第1話「起・ちっちゃい美少女は好きですか?」
VRゲーム機に対して「リンク・オン」と現実世界で言うと、仮想世界へとダイブ出来た。そこでホーム画面に入り、キャラメイキングの時間となった。
「うーん、折角だから〈ボクっ娘〉プレイするか~。あと盛りに盛ってやる」
30代おっさんは前もって断っておくが、ボクにそんな趣味はない、ただ、性癖にドンピシャに刺さるキャラクターでこの世界を冒険したいってだけだ。決してやましい気持ちなんてこれっぽっちも無い。
パンチラ? ああ、もちろんアリだ、ゲームの世界で性欲を抑制しないでどうする? そんなもん開放だ開放。
何か今更感は凄いが、見た目は重要だ。
もうめんどくさいから性癖ぶっ刺さりキャラメイキングしよう。小さい身長、大きな武器、この場合ハンマーが良い、重い武器をちっちゃい女の子がブンブン持って暴れる姿が性癖なんだ。
ここまで可愛いならもう髪色はピンクのツインテールでいいだろう。目の色はまずオッドアイ、右が赤色、左が青色、瞳の形はもうめんどくさいから常時ハートマークで良いだろう。
ナニコレ、歩く淫乱じゃん。
貧乳、ミニスカ、スパッツ、ニーソによる絶対領域の人肌、褐色の健康的な肌、下着の色は白……ボクは何を考えているんだ?
種族は人間か吸血鬼か悩む所だが、ここはあえて〈ゴスロリ神官〉で行こう。
服のベースの色は黒、フリフリフリルは白色。
ハンマーの形は、金属製、両手持ち両口ハンマーにしよう。デカさはでっかいほど良い、幼女の身長の3倍ぐらいあっても良い、ロマンじゃないか、通常の3倍のデカさなんて……!
声質設定は、もうめんどいから〈めぐみん〉でいいだろう。この声で毎回喋ってくれるのか……嬉しい。
さて、プレイング方法についてだが、最初はマゾプレイも考えた、だが受けて何するねんって気分になって結局無難な〈探索プレイ〉に徹することにした。あとはそれを日記形式でギルドに報告するだけだ。
「おっと、忘れていた。名前とギルド名を決めなければ」
名前は重要だ、毎回毎日メチャクチャ使う、ギルド名も同じくメチャクチャ使う。
しくじったらとても辛いことになる。名前は短いほうがより良い。さて……。
「もう考えるのもめんどくさい、ボクの名前は〈ロリの子〉で〈ロコ〉でいいや、ここは適当でいい、問題はギルド名……」
ここは真面目に考えたい、何せ仲間にまで波及する。コンパスだと味気ないし、羅針盤とは名付けたい、ただ、〇〇の羅針盤にしたい。
「ん~、星、月、太陽、南? いい感じだけど求めていたのそれだっけ? 異世界の未知と対峙するわけだから、あーでも、羅針盤は正確な方が良いな。じゃあギルド名は〈太陽の羅針盤〉にしよう、至って真面目だ」
「さて、まずは弱モンスターと戦って試運転しよう」
そう言って、ロコは自分の3倍ほどあるハンマーを軽々と持って、始まりの街の草原をへと向かった……。
「えいっ! ファイヤー! アイスストーム! ダイヤキュート! ブレインダムド! ジュゲム! ばよえ~ん! ばよえ~ん! ばよえ~ん!」
そう言いながら、ロコは大きなハンマーを使って野生のスライムをドスン! バコン! ドゴン! と倒して経験値集めをしていた。
ちっちゃい体に対して物騒な物音が木霊している。ハンマーを叩くたびにスカートのフリルとかがフワフワ揺れて、他の見るプレイヤーを魅了する……。だが男だ。
スライムを倒したお金でこの世界の地図と羅針盤をさっさとお店で手に入れるロコ。
「さて、どこに行こうか? このエレメンタルワールド、もうだいぶここらへんは開拓されてるみたいだけど……」
ボクは、何の気なしに、マップ上のその辺にあった『地下迷宮』という単語に目を釣られ、ダンジョンの中に入っていった。
名前『ロコ』
体型『ちっちゃい』
武器『おっきいハンマー』
種族『人間』
職業『神官探索者』
性別『30代男』
ギルド名『太陽の羅針盤』
持ち物。地図、羅針盤。
豆知識テンプレ
名前◇アイテム名やスキル名、キャラのセリフやナレーションや地の文の文字だったりする時がある。
希少◇ノーマル・レア・スーパーレア・ダブルスーパーレアのレア度に分けられる、情報自身に価値の高低差があり管理出来なくなったから要るようになった。
タグ◇基本3種類設定してイメージを補填する役割を持つ、検索で引っかかりやすくする意味を持つ。
解説◇解説・説明、そのまんま。
◇◇◇作中例◇◇◇
名前◇エレメンタルワールド・オンライン3(略称EWO3
希少◇N
タグ◇ゲーム名_拡張世界_月額500円
解説◇様々な事件が起こりすぎて、流石に無料で遊ぶにしてはクオリティが高すぎるので月額500円制の有料コンテンツと化した。昔は無料だったが、そうも言ってられない。こと、現実世界の神様が運営しているという。超常現象、悪く言えばオカルトまで混ざってしまって。普通の社会人の人間の運営にとってはたまったものではない。……とかとか。
【レア度の基準】
N…………公式の小説に載らなくて良いような、ネットのSNSで大量にバラまいてもOK、どうでもいいネタ・雑学。
R…………公式の小説に載っている、普通の情報。一般プレイヤー・NPCが常識的に持っている情報。
SR………公式の小説に載っている、重要な情報。一般プレイヤー・NPCが中々入手出来ない情報。
SSR……公式の小説に載っている、大変重要な情報。一般プレイヤー・NPCが入手したら大損または大得が発生する情報。運営陣にまで影響が出る。
【作中例】
N「始まりの街に咲いている雑草はたんぽぽだ」
R「このゲーム、世界の名前はエレメンタルワールドと言うらしい」
SR「スキル『エボリューション・極白』はログが残らない、ので運営にも感知出来ないし、情報反転が出来ないのでアンチフォームにも有効打を与えられる」
SSR「天上院咲の称号『家族の善神』は現実世界での称号&魔術であり、仮想・現実世界の信仰力で、両方の世界に影響力が及ぶ」