繰り出せ、夜の町
紅茶が好きです。スターバックスのように毎月違う紅茶のフレーバーの組み合わせたなんかおしゃれな飲み物がでてくる的なお店が家の近くにできたらなと思います。
「娼婦はいかがですかー、若いのによく仕込まれているドМの娼婦ですよー」
オレは、この状況をあえて利用した。
「んーんーんーーーーーー!!」
お嬢を見る男たちの目はどれも好機に満ちていた。
よし、これならすぐに売れ・・・。
そう思ったのもつかの間だった、すっとオレたちを横切った男たちが視界に入り、オレは咄嗟に椅子の後ろに隠れた。
そこには昼に出会った男とボディガードがいた。
「うっそだろ」
やばいやばいやばいやばい、どうしよう。
オレは、また椅子を盾にしていた。
「今日はとりあえず、あれだ、やめよう、うん」
オレは、そっとお嬢の乗った椅子を持ち上げると、目を丸くするギャラリーを無視してそそくさと逃げ帰った。
「はあーまじでふざけんなよな」
「こ、こっちのセリフでしょ」
オレは、なんとかボロ屋の自宅に帰ってきていた。
お嬢を地べたに座らせ、お嬢の座っていた椅子に自分の体を預けてぐったりしていると、お嬢はおもむろに、こてんと倒れた。
「なんだ、コイツ倒れてやがる」
疲れたんだろうなあ、なんてな。まあ仕方ない、明日食うにも困ってんだ。
さっさとコイツを売り払ってその金で楽して暮らすぞ。
「おい、そこで寝るなよ、邪魔なんだから」
声をかけたが、お嬢はぴくりともしない。
どうやら熟睡しているようだった。
「よく寝れるな、こんなほこりっぽい床でよォ」
ポケットに手を突っ込んで呆れたようにため息をついたオレは、令嬢を一瞥していつも敷いてるかび臭い布団の元へ向かおうとした。
だが、お嬢を一瞥したとき、気づいてしまった。
「なんか、お前様子がおかしくないか?」
オレは、お嬢の前にしゃがみこんで顔をよく観察する。
お嬢は、顔を真っ赤にしてふうふう息をしている。
「なんだよ、嘘だろ」
顔に触れると、とんでもなく熱かった。
「まじかよ・・・」
お嬢は、オレの独り言にも答えられないくらい消耗しきっていて、熱が出ていた。
「いやいやいや、冗談やめろってお前、今日あんなに元気だったじゃないか。演技やめろって」
・・・返事はない。
「このクソアマ・・・どれだけオレを困らせたら気がするんだ」
本日も読んでくださりありがとうございます。
小説が進まない時、鬱作品を調べるのが癖のようになっていて、小説が進まないたびに鬱作品に詳しくなっていくので、ここ3日はかなりの作品を知ることができました。
関係ないですが、ぼくらのという作品は面白いのでお勧めですよ。
1話完結であんな話を書いてみたいと思うこのごろです。