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箱シリーズ

童話 ただ一つの箱

作者: リィズ・ブランディシュカ



 何もない部屋に箱があった。


 とても白い箱だ。


 模様とかはない。


 誰かの名前が書いてあるわけでもない。


 ただの、箱。


 そんな箱は、一つきり。


 その部屋に二つはない。


 だから箱は寂しくなった。


 とても寂しくて。


 ずっと寂しくて。


 いつまでたっても、一人ぼっち。


 だから箱は幻影を見るようになった。


 箱は、箱の見る世界では、一つではない。


 二つになった。


 箱は寂しくなくなった。


 箱は苦しまなくて済むようになった。


 箱は悲しまなくて済むようになった。


 たまに一つになってしまうけれど。


 はっと我に返ってしまうけれど。


 基本的には二つだから、箱はずっと幸せだった。



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