの中何だからそんな変な拘りプレイする人も居るよな、とか思いながら。珍しい詳細テンプレ用紙をキチンと書いてくれた人を呆然と見つめながら。桃花は言った。

「あなた、……男?」


「……アレ? 何か問題ありました? クセ強ミコ語録プレイングプレイヤー?」


 ロコは真面目に受付嬢に返答を返した、素の語呂で。いきなり素とポンコツを使い分けるプレイヤーにビクリとキョドる桃花受付嬢。

「い、いえ……まあ、頑張って下さい……書類の方は全然大丈夫です、問題ありませんよ……登録完了です」


「デェカッタ~☆ にゃあ! コレで普通にぇプレイしていンいんしゅね? あじゅじゅした! 受付ジョっさん! 冒険ばんばりゅジョ~~~~!」

 すると、瞬時に素から〈ロコ語録〉に切り替えた、めっちゃ砕けまくってる言葉なのに何故か心に安心感を与えてくれるようなフレンドリーな会話になっっている。

 ……最近真面目な人達と会話してて、敬語や丁寧語、正しい文字や言葉が正義だと思っていた桃花にとっては衝撃的な言葉の不思議連鎖だった。自由ってこうなのか。

「あ……はい、では冒険の方行ってらっしゃい」

 生成AIとかが発展している昨今、〈正しい文章〉は世の中に蔓延っているが、〈ワザと言葉を崩す技術〉は逆に武器かもしれないな……。とか関係ない所へ思考を巡らせる桃花受付嬢は真面目過ぎた。


「んじゃ! ダンジェンいくじょ~! まずは試し斬りでぇあ! 一時的攻撃をするにょら! っハ!」

 そういって、ギルド本部、受付ホールを出ていった初心者冒険者。

 こんな冒険者も居るんだなあ~と思いながら、桃花は青天井を見上げる。

「また咲に吸収合併されなきゃ良いけど……」

 とか、関係ない所に不安の種を覚えた。


 と、言うところで。ロコは草原の洞窟前のダンジョンへ来た。

「シャア! では初戦闘いってみましゅにぇえー! オリャビシバシタイムじゃじぇえ~! イクWオー!」

 そう言いながら、ダンジョンの中へ入っていった所で、モンスターと出会った。


《ホコリの妖精◇落とす物 ホコリの妖精の尻尾。超初級モンスター》


「シャア! まずWAザコモンスターだじぇー! 殺せー!」

 言って、ロコは小さなホコリの妖精に対して大きなハンマーで大ダメージを与えてオーバーキルした。

 初戦闘による勝利&アイテムゲットの瞬間である。

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