表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルスの異世界日記  作者: 藤の樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/276

47日目 子爵家へ再訪

●47日目(グリウス歴863年6月19日)

昨日のベッドはフカフカで最高だった。

掛け布団なんかたぶん羽毛だよ。

やっぱり貴族と平民では格差が大きいなぁ。

城からようやく解放されて王都を歩きながらフカフカを思い出していた。

そうだ。せっかく王都に来たんだから、シュラ―子爵(ししゃく)挨拶(あいさつ)に行こう。

ベスティア嬢も元気になっているか気になってたし。


ということで、シュラ―子爵家に来た。

扉をノックして(しばら)く待つ。すると前と同じメイドさんが出てきた。

「あ、あなた様はアルス様ですよね。ようこそ、いらっしゃいました。どうぞ中へ。」

そう言って入り口のホールに通された。

メイドは少々お待ちくださいと言って、(あわ)てて2階行った。

すると2階からバタバタと出てきたのは、シュラ―子爵だった。

「アルス君じゃないか。よく来てくれた。ささ、奥へ来てくれ。ベスティアも喜ぶ。」

そう言って、奥へ(まね)かれた。

子爵の様子から見ると、どうやらベスティアは元気なようだ。


「こんなに早く再会できると思わなかったよ。」

「ええ、たまたまこちらに来る用事が出来まして、昨日の夜、王都に着いたんですよ。それでベスティア嬢は元気になったか気になりまして寄らせてもらいました。」

「ああ、おかげで徐々(じょじょ)に元気になりつつある。今は歩く練習をしている。もう少しだけ待って(もら)えるか。」

「構いませんよ。今日は特に予定もありませんので。」

「いつ戻る予定なのかな。」

「いえ、今回はちょっとした用で南にあるという古い教会に行く事になったのです。特に期限もないですし急ぎではないんですが。」

「南の古い教会?どの辺りなんだね。」

「それが詳しくは分からないので、ギルドで調べてから向かおうと思っています。」

「そうか、なら少し待っててくれ」

と言って部屋を出る。少しすると1冊の本を持って戻ってきた。

「これは、ベスティアの時に何か参考になるかと思い買った本なのだが、教会の場所が記されている本なんだ。良ければ貸そうか。」

「それは助かります。ギルドの資料室に閉じこもる予定でしたので。」

「それは良かった。それよりも、最近は物騒(ぶっそう)になっているから南へ行くなら十分注意しておいた方がいいぞ。」

「物騒とは?」

「つい先日の事だ。ある貴族が上級貴族の領地内で犯罪(まが)いの事をやらかして、お家を取り(つぶ)されたのだ。まあ、元々悪い(うわさ)はあったのだが、先代から色々なことを融通(ゆうづう)されている貴族が多かったために中々表沙汰(おもてざた)にならなかったらしい。ただ、その当主は、処分を受ける前に逃走していて、まだ捕まっていないとの事だ。それで、今かなりの人数で捜索していると聞いている。」

それって、やはりあれか?

「もしかしてその貴族というのはフェーゲル準男爵家(じゅんだんしゃくけ)じゃないですか?」

と確認する。

「おや、もしかして知っていたのか。そう、そのフェーゲル準男爵がランゴバルド辺境伯の領地で何やらやってしまったらしい。」

随分(ずいぶん)と対応が早いな。というか早すぎないか。まだ4日前の話だぞ。

たかだかと言っては何だが、平民の拉致(らち)事件で・・・

いや、拉致事件だけではありえないな。

元々予定していた所に、都合の良い話に乗ったのだろう。

ただその裏は何だろう。

準男爵家の資産狙いか、

それとも準男爵にいい様に使われたプライドの問題か。

何にしても俺も1枚()んでいる事には違いない。気を付けるべきだろう。

「何か気になる事でもあったかい。」

あまりにも長い時間考えていたのかもしれない。

「いえ、ランゴバルドで、小耳にはさんでいた内容だったので、少し考えてしまいました。」

コンコン。扉を叩く音がして、子爵は入るよう(うなが)した。

「ご歓談(かんだん)の所、失礼します、旦那様。お嬢様の訓練が終わりましたので、そのご報告です。」

「そうか、終わったか。ではアルス君、参ろうか。」


ベスティアの部屋まで来た。

「お父様、今日は、昨日よりも歩けたのですわ。」

「そうか、頑張ったな。そんな頑張ったベスティアにお客様を連れてきたぞ。入ってくれたまえ。」

「こんにちは、ベスティア嬢。」と挨拶をしながら部屋に入る。

「まあ、アルス様。この間は何も言わずに帰られるなんて(ひど)いですわ。でも来て頂いて(うれ)しい。アルス様にはお礼も申し上げておりませんでしたもの。」

そう言って、ベスティアは、お(いの)りするかのように手を組んでいた。

シュラ―子爵と俺が椅子(いす)に座る。

「アルス様。また、何かお話を聞かせて頂けませんか。」

「そうですね。1つだけあるのですが、ランゴバルドを襲ったモンスターの群れと冒険者たちの戦いという話があるのですが、ベスティア嬢が、もう少し元気になられてからにしましょうか。この間みたいに熱が出てしまうと困ってしまいますので。」

「あら、もう熱など出しませんことよ。」

「でも、今日は訓練をされたと(うかが)ってます。今は元気になられるようにした方が良いでしょう。お話は別に逃げませんから、次の機会に致しましょう。」

「えー。」

少し不満そうだったが、訓練のせいで少し疲れもみえるのは間違いない。

「また、近々寄らせてもらいますので、今日はもうゆっくりとお休みになって下さい。」

そう言って子爵と目配せして、ベスティアの部屋を出た。

「だいぶ元気になったみたいですね。」

「ああ、まだ体力は戻らないが、少しずつ頑張るしかないな。」

「では、本は明日にでも返しに参りますので、本日はここでお(いとま)させていただきます。」

「ああ、もし、必要なら明日でなくても構わんぞ。当面使う事のない本だしな。」

2人で玄関まで歩きながら話をする。

「それでは失礼いたします。」

「ああ、またな。」

そう言って、子爵邸を後にした。


この後ギルドに寄って調べものをする予定だったが、

子爵から有用そうな本が借りられた。

さて、どこで読もうか。まだ宿屋には入れない時間だ。

午後になれば、チェックインできると思うが、まだ早い。

仕方ない。当初予定していたギルドで食事をしながら読むとするか。


ギルドの食事スペースでなるべく(はし)に座り、

サンドウイッチのようなものと飲み物を注文し、本を読む。

この本には、国内の教会一覧とそれぞれの教会の成り立ちや

役割などが記されている。

一応、本を汚すような事はしたくないので、

きれいな布を水で()らして固く(しぼ)る。所謂(いわゆる)お手()きを用意した。

読み始めてから、地域の名称を知らない事に気づいた。

しかし、王都を基準に王都から東へ5日行った・・・等と

書かれているので非常に助かった。

それで、読み進めていくと、王都の南にある古い教会に

該当しそうなものは2つある。

一つは最南端の港町にある教会。

もう一つは(みさき)に立っている教会だ。

港町の教会は結構大きいようで、

主に船乗りたちの安全祈願などで利用されているようだ。

逆に岬の教会は古いらしいが、実際いつ何のために立てられたのか不明で、

今は少数の人員で維持されているらしい。

周辺には村もないのでかなり辺鄙(へんぴ)な場所と記されている。

どちらも王都の南に位置するが、()いて言えば王都の南に岬の教会、

王都東のダンジョンの南に港町の教会といった感じだ。

という理由から岬の教会へ行き、

違う場合は、そのまま港町の教会へ向かう事にした。


そうと決まれば、とりあえず買い物だ。

なんだかんだ言って、結構長く買ったロープはほとんど使い切っている。

食料はそれほど減っていないが、果物が少し余分に欲しいところだ。

リリーがほとんどを食べているので、切らすわけにはいかない。

出店を回ったり、雑貨屋を回ったりして、買いそろえていく。

金貨2枚程使った。


宿屋へ行き、宿を確保する。やはり王都の宿屋は少し高い。

岬の教会までは歩いてギリギリ1日で着くと思われる。

明日は早めに出て、本を返して、そのまま向かう事に決めた。


宿屋でリリーと遊んでいてリリーが透明になっている時に、

ふとリリーがずっと透明でいたら一緒に旅できるんじゃないかと

思ったのだが、やはりそれは駄目だと思われる。

リリーの好奇心は半端(はんぱ)ない。異空間収納に自分から飛び込むくらいだ。

仮に透明化して連れて歩いたら、気づいた時にはどこにいるのか

分からなくなっているのが目に見える。

そしてリリーも適当な所があるからその内、会えると考えて

探そうともしないかもしれない。

モンスターではないが便宜上(べんぎじょう)

テイムモンスターが主人の言う事きかないとかあるのか。

テイムレベルを上げれば解決するのか?

でもこの鑑定の説明だとレベルを上げても最大テイム数が上がるのと、

レベル上限が上がるだけっぽいしなぁ。

それ程SP使わないから試しにLv3まで上げてみるか。

テイムスキルをLv2にした時点でLv3の鑑定をした結果、

テイムモンスターとのMP共有スキルが付く事が分かった。

Lv3にするとLv4では何も付かない。

Lv4にして、Lv5を鑑定したら

テイムモンスターを感知できるスキルが付くことがわかった。

なので、Lv5を取得する。

だけど、いいのか俺?

こんなのでSP660も使ってしまった。まあいっか。明日が楽しみだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
リリーがどっか行って居なくなるならそれはそれで良いんじゃないか?元は成り行きだし絶対一緒にいなきゃならない訳じゃないでしょ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ