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悪役令嬢はヒロインと結婚する  作者: 数野 衣千
1/1

1話目

誤字とか色々あったらすいません!!!

思い付きと勢いで書いてるので緩い気持ちでお楽しみ頂けたら嬉しいです。

すいすいと四角く光る小さな画面に向かって指を動かす。

スマホの中には文字が羅列されていく。



「私、アルモンド様には全く興味がございませんわ」

そう言ってアイーシャは¦



「おねぇ〜書き上がった〜?」


妹が2段ベットの上から覗いてくる。

妹は私が小説サイトに投稿する『悪役令嬢アイーシャは前世の知識でギャフンと言わす』と言う小説を楽しみにしてくれている。

そんな妹の為に、そしてちょっとずつ増えるブックマークが嬉しくて。

私は小説を書いていた…



━━━━━━━━━━━━━━━


そんな前世の記憶を朦朧とする頭で取り戻した。

私はアイーシャ・ヴァン・コーネリアス公爵令嬢。御歳7歳、私の書いていた小説で記憶を取り戻す年齢だ…。

そう、私の書いていた小説で……。


「ありえない…そんな、本当に転生してしまうなんて…と言うか自分が書いた小説の中なんて…。」


高熱で魘された後の頭痛と受け止めきれない現実に頭を抱えた。


「…つまりもう少しであのポンコツとの婚約が決まり、性悪妹と奮闘する!?…えっ、普通に嫌じゃん…。」


そう、自分で書いた小説だから登場人物についてはよくわかる。

小説の大まかな流れも。

乙女ゲーの世界の悪役令嬢に転生したヒロインが前世の知識でポンコツ登場人物にざまぁする話だ。


登場人物は


婚約者第一王子 アルモンド・ウィル・クロムハルト

(ポンコツ)第一王子である事に慢心して居て、勉強も運動も人並み、顔だけしか良くない阿呆。

公爵令嬢で優秀なアイーシャが居るから何とか王位継承1位の残念野郎。


妹、マリア・ヴァン・コーネリアス(性悪)

顔が良い。妹の要望で乙女ゲーのヒロインをモチーフに作られたが性悪ぶりっ子クソ女だ。

妹曰く「乙女ゲーのヒロインが性悪なの流行ってるし、やられるとスカッとするから!」と言う要望で。嫌な女の塊のような女が出来上がった。


宰相の息子(頭がいいフリしてるが阿呆)

騎士団長の息子(脳筋&親の七光り)


その他もろもろ残念で阿呆な登場人物が居る。


よりにもよってこんな世界に転生してしまうなんて…


「小説の知識があってもあんな事するのめんどくさい…。」


ものぐさな性格ゆえこれからの労力を考えアイーシャはため息をついた。


バーン!!


勢いよく自分の部屋のドアが空く。


「ん?こんなシーンなかったぞ??」


空いたドアの先には嫌な女の塊(今世の妹)。マリアがフリフリのワンピースタイプのパジャマの裾を揺らしながら息を切らして立っていた。


「お嬢様!おまちください!!」


「ごめん!エニシャ、お姉様と2人きりにして欲しいの!!」


「そんな、マリア様も病み上がりですし、アイーシャ様も眠っておりますから。」


「姉様なら起きてらっしゃるわ!」


ベットから上半身を起こしているアイーシャを指さしてマリアは侍女のエニシャにギャーギャー言っている。


…こんなシーンなかったぞ??記憶違い?なわけないし?とりあえず、エニシャが可哀想だから話すか。


「構わないはエニシャ。マリア、こっちにいらっしゃい。お話ってなぁに?」


「お姉様!単刀直入に言います!前世の記憶もどりましたか?」


「へっ?」


素っ頓狂な声が出た。


「やっぱり…。エニシャ、下がって。これは命令よ!」


たじろぎながら出ていくエニシャを後目に、マリアはベットの近くにやってきた。


「姉様!私も転生者です!日本から来ました!元の名前は浅川 美園。姉様の邪魔はしませんので、どうか!第一王子を押し付けてさらにあのポンコツと幽閉は勘弁して下さい!!!」


マリアはダイナミックに土下座した。


…えっ、てっそれより……。


「美園なの?」


「はい!美園です!日本人のよしみで!!!どうか見逃してください!なんなら今すぐ修道院でも!!」


「美園!!!」


アイーシャはベットから勢いよく飛びたし、マリアを抱きしめた。


「わたしは、菜摘よ。…浅川 菜摘!ねぇちゃんよ!!!」


「えっ?まっ?…えっ!!!ねぇちゃん!?!?」


混乱する妹をギュッと抱きしめた。

よく分からない状況で居て知り合いがいるのは心強い。それが仲の良かった姉妹ならなおさら。

2人は混乱し、そして安堵し。顔を見合わせて抱きしめあった。



ひとしきり泣いた2人は落ち着いて現在の状況を確認する事にした。


「ねぇちゃんはこれから1週間後ポンコツアーモンドと顔合わせして、婚約よね?」


「そうね、てかアルモンド様ね。」


「いや、名前考えてる時なんかそれっぽいのない?って聞いて食べてたアーモンドチョコから名前付けたじゃん?小説読んでる時のくせでつい。」


「人前では呼んじゃダメよ?あのポンコツ、気位高いから首が飛ぶわよ?」


「流石に家、公爵家だし厳重注意でしょ?…いや、待てよ。…あのポンコツを怒らせてそんで修道院行きになるとか!」


「なにいってるの!?私達2人が修道院行ったらお父様どうするのよ!」


「えっ?ねぇちゃんだけ残ればよくない?私は修道院で安心して過ごすから!」


「ふざけんな!いやよ!これから色々起こるんだから!!あんたも手伝いなさいよ!!」


「ねぇちゃんが書いた小説でしょ!ねぇちゃんが何とかしてよ!てか、せめてもう少し攻略対象をまともにしてよ!」


「それはあんたがポンコツにしろって言ったんでしょ!?」


「そうだけども…、あっ!いっそ国外に留学とか?」


「だめよ、国外で疫病流行るでしょ?死にたいの?」


「ぐぬぅ、じゃぁ!まともな人と結婚する!」


「家は公爵家よ、そんな都合良い結婚相手居ないわ。そもそも王子を断ってなんてむりよ。」


「いや、そこはねぇちゃんだけ犠牲になってもろて!私は幸せに!!!」


「マリア?押し付けるわよ?」


そんな感じでギャーギャーとした作戦会議は明け方まで続いた。


「もうさ、2人で修道院行こ。お父様には後妻を迎えてもろて新しい弟作ってもらって…」


「そうね、お父様若いし。イケメンだし、ママが死んでから6年たつし…。」


「で?修道院行く理由は?」


「2人仲良く行くんでしょ…」


朦朧とする頭で考えた。


「もうほら、私達愛し合ってます。だから結婚しません!2人で修道院いきます!!とかはw」


「いいんじゃない?それで行こう!」


「あ、ちょうどお父様帰ってきたわね。」


玄関の方から馬車の音が聞こえた。

虚ろな目で2人はすっと、手を取りあった。

そして広い廊下を通り玄関でコートを脱ぐ父と目が合った。


「お父様。」


「アイーシャ!マリア!具合は良くなったのか!良かった!!」


父は人の良さそうな笑顔で2人に近づいた。

抱きしめられそうな所をマリアに引かられ。


「お父様、私のお姉様に気安く触れないで…」


「マリア???」


困惑するお父様


…なるほどやるやん、いい演技。それなら。


「マリア、お父様にお話しないと。」


マリアの腕に手を絡めて、ちょんと頬をつつく。

深夜テンションを引きづりノリノリである。


「そうね、お姉様。お父様、私達を修道院に入れて下さい!」


「なっ!何を言ってるんだ!マリア!!」


「お父様、お願いします。私はマリアと離れたくありません。マリア以外の人と生涯を共にするのは耐えられません!!」


「アイーシャ!?」


「「私達愛し合っています!なので結婚せず2人で居たいです!」」


ピッタリと声が揃った。流石前世からの姉妹。

ちちはあまりの事に倒れた。

2人も眠くて倒れた。

公爵家の玄関は使用人たちの悲鳴で阿鼻叫喚になった。

読んでくれてありがとうございました。

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