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137日目  夜空に浮かぶ大火

●137日目(グリウス歴863年9月24日)


深夜の街中はシンと静まり返っている。

時折、遠くで深夜番の見張りが立てる物音が聞こえるくらいだ。

「まずは、索敵を強化するかな。」

ディテクトエネミー、ディテクトマジック、ディテクトエビルなどの

発見系魔法をかけていく。

スキルの索敵も行うが、特に不審なものは見つからない。

プロテクション系の魔法やダークビジョンの魔法もかけておいた。

とりあえず、街の中をプラプラと歩き回る。

歩いているのは街の北側になる。毒に掛かった人の行動を調べた結果、

比較的北側にいた事が判明している。

1時間ほど歩いていくと街の外縁部まで来てしまった。

「うーん、特に変わった事はないなぁ。他の場所に行ってみるか?」

ちょうどその時、プロテクション系の魔法効果が切れたのが感じられた。

再び魔法をかけ直そうとしたとき、リリーが首を傾げた。

「あるすー、なんかへんなかんじがするよー。」

「変な感じ?」

聞き返しながら、異変が無いかチェックしたが

索敵にもディテクト系の魔法にも特に感知したものはない。

「からだがひりひりするー。」

まさか毒?そう思ってすぐにリリーを鑑定してステータスを確認する。

しかし、ステータスには異常はない。

あれか?よくある危険感知とかそうったものか?

でもリリーにそんなスキルもないし、どういうことだ?

「あっちからいやなくうきがながれてくる・・・」

リリーが指すのは北の方だ。

相変わらず索敵には何も反応はない。

「まだヒリヒリする?」

「うん。」

よく判らないが、リリーにもプロテクション系の魔法をかけておく。

「あっ、ひりひりしなくなったー。」

やっぱり、これは毒かもしれない。直前に掛けたのは毒から守る魔法だ。

「リリー、北の方に行くよ。」

フライの魔法をかけると、リリーが懐に潜りこんだ。

ふわりと浮かんで、北の方に飛んでいく。

ダークビジョンの魔法がかかっていても

昼間ほどの視界は得られないのが残念だが注意深く周囲を見ていく。

「ん?」

前方にある月の一角を横切るように何かの影が飛んでいっている。

「何だあれは?」

影の正体を確かめるべく、高速でそちらに向かう。

鳥?いや虫か。近づくにつれシルエットがはっきりしてくる。

蛾の群れのようだ。

索敵範囲に入った瞬間にその中の1匹を索敵マップ内で鑑定する。

ジャイアントポイズンモス Lv1

モンスター自体は凄く弱そうだ。

だが、数が多く、ざっと見積もっても100は下らないだろう。

それにあのモンスターが飛んでいる後には煙のようなものが出ている。

近づくにつれ、その煙のようなものは黄色みがかった色をしていた。

直接鑑定が出来そうな距離まで来たので煙のようなものを鑑定する。

毒の鱗粉。

なるほど、これで合点がいった。

この鱗粉が街の方に流れていって毒にかかった者が出たという事か。

近づくのをやめ、腕を組みながら考え込んだ。

この辺りではいつもの事なのだろうか。いや、そんな事はないはずだ。

定期的に毒が発生する所に街を作るとは考えにくい。

そうなると予想できるのは帝国方面からやってきたという事になるのだろう。

まあ、何にしてもこのまま放置はマズいだろう。

まずは鱗粉をどうするかだけど・・・、燃やすか。

「ファイヤーボール!」

火球が鱗粉の方に向かって飛んでいくが、突然、周囲に炎が拡がる。

「やばっ」

急いで後方に退く。

周囲に拡散していた鱗粉に着火してまるで油に引火したように炎が拡がる。

ファイヤーボールが破裂し、更に燃え広がっていく。

炎はそのままジャイアントポイズンモスへ迫っていき、

ジャイアントポイズンモスを巻き込んでいく。

「空が燃えている・・・」

あまりの事に呆然としてしまった。

100体以上いたジャイアントポイズンモスは一瞬にして火に包まれ、

燃えながら墜落していく。

かなり上空高い所を飛行していたので、

燃えながら落ちていくジャイアントポイズンモスのかなりの数が

燃え尽きていくが、半数以上が燃えながら地面へ落ちていく。

「火事にならないよね。」

あまりの事に思わず独り言を呟いてしまう。

墜ちていった場所は草原地帯に見えた。

これはちょっとまずいかな。

墜ちた場所の火が消えそうにない。

この時期、草原と言えども乾燥していて枯草もそこそこある。

急いで、ジャイアントポイズンモスの墜ちた地点へ向かう。

「ウォーターキャノンディフース!」

10本の水流を燃え始めている草原に放水する。

そこかしこで燃えている場所を消して回る羽目になった。

完全に燃え広がる前に対処できたので、1時間程で鎮火させることが出来た。

暗くてよく分からないが、多分そこら中に燃えた後が出来ている事だろう。


それよりもさっきのジャイアントポイズンモスのレベルが全部Lv1だった。

つまり、生まれたばかり、もしくは羽化したばかりなのかもしれない。

どこかにジャイアントポイズンモスの生息地があるのかもしれない。

連日来られても被害が増えるだけだし、

飛んできた方へ探る必要がありそうだ。


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