始まり~日常~
―百鬼夜行
それは、鬼や妖怪の類が深夜に徘徊し行進するものだ。
出会ったものは死ぬとされたため、暦で「百鬼夜行日」とされる日には多くのものが夜の外出を控えたという。種類も、仲間意識もなくただただ、偶然出会った人々を驚かし反応を見て喜ぶ百鬼夜行の妖怪たちはまさに混沌とした無規律の集団だったのだ。
しかし、そんな中で絶大な妖力で数多くの妖怪を従えた「王」と呼ばれる者たちがいた。彼らは仲間とともに
自分の領地や同種族を増やしていき、国を作った。そうしていくうちに各地には有力な「王」が生まれていった。
―が、それも昔の話。現代はコンビニなど24時間営業の店が増えたため多くの妖怪たちは出るに出られず肩身の狭い思いをしている。時代の流れに適合した「王」は生き永らえ、それ以外のものは死んでいった・・・。
「はあ・・・」
高校受験を目の前にした自分のテストの点を見て思わずため息をつく。
英、国、社、理はまとも、いや平均+30~40くらいで悪くない。いや、いい成績だ。だが、問題の数学。
相変わらずのギリギリ平均点。一応、担任から受かると言われて一応ここらで一番に学校に受験することにしたが数学が低すぎて内心は微妙。理科なら難しい計算でもラクに出来るのに・・・。
「どーだった?」
突然親友の榑井雄介に声をかけられ俺、百鬼吉一朗は顔をあげた。