13日目 物資補給とテイマーについて
●13日目(グリウス歴863年5月15日)
「リリーは人間の街は見たことがあるのかい」
ピクシーは好奇心旺盛で興味があると危険を顧みず、行動してしまう。
「ないよー。」相変わらずひらひら飛んで室内を物色している。
正直、このまま連れて歩くわけにはいかない。
「リリー。異空間収納の中にいるときは、どんな感じ?」
「うーん。わかんない。入ったと思ったらすぐ出てきたから。」
なるほど、時間は止まっているから意識もないのか。
「入るのは嫌?」
「どっちでもいいよー。」
入っているという意識がないのかもしれない。
「じゃあ、また入ってもらうよ。」と言って、
異空間収納に入ってもらう事にした。
階下に行き、今日と明日分の宿代を支払ってしまう。
そのまま、冒険者ギルドまで行き、ピクシーについて調べる。
しかし、おおよそ知っている内容しかない。
人間の前に姿を見せないので、ほとんど謎のままである。
次にテイムについて調べる。テイムを習得している職をテイマーと呼ぶ。
テイムは魔物や動物を使役するスキルである。
テイムをする場合相手のレベルと比べて
テイム側のレベルとスキルレベルの合計以下でないと成功しない。
従って、基本的に自分より弱いものとなる。
テイマーの仕事は主に荷運びが主である。
昔、戦時中に伝令の役を期待されたが、
距離が離れるとテイマーとの意思疎通が困難になるため役に立たなかった。
戦闘の代わりも期待されたが、基本的にテイマー自身のレベルより低い為、
期待度は低い。
テイムの数もテイマーレベルとテイムスキルの合計に対して
テイムしたモンスターレベルの合計以上は
テイムできない事も分かっているようだ。
テイマー自身が戦闘に不向きなので、自身のレベルが低い事も影響している。
テイムされたモンスターがレベルアップする事も確認されている。
ただし、テイマーのレベルを超えてレベルアップしたという記録はない。
また、意思疎通ではなく会話可能な種族のテイムは確認されていない。
過去、ドラゴンの卵をふ化させた瞬間に
テイムさせようとした試みがあったが、どれも失敗に終わっている。
その時のテイマーのレベルは20。テイマーとしては破格のレベルである。
どうやってレベルを上げたかというと、莫大な金額を使ってスクロールや
マジックアイテムでレベルを上げたと記録されている。
あまり有用なスキルではない為、先天的に得られたもの以外
習得しようとするものはほとんど見受けられないと資料にあった。
それと、テイムモンスターの解除については書かれていなかった。
今回のテイムについてはこの世界で分かっているテイムの内容と
少々食い違っているように思える。
昨日、ピクシーのスキルを確認したら、姿隠し+気配遮断、飛行、
固有魔法 眠り、魅了、混乱となっていた。
つまり、昨日索敵にチラチラ現れていたのは、
魔法をかけられまくっていたという事だろう。
こうなると魔力鑑定も取る必要があるかもしれない。
今日でギルド内にある資料については、ほぼ目を通す事が出来た。
これ以上はここでは、分かる事は無いだろう。
もっと大きな図書館なり、専門の人から話を聞くくらいになるだろう。
今日は少し買い物をしておこう。異空間収納に時間停止がついたおかげで、
食料品など抱え込むことができる。
しかも次のランクに上げれば収納量は無限になる。
パン、果物、野菜、チーズ、塩、ブロック肉、調味料(乾燥ハーブ)、
干物(出汁用)、皿(盛り用、スープ用)、スプーン、フォーク、包丁、
まな板、鍋、フライパン、金網、植物油など
金貨7枚分で1か月以上、野営できる量である。
それと、魔法の発動体である杖。杖にはスタッフ、ワンドがあり、
スタッフはこん棒としての役割も兼ねている。
ワンドは20~30cmの短い棒で戦闘力は皆無である。
利点としては持ち運びに便利というところだろうか。
発動体としての能力は変わらない。なので、ワンドを選択。
これが金貨10枚もする。
一人で野営する場合は地面よりも木の上の方が安全だ。
木に紐かロープで体を固定して寝るのが良いだろう。
フード付きマント、ロープ、紐、ランタンを買う。
あとは靴の予備や多少見栄えの良い服も欲しいところだ。
結局、色々と購入した結果、更に金貨5枚程消費した。
今日は大量出費だったので、そろそろ依頼を受けて金を稼がないといけない。
明日は早めに冒険者ギルドに行って、仕事の依頼を受けよう。




