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君との出会い

担任はプリントを持たせて僕を送り出した。

部屋の場所を教えてくれた看護師さんはやたら嬉しそうな顔をして、彼女の病室とそこは個室と教えてくれた。

静かな病棟、片手にプリントの入ったファイルを持って病室のドアをたたく。

思いの外、力が入ってしまい病棟の廊下に大きく音が響いてしまった。

「どうぞ」

彼女の声、初めて僕に対して発せられた声に嬉しさが腹の底から沸き上がる。

バクバクと音を立てる心臓と、浮き足だつ気持ちを諌めるように一度深呼吸をしてドアを開けた。


その先には彼女がいた。

彼女はベッドから体を半身起こして窓から外を眺めていた。

ゆっくりと僕の方を向く。


「あのっ、逢沢さん……。俺の事わからないかもしれないけど、担任から頼まれて。これ!」

ほとんど顔を見れずに、プリントの入ったファイルを差し出す。

「ああ、ありがとう。橋田君」

楽しそうな笑い声をあげて、彼女は差し出したファイルを両手で受けとる。

「俺の名前わかるの?」

「わかるよ、クラス委員長の橋田君でしょ?学校じゃ全然しゃべれなかったけどね。」

ヤバい………顔が見られない。

「良かった。」

自分の爪先と彼女の顔を交互に見ながら、なんとか会話をしてみる。絶対僕、変人と思われてる。

「「………」」

気まずい沈黙が二人を包む。


なにか話題を、ふと思いついた話をする。


「そう言えばさ、さっき病室の場所を聞くのに看護師さんに聞いたんだ。したらさ、逢沢さんにプリント渡しに行くって言ったらやたら嬉しそうな顔してたんだよ。」

逢沢さんは少し考えて、首をかしげる。

「その人の名前覚えてる?」

「そこまでは………。」

「見た目は?」

「見た目は確か………、ショートで小顔で、あとは。」

逢沢さんはそれだけでわかったらしく、僕に嬉しそうに話してくれる、自分の担当の間宮さんというのと、好きな作家が一緒で話が合うと。

ふと逢沢さんは我にかえって、しゅんとした顔をする。

「橋田君、ごめんね。私ばっかりしゃべってる。」

「そんなことないよ、むしろ逢沢さん、学校じゃあんまりしゃべらないから。その、なんか、嬉しいよ。」


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