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ロスト・OZYOU

今日で4月が終わりますね。

4月で終わる予定だった令嬢と誘拐犯ですが、書くのがかなり楽しいのでもう少し続きます。


「手当してあげたんだからお礼くらい言ったらどうなの?」


腰に手を当ててハーネスに注意すると、ハーネスは口をへの字にした。


「ただ、スカートの布を巻いただけだろ。しかも若干鼻水でしめってるヤツ」


「違うわよ!涙よ!女の子にそういうこといっちゃだめなのよ!」


ふん、なによなによ、折角このあたしが手当してあげたっていうのに。


「何で泣いてるんだよ。泣きたいのはこっちだっつーの」


ハーネスは、帰ってきてからそっけなかった。いや、前からそうだったかしら。

あたしを助けた時に怪我をしたからかしら。


「あのバイクとか拳銃は何よ。どこにあったのよ」


「バイクは、拳銃で脅して盗んだ。拳銃は、前に男たちに襲われそうになった時に持ち歩くことを決意して、腹に仕込んでおいたんだ」


「いつ仕入れたのよ」


「・・・お前を誘拐する計画を立てた時、裏商人から譲ってもらった」


ハーネスは傷が痛むのか、少し間を置いて答えた。


「はあ?まさかあんた、あたしを誘拐する為にお金全部使ったの?」


「ああ、誘拐をすれば後で倍以上の莫大な金が・・・入ってくるからな」


「バカなの?」


この誘拐犯は、どうやらあたしを誘拐することに本当に人生をかけていたらしい。


「少し、疲れた。静かにしてくれ」


「うん」


ハーネスは疲れたのかすうすう寝息を立てていた。


「しっかし、ハーネスにしてはいい度胸よね」


あたしは、寝ているハーネスに家にある布という布をかけて呟いた。


「わざわざあたしを助けにくるなんて」


まあ、わかってるけどね。あたしが商品だから助けたってことなんて。

でも、あたしはあなたが助けにきたあの時、心底ほっとしたのよ。

あたしは、決意を決めて立ち上がった。

実は、銃で撃たれたハーネスは扉の施錠どころじゃなかったようで扉の施錠はいつものように完全じゃなかった。


ババアに捕まっていたらこうして外に出る機会はなかったでしょうからね!

甘い、甘いわ。ハーネスのあんぽんたん。あたしに冷たい態度をとったこと後悔するといいわ。


あたしは、悪い笑顔を顔に浮かべ、扉の施錠をがちゃがちゃして扉を開けた。

ああ、自由に出られるって幸せだわ。じゃあね、ハーネス。


***

「はっ・・・」


目が覚めたら、ずしんと体が重くてオレは、金縛りにでもあったんじゃないかと思った。

冷静に体を見てみると、雑巾やらお嬢を拘束していた時の布までありとあらゆる布が上に乗っかっていた。


「嫌がらせかこの野郎」


そういって、部屋を見渡したが部屋には誰もいないし、返事もなかった。


「へ・・・?」


これは夢か?

タチの悪い悪夢だ。オレは、ゆっくり扉の方を確認した。

施錠が外れている?嘘だろ。

オレは、自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。


「お嬢・・・」


あれだけ大変な思いをして誘拐犯から連れ戻したっていうのに、まじかよ・・・。逃げられた?

肩の傷がずきずきとうずいて、涙があふれてきた。


「ああ、これはオレの落ち度だな。あのクソガキを助けたせいで、こんな目に。お金も失い、嫌がらせをされ、最後には逃げられちまった」


オレは、ふらりと眩暈がして、扉の前に膝をついた。狭い、7畳程のボロ屋。

お金はもうない。誘拐はもう無理だろう。

オレは・・・。


「ただいまー」

「!?」


「ちょっと、何してんのよ。こんなところでへたりこんで」


そこには、逃げたはずのお嬢がいた。

美しい金髪の髪を短く切り、綺麗なドレスを脱いで、安そうなボロ服と、ぺらぺらの靴を履いている。

そして、どこから盗んできたのか手には何かが入った袋を手にしている。

本日も読んでくださりありがとうございます。


ずっと正座して小説を書いていますので、足がたびたびしびれます。

今日、「左の足がしびれたので絶対に触らないでください」と挙手して足を休ませていたら、妹が犬と共に現れ、私の左足の周りで犬と一緒にダンスを踊り始めたので、妹にいつか復讐します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 心理学?で、犯人に共感しちゃう人がいるのよな
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