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アルスの異世界日記  作者: 藤の樹


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93日目 重大な告白

●93日目(グリウス歴863年8月5日)


朝、俺達は砦の南側、帝国軍の南端から

500m以上離れている林の中にいる。

ここまでは、テレポートで来たので敵に見つかる要素は皆無だ。

アンジェとマリアに周辺を警戒してもらい、

魔法に専念できるようにお願いした。

索敵で周囲に敵の反応はないが、これから使う魔法は、

結構時間がかかると思う。

「じゃあ、周辺警戒よろしくね。」

「任せて。」

2人の返事を聞いて、早速準備に入る。

まずは、法国で用意してもらった1立方メートルはあるだろう石材を

10個並べる。

1回で2個ずつ使うので2個ずつに仕訳ける。

そして、比較的大きな魔石を5個その石材に添えておく。

頭の中のイメージを明確にして意識を集中する。

「クリエイト・ストーンゴーレム!」

2個の石材を触媒(しょくばい)にして魔石を中心に黒い(もや)のようなものが

人型になっていく。

その靄も人型に徐々に吸収されて靄が無くなる。

そしてそこには、身長2.5メートル程の巨大な石像が立っていた。

「鑑定!」

鑑定の結果、ストーンゴーレム作成は成功したようだ。

成功したのはいいが、MPをゴッソリと持って行かれた。

「1回で100のMPを持ってかれるのは厳しいなぁ。」

予定ではあと、4体作るつもりだ。

続けて2体目も作る。

「クリエイト・ストーンゴーレム!」

2回目も無事完成した。これでMPも半分近く持って行かれたことになる。

MPポーションを使うと前回のように自動回復遅延の状態異常にかかるので、

MPポーションはいざという時にしか使わないようにしていた。

そして休憩というかMPの回復を待ちながら1体また1体と造り、

合計で5体のストーンゴーレムが完成した。

このゴーレム達は現在俺からの命令待ちとなっている。

ゴーレムはとりあえずそのままにして、次の準備に入る。

取り出したのは、半月ほど前に移動中に狩った

サーベルタイガーの牙10本と魔石。

こちらはサーベルタイガーの牙1本と中型の魔石で召喚できるようだった。

1体のサーベルタイガーから2本の牙が取れるので

なんとなくお得感があるのは俺だけだろうか。

「サモン・サーベルタイガー!」

先程と同じような現象が起きて1体のサーベルタイガーが現れた。

低く唸ってはいるが敵意は感じられない。

俺からの指示を待っているのだろう。

実は、先程のクリエイト・ストーンゴーレムは

土地属性魔法のLv10で覚える魔法なのだが、

サモン・サーベルタイガーは召喚魔法で覚える魔法なのだ。

似ているが全く系統の違う魔法なのだ。

そして5体程召喚したところで、再度回復待ちの休憩を取る。

ある程度回復したら再びサーベルタイガーを5体召喚する。

MPの回復を待ちながら、次の準備に入る。

次に取り出したのは、ダイアウルフの牙20本と小型の魔石20個。

ダイアウルフの召喚は先程と違いMPもそれほど必要ではないらしく、

MPが満タンであれば連続で全て召喚できるようだ。

「サモン・ダイアウルフ!」

サーベルタイガーより2回り小さいが

それなりの戦力である事には間違いない。

続けて出したのは、蝙蝠(こうもり)皮膜(ひまく)と小型の石材、

石材と言ってもただの岩である。

それと小型の魔石それぞれ20個。

これらで20体のガーゴイルを召喚した。

これで、戦力はストーンゴーレム5体、サーベルタイガー10体、

ダイアウルフ20体、ガーゴイル20体となった。

戦力的に数が55体というのは

2万近い敵にはあまりにも少なく感じるだろう。

しかし、ストーンゴーレムはトロールやジャイアントと

互角に戦える強力な力を持っているし、

サーベルタイガーもBランクの冒険者と互角に渡り合える強さだ。

ダイアウルフはそれほど強くはないが、数をカバーするのに召喚した。

そしてガーゴイルは魔法攻撃にも、通常の物理攻撃に対しても、

非常に硬く敵にすれば面倒なモンスターだ。

そしてガーゴイルの強みは空を飛べる事だ。

ダイアウルフと組ませて地上と空中からの攻撃で敵を翻弄(ほんろう)させるのが狙いだ。

「アンジェ、マリア、準備が整ったよ。」

少し離れて周辺を警戒していたアンジェとマリアが戻ってきた。

「アーくん、これ、大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。今は俺の指示待ち状態だから動かないよ。」

「それならいいんだけど。」

流石に、目の前にモンスターがいれば

誰でも平常心ではいられないのかもしれない。

「ストーンゴーレムよ。砦の周囲に集まっているゴブリン、オーガー、オークを殲滅(せんめつ)せよ。」

その命令を聞いたゴーレム5体は砦の方へと歩き出した。

ゴーレムは移動速度が遅いが、それでも体が大きい分、歩幅も大きく、

子供が走るスピードくらいには動ける。

ゴーレムを先行させ、距離が50mほど離れた所で次の命令を出す。

「サーベルタイガー、ダイアウルフ、ガーゴイル、俺について移動せよ。」

そう命令を下して、ゴーレムの方へと歩き出した。


ゴーレムが接敵する2、300m付近まで近づくと、

流石に敵も何かが近づいてくると騒ぎ始めた。

更にゴーレムが距離を詰めていくと、

ゴブリンが敵と認識したようでゴーレムの方へ向かい始めてきた。

接敵まで数十mまで来たところでゴブリンの一部が弓矢を放った。

ほとんどが外れる中、いくつかの矢がゴーレムに命中する。

しかし、矢はあっけなく弾かれてしまう。

それでも()りずに矢を放ち続けるが、

どれ一つダメージを負わせられなかった。

そして、ゴブリンがゴーレムに殴り掛かろうとした時、

ゴーレムの腕が数体のゴブリンを吹き飛ばした。

ゴーレムは足を止めることなく、どんどんゴブリンの集団の中へ入っていく。

そしてゴーレムが腕を振る度にゴブリンは倒されていくのだった。

ゴブリンの攻撃が当たらない訳ではなかったが、

ゴーレムの硬さに弾かれるだけであった。


「サーベルタイガー、この周辺のゴブリン、オーガー、オークを攻撃せよ。」

その命令を聞くやサーベルタイガー10体は

猛スピードでゴブリンの集団に突撃していく。

続けて命令を出す。

「ダイアウルフよ。ゴブリンを攻撃せよ。」

ダイアウルフも駆け出していった。

「ガーゴイルよ。ダイアウルフを援護しつつ、ゴブリン、オークを攻撃せよ。」

流石に、ダイアウルフとガーゴイルではオーガー相手では効率が良くない。

あくまでゴブリンをメインに攻撃させたい所だ。

「じゃあ、俺達も始めようか。」

アンジェとマリアに向かって言った。

俺達の戦いは基本的にゴーレム達の後ろから

範囲魔法や手数を稼げる魔法で攻撃するのがメインとなった。

範囲魔法は気をつけないと召喚モンスターも巻き込む恐れがある為、

まったく別方向の敵に対して使用した。

回り込もうとした敵もファイアウォールなどで足止めしていく。

「アーくん、そろそろMPが尽きそう。」

「わたしもそろそろ厳しいですわ。」

「2人とも、これを。」

そう言って、MPポーションを渡す。

「2人は、俺の援護だけしてくれればいいから。」

「わかったわ。」

そう返事をしてMPポーションを飲み始めた。

敵の意識がこちらに向いている今がチャンスだと思うけど、

まだ出られないのか?

そう思った瞬間、砦から爆音が聞こえた。

多分、予定通り、魔法の一斉射撃で門の前の敵を攻撃したのだろう。

そして、次の瞬間、(とき)の声が鳴り響いた。

砦の門は開け放たれ、騎馬隊が突撃しているのが見えた。

その後ろには冒険者などの歩兵部隊が、ワラワラと散り始めている。

こちらの戦力は流石にダイアウルフは全滅してしまっている。

ガーゴイルはほぼ健在で今はサーベルタイガーの援護をさせている。

ゴーレムの周りには戦意喪失したゴブリンが(あふ)れ返っていた。

一方的に(なぶ)られれば戦意喪失するのは当たり前だ。

特にゴブリンは元々、士気が高いわけではない。

逃げ惑うゴブリンを押し分け、オーガーの群れ10体が近づきつつあった。

オーガー相手なら2対1でもゴーレムに軍配が上がると思うが、

この混戦の中だとゴーレムの分が悪い。

これは、援護射撃が必要だな。

「サンダーストライク!」

オーガーの頭上から落雷が発生し、落雷地点の半径3m以内にいた

モンスターは一瞬にして黒焦げとなった。

そこにはオーガーも2体程範囲内にいた事で、

その2体は瀕死の状態になって倒れた。

死んではいないようだが戦闘不能な状態である。

「ゴーレムはオーガーを攻撃せよ。サーベルタイガーとガーゴイルはゴブリンを攻撃せよ。」

新たに命令を下す。

ただ、いくら召喚モンスターと言えども、普通のモンスターと変わりはない。

当然疲れもするし、手傷も負う。

サーベルタイガーは徐々に動きが鈍くなっているのが分かった。

「そろそろ限界かな。・・・サーベルタイガー、ガーゴイルよ。一旦こちらまで引け。」

サーベルタイガーは命令を聞くと驚異的なジャンプ力で

ゴブリンの頭上を越えてこちらに戻ってきた。

ガーゴイルも空中を滑空しながらこちらへ戻った。

それにより自由になったゴブリンは、

今度はこちらの番だと言わんばかりに、こちらへ突っ込んできた。

「ファイアーウォール!」

自分を中心に、全員が入る範囲で炎の壁をサークル上に造った。

炎の高さは常に2m以上あり、その炎はゴブリンなど

一瞬で焼き尽くすだけの威力はある。

オーガーならばダメージ覚悟で通過できるかもしれないが、

わざわざ自分から炎に飛び込むほど勇気がある訳でもない。

その間に、アンジェとマリアに手当と水を与える様に言って

回復させるようにした。

ファイアーウォールを持続させるために暫く集中する。

サーベルタイガーは水を飲んだあと、座って休んでいる。

ガーゴイルは石造のようになって動かなくなっている。

少し休ませた後、ファイアーウォールの集中を解く。

集中を解くと徐々に炎が消えていく。

「索敵!マップ化!」

これにより視認できないモンスターの位置が簡単に分かるようになった。

「ファイヤーボール!」

炎が消え切っていない中で炎の玉が飛び出した。

周囲を囲っていたゴブリンの一部が炎の玉に巻き込まれ、

更にその先で爆発した炎の玉は

あっという間に20匹近いゴブリンを屠ってしまった。

更に別方向へと同じ炎の玉が噴き出す。

同じようにゴブリンは消し炭になってしまった。

「サーベルタイガー、ゴブリンを殲滅せよ。ガーゴイルよ、ゴブリンを攻撃せよ。」

炎の壁がほぼ無くなりかけた瞬間にサーベルタイガーとガーゴイルは

周囲に飛び出していった。

不意を突かれたゴブリンは再び恐慌状態に(おちい)り、逃げ惑い始めた。

その頃、ゴーレムは最後のオーガーを丁度倒したところだった。


戦況はこちらの優位に運んでいる。

数はまだまだ敵の方が多いが、ゴブリンは士気をなくし逃げ惑うばかりだ。

砦の方も圧倒しつつある。

このままいけば、退ける事も時間の問題だろう。

と、その時、敵陣の奥で巨大な何かが現れた。

それは地面から土埃(つちぼこり)のようなものを巻き上げながらそびえ立つように現れた。

「グオオオーン」

大地を揺るがす程の雄たけびをあげて姿を現した。

「あれは、ドラゴン?」

後ろでサーベルタイガーに癒しの魔法を掛け終えたマリアが呟いた。

ドラゴンにしては見るからにおどろおどろしい。

「鑑定。」

その謎の生物を鑑定してみる。

「ドラゴンゾンビ。HPも桁外れに大きい。スキルは魔法無効化50%、毒ガスのブレス、随分厄介(やっかい)な敵が出てきたものだ。」

ドラゴンゾンビは咆哮(ほうこう)を上げた後、いきなり毒ガスのブレスを吐き出した。

吐き出した先には、逃げ惑うゴブリンや冒険者と対峙していたオーク、

そして冒険者がいた。

敵味方関係なく巻き込んだ紫色の気体をした猛毒のブレスは、

一撃でHPの低いゴブリンを一掃する。

冒険者とオークはその一部が巻き込まれ、

その気体を吸ってしまった者は苦しみもがき始めた。

中にはその場で倒れる者も続出し、オークもそれは例外ではなかった。

突然襲った攻撃に両軍の前線は混乱の一途となった。

もはや戦闘どころではない。

幸運にも毒を喰らわなかった者は、仲間を引きずるように後退する。

後退を援護するように攻撃魔法でドラゴンゾンビに攻撃を仕掛けるも

何かの障壁のようなもので弾かれ霧散(むさん)する。

オークも突然の後ろからの攻撃で、

こちらは仲間を見捨てて逃げ出す者も出始めた。

「負傷者を下げろー、一時撤退だ。」

指揮官らしき者達が挙って号令を出す。

「マズいな。」

後退する事は砦内の者達にも攻撃が加えられることを考えれば、

愚策のようにも思える。

あの毒ガスブレスは砦の防壁ではまず防ぐことは出来ないだろう。

一部石垣で造られているが、大半は木材で作造られた壁だ。

ガスを防ぐ事は出来ない。

「アンジェ、マリア。出来るだけあのドラゴンゾンビに近づかないように、サーベルタイガーと共にこの辺りのゴブリンやオークを狩って言ってくれ。絶対にドラゴンゾンビのブレスに巻き込まれないよう、気を付けてくれ。風向きも注意してくれ。」

そう2人に言った。

2人は分かったと2つ返事をした。

「サーベルタイガーよ、アンジェとマリアと共に2人の周囲にいるゴブリン、オーク共を駆逐せよ。」

この辺りのオーガーはもういない。2人なら問題ないだろう。

「ゴーレムよ。ドラゴンゾンビを攻撃せよ。」

5体のゴーレムがドラゴンゾンビの方へと向かていく。

「ガーゴイルよ。ゴーレムを援護しつつ、ドラゴンゾンビを攻撃せよ。」

ゴーレムとドラゴンゾンビの間にはまだ多数のゴブリンが逃げ惑っている。

中には果敢にもゴーレムに殴り掛かろうとするゴブリンもいた。

そういったゴブリンはガーゴイルで対処させる。

ゴーレムは足が遅いのでいちいちゴブリンの相手をさせていては

ドラゴンゾンビまで辿(たど)り着くのにも時間がかかりすぎる。

指示を出した後、ゴーレム達の道を切り開くために、

ファイヤーボールを数発撒き散らす。

「ミサイルプロテクション!」

「ディテクトインビジブル!」

「プロテクションシールド!」

「アースシールド!」

「マジックプロテクション!」

「マジックシールド!」

「ヘイスト!」

「プロテクションフロムファイア!」

「プロテクションフロムコールド!」

「プロテクションフロムサンダー!」

「ディテクト・エネミー!」

「レジスト・ポイズン!」

「レジスト・フィアー!」

「能力強化-全」

「フライ!」

右手に雷神剣を左手にミスリルショートソードを持つ。

そして、ミスリルソードに魔法を掛ける。

「エンチャンテッド・フレイムウエポン!」

ミスリルソードの刀身に炎が宿る。

そして、ドラゴンゾンビの方へと飛行する。

「魔法無効化50%か。ならば、2回に1回はダメージが通る計算だな。」

魔法の射程に入るなり、魔法を発動させる。

「ダブルスペル・ファイヤーボール!」

2つの火球がドラゴンゾンビに直撃したかに見えたが

先程の障壁のようなものに阻まれ、霧散する。

「もういっちょ、いくよ。」

「ダブルスペル・ファイヤーボール!」

再び飛んで行った2つの火球の内、1つがドラゴンゾンビの胴体に直撃し、

爆発した。

「1発だけか。」

直撃を受けたドラゴンゾンビはこちらに首をもたげて、

毒ガスブレスを吐き出す。

毒ガスブレスの射程はそれほど長くはなく、こちらまで届かなかったが、

広範囲に広がった毒ガスが雲状に漂っていた。

これ以上近づくと、毒ガスの中に入ってしまうので、一旦制止する。

毒ガスは風で徐々に霧散(むさん)していくようだったが

今日は、それ程風が強くなく、比較的長い時間滞留(たいりゅう)している事となった。

「ならば、これでどうだ。」

「ダブルスペル・ワイデンスペル・ウインドストーム!」

一つの竜巻がドラゴンゾンビの直下に発生するかに見えたが、

これはあえなく霧散する。

もう一つの竜巻がドラゴンゾンビの俺のいる反対側の側面に発生する。

そこには、逃げ惑うゴブリンやオークがいるのみで

ドラゴンゾンビには(かす)りもしない場所だった。

ドラゴンゾンビは再び毒ガスブレスをこちらに吐き出す。

しかし、吐き出した毒ガスは、ウインドストームの方へと流されていく。

「よし。」

空中を滑空し、ドラゴンゾンビに接近する。

それを見たドラゴンゾンビは後ろ脚で立ち上がり、()みつこうとしてきた。

「テレポート!」

ドラゴンの側面やや後方に瞬間移動する。

「はあーー。」

2つの剣で背中を切りつける。

雷神剣で切り付けた一撃は背中の一部を切り裂き、同時に雷撃を喰らわせる。

雷撃は体表を(ほとばし)り、体表を焼き焦がす。

そして炎を纏ったミスリルショートソードは切りつけた箇所を

焼き焦がしていく。

ドラゴンゾンビは大きな咆哮を上げ、尻尾で振り払おうとしてきた。

すかさず、上へ飛び尻尾を避ける。

尻尾を避けつつ、今度はドラゴンゾンビの首元に切りつける。

ドラゴンゾンビは前足で敵を振り払おうとする。

しかし、今度は切りつけつつ、上空へ飛んで行ったために、

ドラゴンゾンビの攻撃は空を切っただけだった。

一旦、上空へ退避して、ドラゴンゾンビから離れる。

「どうだ。」

オーガですら、一撃で屠れるダメージを与えているが、

ドラゴンゾンビのHPは1割も減らせていない。

「このっ、体力馬鹿が。」

「マス・オブ・レイ・アロー!」

20本の光の矢がドラゴンゾンビに飛んで行く。

しかし、その内の半分は当たる前に霧散してしまう。

残りの半分はドラゴンゾンビに突き刺さり、

突き刺さった箇所からはどす黒い体液が噴き出した。

その噴出した体液が地面に落ちると、

そこにあった草が一気に枯れてしまった。

「体液も猛毒なのか。」

怒り狂ったように、再びブレスを吐く。

しかし、依然、ウインドストームが効いていることで、

毒ガスはウインドストームの中に吸い込まれていく。

それを見たドラゴンゾンビはこちらに向き直ると同時に

尻尾でウインドストームを薙ぐ。

一度目は、ウインドストームも消えずに、

尻尾に多少のダメージを与えたようだが、切り返して()いだ尻尾に

ウインドストームが消滅した。

「マジか。自分から魔法に当たって無効化させたのか。ならば。」

「ダブルスペル・ウインドストーム!」

今度は向き直ったドラゴンゾンビの両脇に竜巻を2か所設置する。

ドラゴンゾンビはその片方の竜巻を消滅させようと向きを変えようとした。

「させないよ。」

正面から一気に、ドラゴンゾンビに近づく。

それを見たドラゴンゾンビは薙ぎ払うのを止め、

前足でこちらに仕掛けてくる。

それに対して、こちらは正面から剣で受け止める。

最初にステータスを確認した時に。、体力値は大きかったが、

力に関しては、それ程でもなかった。

力は多少、俺の方に分がある。両剣で受け止め、押し返す。

その結果が予想外だったのか、ドラゴンゾンビはバランスを崩して、

後ろへ与太(よた)った。

そして、そのまま一気に突っ込み切りつける。

1撃、2撃、3撃、4撃。

雷神剣とエンチャントされたミスリルショートソードで交互に切りつける。

態勢を立て直したドラゴンゾンビは、こちらを攻撃しようとしたが、

それを見越して、すぐさま離れる。

離れたのを見て、ドラゴンゾンビは再びブレスを吐き出したが、

両脇のウインドストームがそのほとんどの毒ガスを吸い込んでいく。

切り刻んだ傷跡は、焼ききれて体液などは出ていない。

逆にこれ以外で切り付けていたら、体液を被って毒に冒されていただろう。

「しかし、あれだけ攻撃して、まだ2割程度のダメージとか、随分と面倒な敵だな。」

自分のステータスを確認しつつ、このままではMP回復が追い付かず、

いずれ毒ガスを浴びるか倒す方が早いかギリギリのところのように思える。

「テレポート!」

一旦、アンジェとマリアのいる所まで後退する。

「アーくん?大丈夫?」

「ちょっと、周囲の警戒をよろしく。」

そう言って、メニュー画面を開く。

「確か、スキルの所に新しいのが出てた気がするんだが・・・。あった。」

そして、そのスキルを1000ポイント消費してLv5まで取る。

「よし、これで一気にケリをつけてやる。」

ドラゴンゾンビの方を向くと、俺がいない事が分かったのか、

ウインドストームを無効化させてしまっていた。

そして、ゴーレムとガーゴイル相手にその巨体を暴れさせていた。

その光景を見ながら、少し休んでおく。

こちらもMPが多少回復してきている。

最後のゴーレムが倒されて、ドラゴンゾンビの周囲に敵がいなくなると

ドラゴンゾンビは砦の方へ向き直って、その巨体を動かし始めた。

「テレポート!」

今度は、ドラゴンゾンビの近くの上空に飛んだのだが、

目測距離を多少誤ったのか、少し手前に現れてしまった。

ドラゴンゾンビはまだ、こちらに気づいていない。

「ウインドストーム!」

今度は単発のウインドストームをドラゴンゾンビの奥に設置する。

それを見たドラゴンゾンビが一鳴きすると

再び消滅させようと尻尾で攻撃をしようとした。

尻尾で攻撃しようとしたことで、ドラゴンゾンビは

俺が高速で飛んでくるのに気が付くことになった。

しかし、すでに目前まで近づかれた事で慌てたドラゴンゾンビは

()()る格好となってしまった。

「剣技、光速剣・六連斬!」

一瞬にして、雷神剣で六連撃、ミスリルショートソードで六連撃、

計12連撃を見舞う。

ドラゴンゾンビの腹部は一瞬にして(えぐ)れていた。

仰け反った格好と剣技のダメージでドラゴンゾンビは

後ろにひっくり返る様に倒れ込んだ。

一瞬ステータスを確認する。

ドラゴンゾンビはそれでも死なずに再び立ち上がろうとしていた。

「これでも死なないのかよ。」

いや、アンデッドだから死んでいるのだが。

心の中で一瞬馬鹿なツッコミが頭に過ぎったが、

再び止めを刺すために切りつける。

「はあああ、光速剣・六連斬!」

ドラゴンゾンビは、起き上がることなく、その場で倒れた。

そして、ドラゴンゾンビは煙に巻かれるように消えていき、

そこには大きな魔石が残されていた。

周囲のモンスターはその光景を目撃し、我先に逃げ出していった。

「はあー。」

大きく息を吐きだした。

周囲には誰もおらず、ドラゴンゾンビを単独で倒した相手に

挑もうとする愚か者はいなかった。

あまりの脱力感に空を仰ぎ見る。

「二回のスキル発動でHPが200も持ってかれた。」

俺のHPは攻撃を喰らったわけでもないのに半分近くまで減っていた。

「ヒーリングライト!」

自分に回復魔法を掛ける。

しかし、HPは自動回復しているだけで、魔法ではHPが回復しなかった。

「そっか、怪我してるわけでもないし、ヒーリングライトじゃ、回復しないのか。それにしても、この脱力感はヤバいな。1回だったら、何とかなるかな?」

遠くでは、あまり耳に入ってこないが、歓声が沸き起こっているようだった。

周囲には魔石にならずに残っている死体も所々に転がっていた。

召喚以外のモンスターも混ざっていたようだ。

今、HPは8秒に1ポイント回復している。

「HP自動回復もレベルMAXまであげないといけないな。」


「アーくーん。」

遠くからアンジェとマリアの声が聞こえてくる。

ゆっくりとそちらを向くと、アンジェとマリアが走ってきているのが見えた。

「ああ、2人とも無事か。良かった。」

サーベルタイガーの姿が見えないという事は、

サーベルタイガーも全部やられてしまったのかもしれない。


「アーくん。」

ガシッと抱き着いてくるアンジェにいつもならば問題ないのだが、

今だ脱力感が抜けきらないからか、

思わずそのまま尻もちをついてしまい、

アンジェはそのまま俺を押し倒すような格好となってしまった。

「アーくん、大丈夫?怪我は?」

そう言って、アンジェは俺の体を撫でるように触ってきた。

遅れてマリアもやってくる。

「大丈夫だよ。怪我はない。ちょっと疲れただけだから。」

そう言って、頭に手を乗せ、落ち着かせる。

「マリアもお疲れ。」

「もう、あんまり無茶は駄目なんだからね。」

「そうだね。」

少しだけ脱力感が抜けてきた。

「それにしても、あのドラゴンは初めて見ましたわ。」

マリアは転がっている大きな魔石を見ながら言った。

「あれは、ドラゴンゾンビだよ。」

「ドラゴンのゾンビ?」

「ああ、体力は半端ないし、魔法も半分は無効化してくる。厄介なモンスターだよ。」

「あんなものまで帝国は従えているのかしら。」

「従えていると言うか、召喚したんだろう。だけど、あんな高レベルなモンスターを召喚できるやつがいる方が恐ろしいよ。」

今の俺のレベルでは、ドラゴンゾンビの召喚なんて

素材が揃っていても無理だ。

「高位魔族でもいるのかしら。」

高位の魔族と言わず、帝国には異界の神が付いているとユミコが言っていた。

多分というかむしろその神の仕業と見るべきだと思う。

「それよりも、いつまでもこんな所にいてもしょうがないよな。ある程度魔石を回収したら、砦に戻ろうか。」

「そうね。そうしましょう。」


その後、砦から出てきた兵士や冒険者によって、

仲間の死体や魔石の回収が為された。

魔石にならなかった魔物と言ってもゴブリンがほとんどだが、

魔石以外はすべて焼却されていった。

放置しておくとアンデッドになったり、病気が流行ったりするので、

後始末は大変だ。


砦に戻る途中、すれ違う兵士や冒険者から感謝の声を掛けられた。

中には文句を言いかける者もいたが、

俺がアンジェやマリアに助けられながらヨタヨタ歩く姿を見て

言葉を飲み込んでいるようだった。

そんな中、砦から見知った顔もやってきた。

「アルス殿、お見事でした。」

そう言ったのはドリス隊長だった。

そこにはバッシュ司令官を始めブレン法国司令官と

主だった幹部が揃っていた。

「この度は、感謝してもしきれません。」

そう言ったのはブレン司令官だ。

「ボロボロじゃないか。砦で先に休んでいてくれ。後始末はこちらでやっておく。」

そう言って、バッシュ司令官は、手を振ると、

近くにいる隊長クラスの人間に指示を出して後始末に入っていった。


砦に着くころには倦怠感(けんたいかん)も無くなり、ようやく落ち着くことができた。

その後、戻ってきたバッシュ司令官と面談したり、

祝勝会とバタバタしている内に夜も深まってきていた。

そして、ようやく解放されて自室にあてがわれている部屋に戻ってきた。

「やっと落ち着きましたね。」

マリアは、お茶を差し出しながら言った。

「ありがとう。」

出されたお茶を啜りながら、明日の予定を考えていた。

明日は、バッシュ司令官と面談があり、

そこで今回の報酬などが話し合われることになっている。

アンジェとマリアはそんな俺を見ながら、

2人で見つめ合った後、お互い頷き、意を決したかのように声を出した。

「アーくん」

「なあに?」

「わたし達をお嫁さんにして欲しいの。」

「んあっ?ゲホゲホ・・・」

飲み込もうとしたお茶が変な所に入り、思わず咳き込む。

「え?なんだって?」

「わたし達と結婚して欲しいの。」

アンジェとマリアは真剣な眼差しでこちらを見ている。

さて、これは一体どういう事だろう。

誰が?誰と?なんで?それにわたし達?

そう思いながら、顔に熱が帯びてくるのが分かる。

あー、もしかしたら、今俺って顔真っ赤じゃないかな?

そんな埒もない事に思考が言っているのは混乱しているからかもしれない。

「えーと・・・・」

言葉が出ない。何を聞けばいいのか。

「わたし達って?」

取り敢えず出た言葉がこれだ。

「もちろん、アンジェとわたしよ。」

マリアはそう答えた。

いや、そうだろうけど、聞きたいのはそうじゃなくって、訊き方が悪かった。

少し冷静になろう。

スー、ハー。大きく深呼吸する。

「えーと、結婚って普通2人でするもんだよね。わたし達って3人でって事?」

「そうよ。わたし達3人で結婚したいの。」

アンジェはハッキリとそう答えた。

「もしかして、アーくんは結婚って男女2人でするものだと思ってた?」

「いや、普通そうでしょ。」

「あー、そっか。アーくんのいた所って結婚は2人だけでするのが普通なのね。でもこっちではお互い了解があれば何人とも結婚できるのよ。王様なんか何人も結婚しているのが普通なくらいよ。」

「いや、それは王様だからじゃないの?王位継承問題とかあるからであって、一般人が重婚してるなんて今まで聞いた事ないよ。」

「結構いるわよ。貴族以外にも商人なんかも複数と結婚している人はいるわ。」

へーって、何納得してるんだよ。

「まあ、そういう人がいるのは、理解したよ。それで、何で急に結婚しようなんて思ったの?」

そう、急すぎる。

初めて会ったのはこの世界に来てからひと月ほど経った頃だったと思う。

パーティを組みだしたのは最近の事だ。

いくら何でも早すぎると思うのは俺だけだろうか。

それに俺の年齢って12才だぞ。中身は違うけど。

「ちょっと確認するけど、俺12才だよ。」

「そうね。問題ないわ。」

バッサリと来ましたね、マリアさん。

「俺が2人も養っていけると思ってる?」

「わたし達はパーティを組んでるんだもん。3人で協力していけば問題ないわよ。」

そうですか。

「わたし達じゃ、嫌?」

アンジェが涙ぐみながら訊ねてきた。

駄目だ。それは駄目。

そんな顔されたら承諾以外選択肢がないじゃないか。

「いや・・・、違う、その嫌じゃなくって、嫌いのいやじゃなくって。あーもー。一つだけ確認させて。何で今なの?」

「・・・」

「・・・・・」

「・・・・・・・」

え?何で、そこでダンマリ?

「アンジェ、もう全部話そう。」

マリアはアンジェに向かって言った。

アンジェは、コクリと頷いた。

「じゃあ、私から説明するわ。」

マリアが、話し始めた。

「まずは、これを見て欲しいの。」

そう言って、アンジェとマリアは同じ形をしたペンダントを出した。

アンジェの出したペンダントには「1」の文字が、

マリアの出したペンダントには「2」の数字が浮かび上がっていた。

「アーくん。ちょっと、触って見て。」

そう言ってマリアはペンダントを渡してきた。

受け取ったペンダントを見ると先程浮かび上がっていた文字が消えていた。

「文字が消えてる。」

アンジェの持っているペンダントには、まだ数字が浮かび上がっている。

「ペンダントをこっちにくれる?」

マリアがペンダントを受け取ると再び文字が浮かび上がってきた。

「このペンダントは王族の証。そして浮かび上がっているのは、王位継承権の順位。つまり、アンジェは今王位継承権の最高位という事なの。」

ああ、2人とも王族だったのか。

「2人が王族だっていうのは分かった。つまり2人は姉妹だったって事?」

「姉妹だけど、母親は違うわ。アンジェは第3妃の子でわたしは第5妃の子よ。」

「へ、へー、5人もお妃様がいたんだ。」

「いえ、第10妃までいたわ。第10妃はわたし達より年下でしたけど。」

「そ、そうなんだ。」

10人も妃がいるなんてどこの大国ですか?

「わたし達の国は実は歴史は古いのですが、度重なる戦争や内乱など様々な歴史の中で弱小国にまで成り下がりました。」

「その国って?」

「十三連合国の中のパルーア市国です。最盛期の時は十三連合国や法国の一部、帝国の一部まであったそうです。随分古い話ですけど。」

「うん。それで。」

「元々、アンジェは王位継承権第7位でわたしは第10位。第10位は王位継承権の最低ランクですけど。それ以外は継承権のない王族となります。王位継承権第10位まではこのペンダントを肌身離さず持つ事が義務付けられていましたので、仮に半ば出奔した形のわたし達にも所持が義務付けられていました。余程の事が無い限り、継承は第3位くらいまでしか意味のない物でしたが

先日、アンジェのペンダントが第1位となり、わたしのペンダントも第2位となりました。」

「つまり、その時までは、王位継承権者が生きていたという事だよね。」

「そうなります。このペンダントはある意味呪物です。第3王位継承権者は国を3年以上国土から離れる事は出来なくなります。もし、3年以上離れたままの場合、死にます。」

「マジかよ。・・・それを解呪する方法は?」

「・・・ありません。解呪を試みようとした場合、解呪しようとした者は死にます。だから、アーくんも決して解呪しようとしないで下さい。」

「わかった。」

「話を戻しますね。アンジェとわたしは、あと2か月で通算3年離れている事になります。つまり、このままでは、あと2ヶ月で死んでしまいます。ですが、1つだけ王位継承権を無くす方法があるのです。それは、嫁入りする事です。外の家に嫁げば当然、王位継承権は下位のものに移っていきます。実は、今、このペンダントがアンジェの所に5つあるのです。」

「5つ?」

「はい。このペンダントは所有者が死んだ場合、王位に()いている者か継承権の最上位の者に勝手に届くようになっているのです。そのペンダントが5つあるという事は残り3つのペンダントを誰かが所有している証拠となるのです。もし今、わたし達がどこかの家に入ればこのペンダントは次の最上位の継承者へと移っていきます。」

「なるほど、やっと分かった。つまり、2人は今後2つの選択権が与えられているという事だね。1つは国に戻って王位を継承する。2つ目は結婚して別の家の者になるということだね。」

「はい。そうです。」

「例えば、一旦国に戻ってから、そこでゆっくりと考えるという選択は無いの?」

「ありません。私はともかく、アンジェは現在第1位。国に戻った瞬間に王位を継承したとみなされてしまいます。そうなっては次の継承者に王位を譲るまで国から出る事も敵わなくなります。王が国から出られる条件として継承権者を2人以上を供に連れて行く事。神事長官に襲名した者の特殊な魔法を一定期間かけ続けてもらう事、以外はなくなります。」

「わかった。・・・例えば、アンジェが王になって、国を復興させて、それで好きな人と結婚するって方向では考えなかったの?」

マリアはアンジェをチラリと見て言い放った。

「正直、国なんてどうでもいいんです。それだけの仕打ちを受けてきたのですから。」

アンジェは過去を思い出したくもないと言いたげな表情を見せていた。

マリアも同様であったが。

「わたし達にとって故国でのいい思い出なんか1つもありません。それどころか辛い思い出ばかりです。」

「わたし達は、この2年間ずっと探していたのです。わたし達を救ってくれる人を。そして見つけました身も心も捧げてもいいと思える人に。アーくん、いえ、アルス様、どうかわたし達を救ってください。わたしもアンジェもアルス様に身も心も捧げたいと思っています。どうか。」

マリアは手を組み、祈るように目を瞑った。

そしてアンジェも同じようにしている。

俺はどうすべきだろう。2人の境遇には同情を禁じ得ない。

多分2人とも王家の中で虐めぬかれて来たのだろう。

この2年もの間、冒険者をしながら結婚に値する人を探していたのだろう。

それは分かる。

だが、本当に良いのか。

時間が迫ってきている中で焦りから出た結論ではないのか。

そんな事はどうでもいい。

それよりも、俺は2人を幸せにしてあげられるのか。

異世界人であるこの俺が。しかも中身はただのおっさんだぞ。

責任持てるのか、俺?

前世では1人でも二の足ふんでた俺が2人と結婚なんて大丈夫なのか?

俺の考えを知ってか知らずかアンジェは口を開いた。

「アーくん、わたしはアーくんと一緒にいられれば、それだけで幸せです。」

「わたしもアーくんなら一生添い遂げられます。」

マリアも顔を赤くして言ってきた。

ズッキューン。

ここまで言われて、覚悟を決めろ、俺。

「わかった。結婚しよう。アンジェ、マリア、2人とも幸せにする。」

その言葉に2人は(せき)を切ったように立ち上がり、抱きついてきた。

そして2人はまるで子供のように泣きじゃくっていた。


2人が泣きじゃくってベッドで寝ている。

当然の如く、俺が真ん中なのだが、本当に良かったのか。

まあでも、この気持ちは大切にしていこう。

そう思いながら、何気にステータスの画面を見る。

称号の中に新しい称号が出てきた。

「王女達の婚約者」

なんでしょう、ツッコミどころ満載なような気もしないではない。

それとレベルも上がっていた。これでLv24となった。

細かい事は明日にしよう。

隣でスヤスヤと眠っている2人を見て、

頑張らないとなと思う気持ちが溢れてきた。

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