昨日はカレーの日だったけど……その次の日は?
いつもよりかなり短いです。
「一月二十三日って何かの記念日なの?」
「毎日、何かあると思うけどな」
「最近ラジオのせいかな。打合せとかの度に今日は何の日か聞かれるんだよね」
「そうそう。俺、今日は雑誌の取材だ。昨日のカレーの日でお茶を濁したらダメかな?」
昨日のカレーの日でお茶を濁そうと企むのは樹。
「それは却下。第一、事務所のブログで昨日の食堂の風景はアップされているぞ」
昌喜がスマホで事務所のブログを開いて樹に見せる。どうする?俺?とぼやいている。
「えっと……寺田屋事件ですか?」
優等生的な回答をするのは楓太。
「それでもいいけど、そこを掘り下げることになるといろいろあるだろうな」
「取材時間が無くなりそうだよね。スマホで調べたけど、八甲田山の日ってあるよ」
昌喜が見かねて調べたらしい。僕だって歴史で学んだレベルだけど、今時の子たちは八甲田山の日で分かるのだろうか?
「何、それ?」
「八甲田山って映画にもなっただろう?明治時代に八甲田山で陸軍が訓練をしていたけれども、結果的に遭難事故になってしまったんだ」
「えっ。本当に?」
「正解。この日の数年後に海難事故もあったんだ」
「それはちょっと重たいよね……」
「確かに。語呂合わせならいいんじゃない?e-mailの日。いいふみだろう?」
「そっか。それなら、ワンツースリーの日もあったりする?」
「ってことは……。プロレス団体が関係している?」
「元気が……」
「ストップ。そこは全く違うぞ。その続きを言いたい気持ちは分かるがな。正しくは、人生に対してジャンプする気持ちを持とうという日だ」
樹・昌喜・楓太がノリノリになっていたところを慌てて止める。
「なーんだ。かなり普通」
「ジャイアント馬場の誕生日だからかと思ったのに」
「ジャイアント馬場さんの事だが……誕生日しか合っていないぞ」
「俺結構鋭いじゃん」
「昌喜にしてはかなり優秀だな。他にはアーモンドの日というのもあるぞ」
「アーモンドの日?」
「そう。これは業界的な話。成人女性が一日に摂取するといいというのがアーモンドを二十三粒程度……らしいぞ」
「うーん。これはどうまとめたらいいんだ?」
「ふう、こういうの得意じゃん。打合せに行く前までにまとめておいてよ」
「ええ、なんで僕……。じゃあ、澤田さんを借りるからね。この借りは大きいからね、樹」
「分かったよ。覚えておく」
「二人ともがんばって~」
全く、昌喜はともかく樹は他人事なのだから困ったものだ。
「仕方ないよ。双子もだけど、相当学校から課題が出たらしいからね」
「そっか……。ふうは?」
「僕はありませんよ。3月で卒業できるから」
「そっか……。それがあいつらの最大の課題か」
いろんな意味で四人の方が問題があるようだと思い知らされた気がした。
そんなやり取りがあった後の樹の記事から一部転用
「今日は過去に寺田屋事件や遭難事故があったりしたんだって。そんな中で僕が注目したのは、この二つかな。まずはワンツースリーの日。この雑誌の読者さんの中には、きっと受験のラストスパートという人もいるよね?まあ、語呂合わせなんだけど人生に対してジャンプする気持ちを持とうという日なんだって。受験本番が始まった人も、これからの人も夢を追いかける気持ちだけは忘れないでほしいな。
それと、今の時期はお肌にいいものが恋しくなるよね?そんな皆は今日がアーモンドの日って知っているかな。成人女性が一日に摂取するといいとされているのが二十三粒位なんだって。今度の僕らのコンサートやイベントの時には僕らにいい笑顔を見せてほしいな」