拾われた猫たち
小説を書くのが楽しすぎて夜更かしを繰り返していたら体調を崩してしまい日にちを開けてしまいました。
あそこで日にちを開けるわけにはとなんとかしようと思いましたが体力がなくて無理でした。
体力回復したのでこれからまた思い切りかけると思うと嬉しいですね。これからもよろしくお願いします
それからオレは、あの殺し屋のチームからできるだけ遠いところに行こうとできるだけ遠くに逃げた。交通費は、死ぬ為に少しとってあったのだ。
あいつらに死んだ姿を見られたくなかった。
死に場所を探して彷徨ったが死のうとすればする程、ルークの顔やあの地獄のような孤児院にいた子供たちの顔が浮かんだ。
オレは、楽に死んでいいのだろうか。
オレだけ、こんな風に楽に死んでいいのだろうか。
死とはオレにとって救済だった。辛いことを忘れて無になれる。ルークのところにいける。
でも、ルークを殺したオレがこんな風に楽に死んでいいのだろうか。
オレは、そんな自問自答を繰り返しながらただ、息をしていた。
お金がなく、公園で座っていたら雨が降ってきて、のら猫がオレの座っているベンチに雨宿りをしに来た。
「鳴くな、鬱陶しい」
ぽつりとつぶやいたオレに、
「猫は鳴くのが仕事だよ」
傘を差した魔女のような婆さんがオレを見下ろしていた。
「オレもとうとう魔女の幻覚まで見るようになったか」
「誰が魔女の幻覚だい」
婆さんは、腰に手をあてて不愉快そうな顔でオレを見下ろしている。
「邪魔だったんならどくよ」
ベンチで寝ていたオレが立ち上がると、
「あぁ、邪魔だね。さっさとどっか行きな」
しっしと婆さんは手を振った。
オレは久々にまともに人と話したな、なんて考えながらふらふらその場を立ち去った。
「ついてくんな、鬱陶しい」
雨も、猫の鳴き声も相変わらずうるさい。
猫はベンチから出てオレについてきていた。
雨に濡れながら、白い猫と黒い猫だ。成猫だが体は小さくやせ細っていて目つきが悪い。
オレを睨みつけているような目でオレについてくる。いや、オレを追ってくる。
「ついてくんな、ベンチの下にいろ」
振り返ると何故か婆さんもついてきていた。
「なんでついてくるんだよ」
「別に」
婆さんはそういってオレと猫についてくる。
「ついてくるなよ」
オレは、思わず腹に隠している銃に触れた。
不安な時、動揺した時、何かあればオレは銃に触れていた。
「あっ!」
後ろを振り返りながら走っていたから、オレは地面のぬかるみで滑って転んだ。
もう空腹で脳も回っていなかったし、イライラしておかしくなりそうだった。
仰向けになって雨が落ちてくる空を見上げていたら、猫がオレを睨みつけていた。
オレは、オレのしてきたことを責められているように感じて体が震えた。
「来るな・・・オレを見るな・・・オレを見るな」
「猫に怯えてバカみたいだねえ」
婆さんは、オレを見下ろしながら言った。
「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・」
オレの心臓はどくどくと脈打ち、息が苦しくなってきた。
泥だらけになって地面にうずくまっていると、婆さんはため息をついた。
「何があったか知らないけど、この子たちはあんたが心配みたいだ。、胸糞悪いが一緒に拾っていってやるよ」
「え?」
婆さんは、オレの両足をがしっと持つと、オレをずりずりひきずり始めた。
服がずり上がり背中が泥だらけになり気持ち悪いし、たまに小さい石が背中に当たってきていたい。
「ああああああああああ!!いたいいたいいたい!!ああああああ!!」
「うちはここのすぐ近くなんだ。今日は2匹も収穫だよ、嬉しいねえ」
***
それからオレは猫だらけの気持ち悪いマンションの一室で婆さんの手伝いをさせられた。
孤児院にいた時より仕事は楽だったが、婆さんはオレを顎でこきつかった。
その代わり、服やら食べ物やらを押し付けてきたのでオレは駄賃としてもらっていた。
「ドクソ猫!!ここの掃除ができていないよ!!」
「どうせこれから猫の毛が落ちていくんだからいいだろ!」
「そういう問題じゃないんだよ!!」
オレは、猫に対して何の感情も持ち合わせていなかったが、この猫部屋に来てから猫が大嫌いになった。猫の鳴き声を聞くだけで体が青紫色になりそうだ。
全部猫ババのせいだが、猫ババにオレは半監禁されて働かされているので家から出れない。
だがある日、そんなオレに転機が訪れた。
「患者の人間が人手が欲しいらしいんだけど、手伝いにいかないかい」
「・・・・・」
どうやら、猫ババの猫専門在宅猫病院に来た患者の一人がオレに仕事を紹介してくれるらしい。オレは、二つ返事で了承した。
働いてお金を稼いで、その金を猫ババに渡して、さっさとこんなところ出よう。
オレは、真剣にそう考えていた。
「よろしくお願いします」
そういって始まったのは飲食店の皿洗いだった。
人前に出る仕事じゃなくてよかったと心底安心した。
皿洗いなら孤児院でオレもやっていた、余裕だと思った。
・・・だが、オレは皿洗いの仕事を途中で投げ出した。
ずっと人殺しの仕事をしてきたオレは、皿洗いをしている時唐突に過去の仕事のことを思い出してきた。
初めて人を殺した記憶、拷問をしていた記憶、ルークの死。
「はあっ・・はあっ・・・はあっ・・」
流れる水、積み重なる皿、かちゃかちゃという食器の音、調理場で話す人々の会話。
それが全く聞こえなくなって、過去に自分がしてきたことがフラッシュバックしてきた。
殺せという声、血だまり、助けてと泣き叫ぶ声、銃声、孤児院での出来事。
冷汗が止まらなくなって、視界がぐにゃりと歪んできた。
がしゃんという音がして、人が集まってきた。
「大丈夫?」
「顔が真っ青ですよ」
「休んだ方がいいんじゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
色んな人がオレを心配している。
「だ、大丈夫です」
オレは、お腹に隠している銃に触れた。
この人たちは、見ず知らずのオレをこうして心配してくれている。
さぞ、幸せなところで生きてきたんだろうな。
心配してもらっているのに、そんな失礼なことを考えながらオレは割れた皿の破片を拾おうとした。
「ああ、だめだよ素手で触ったら」
その声は少し遅かった。
少しの痛みと、赤い鮮血。オレは、また過去のことを思い出して頭が真っ白になった。
***
「なんだい、だめだったのかい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
働くというから家賃を払うという条件で猫ババはオレに使っていない部屋を用意してくれた。元々物置にしようと思っていた部屋らしいが、全く物がない。
風呂と小さなキッチンと、トイレがある上等な部屋だ。真ん中にはソファとブランケットのようなものもあった。
「いらないからあげるよ、後から自分でそろえな」
そういってもらったのに。
オレはそれから何回か働こうとしたが、どこも過去のことを思い出して駄目だった。
銃を持っていることがバレたら怖がらせてしまうと思い持たなくなったが、銃を持っていないと不安でもあった。
そんなことが続いていた為、周りに迷惑をかけないようにといつしか職場を探すこともしなくなった。
でも、ただここにおいてもらうというのはよくないだろう。
家賃は工面しなくては。だが、そう考えればそう考える程オレは働くことが怖くなった。
猫ババからもらった就職祝いのお金でオレは椅子とロープを買った。
オレは昔のように自分はこんなに楽に死んでいいのかというより、自分のような人間は死んだ方がいいのではないかという考えに至っていた。
椅子とロープをかった帰りに、前の仕事でオレを見ていたという男の人に話しかけられた。
「お金に困ってない?君」
ロープの入った袋と椅子を抱えながらオレは眉をひそめた。
「なんですかあなた」
***
「・・・・・・・」
目を覚ました。随分寝ていた気がする。
隣で寝息が聞こえたので見ると、ソファにしがみついてお嬢が寝ていた。
「現実か」
汗びっしょりだった。背中が冷たい。
お嬢のように情けなく涙を流していなくてよかった。元殺し屋の誘拐犯の隣でバカみたいにすうすう寝息をたてているお嬢を見つめた。
『銃?売ったわよ』
『もういらないでしょ』
『ハーネス。僕たちはいつかこんなものを持たず、殺すとか殺さないとか関係ない世界で気の許せる相手と・・・のんびり毎日を過ごせるといいね』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
オレは、お腹に手を添える癖が減ってきた気がした。
お嬢を人売りから奪還した時、必死で引き金を引いていた。がたがた手が震えて上手く撃てなかったが、オレは生まれて初めてあの時、人を殺す為でなく助ける為に引き金を引いていたようだ。
まあ、お嬢がいなくなるのはオレも困るからというだけだが。
本日も読んでくださりありがとうございます。
先週は1週間で短編2本とネット小説書きながら100枚小説が書けたので少しずつ成長が見られます。
ぶっ倒れましたけどね・・・そして今週2日何もできませんでしたけどね
体調管理というか、体力管理が苦手な気がします。最近妹の腹筋が割れてきたそうで、見せてくれましたが、本当に割れていました。毎日小説を休まず続けられるように気を付けないとですね。




