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1月14日は愛と勇気と希望の日 昌喜の場合

1月14日は愛と勇気と希望の日です。

今回はビビットの昌喜の場合とナツミの場合の2通りあります。

今回は昌喜の場合のみです。

「さわっち、14日って何の日?」

明日は生番組のトークコーナーに出ることになっている昌喜が僕に聞いてきた。

「明日か。確か愛と希望と勇気の日だ」

「何それ。どっかのアニメのオープニングみたいな」

「まあな。否定できないけどな。でもな、お前は南極物語を知っているか?」

「うん、南極に置き去りにした犬が二頭生き残っていて再会した話だよね」

「まあ、そうだ。その再会日が明日だったらしい。だから愛と希望と勇気の日」

「ふうん。まあ、話の引き出しに入れておいてもいいよね」

「いいだろうよ。あの番組はマダムが多いからダイアリーの日でもいいだろうよ」

「何?そのダイアリーの日って」

「韓国ではその日に一年使う手帳を贈るんだってさ」

「ふうん。知らないよりは知っていたほうがいいだろうね」

「おバカタレントになりたいのなら不要だと思うが?」

「俺、ちょっとおバカ枠は嫌かも」

「じゃあ、今後の進路等もきちんと考えろよ」

「さわっちが学校の先生みたいに見える」

のほほんとしている昌喜にかなり不安を感じている。

天真爛漫で誰からもいい子と言われるポジションにいるけど、それは裏を返すと誰でもその変わりができるということでもあるはずだ。ずっとこの世界でやっていくのであれば、そのうちに飽きられてしまうのがオチだ。

ふうは出演する番組が長寿化している。安近短な旅企画とかは好みのようだ。後は教養系番組のアシスタント。こないだは茶道のアシスタントの依頼があったのだが、流派が違うため丁重にお断りをしていた。普段はお断りをすることは少ないのだが、今回ばかりはそうはいかないようだ。

樹は、舞台俳優というかミュージカル俳優になりたいようだ。元は子供合唱団の出身だからメンバーの中でも歌唱力の問題はない。実際ロングラン公演になっているミュージカルの最終選考までは残ったことがある位だ。オーディション情報を探してみてもいいだろう。

瑞貴と優貴はタレント活動をしたいらしい。深夜に二人が進行役の番組視聴率はかなりいい。春の改編では特番を作ってみたいという提案があったばかりだ。


「昌喜、お前大学に行ってじっくりと勉強してみたらどうだ?」

「いいの?そんなことしても」

「大学時々アイドルだっていいだろう?学校が休みの時にコンサートをやればいい」

「新曲はどうするのさ?」

「連休前にリリースして、歌番組は週末収録の番組をピンポイントで選んでいけばなんとかなるだろう」

「うん、ちょっと考えてみる。さわっちみたくなんでも知っている人というのもちょっとかっこいいかなって最近思っているんだ」

「僕の場合は、結果的にそうなっただけだ。好んでこうなった訳ではない」

「そうなんだ。そうだとしても新しい目標もできたことだし、来年に絶対卒業するとして入れる大学をちゃんと探さないとね」

「そうだな。まずは単位の取得が優先だな」

「ううっ。そこか……ふうが卒業しちゃうのが辛いな」

「そんなことを言う前に、自力でどうにかする。お前たちの勉強位僕だってまだ教えること位はできる」

「げっ。さわっちって家庭教師したことあるの?」

「もちろん。大学時代はそっちがメインのアルバイトだったぞ」

「俺。本屋でしかバイトしていないと思っていた」

「実際には本屋さんでアルバイトしていなくても生活はできたけど……専門書を買う時に若干お安くなるからさ。そこは学生としては魅力的なわけでさ」

「何、その生々しい理由。ってか、さわっちって結構お金持っているんでしょう?」

「まあ、趣味が投資って言ってもいいかもな」

「何それ。休みの日ってずっと株価とにらめっこしているだけなわけ?」

「株式は基本的に……最近は弄ってないぞ。定期的に株主優待は来るけど」

「もういい。さわっちがたまにあくびしている理由が分かった気がする」

「まあいいじゃないか。僕は僕なりに老後に備えているだけだから」

「さわっちの双子達は元気?」

「ああ。元気だ。あいつらにこれからはかかるからな。両親だって自分たちの老後があるだろ?僕一人が貯蓄に専念しても問題はないだろう?」

むしろ、僕が積極的に儲けたとしたってそれ相当の税金は支払っているんだから誰に何を言われる必要性はないと思うのだが。

「さわっち。まずはオフの日にディスプレイと睨めっこをちょっと控えてみたら?」

「そんなにしていないぞ」

「だったら、外に出てみなよ」

「普段も外に出ているけど?」

「見た目もそんなに悪くないんだから、もう少しお金をかけるところを変えたら?」

「いや、今のままで十分。ちゃらい恰好が似合うと思うかい?」

暫く昌喜と不毛ともいえる会話の応酬があったのだが、昌喜が何をいいたいのか一向に分からないのだった。


どっかのアニメ……水に濡れるとパワーがでない……アレと思ってくれたらいいです。

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