
「地球のクジラは奇怪だ。俺はあんな星座など、見たことがない」
と言ったら、逆だと言われた。
そうか。言い直そう。
「地球の星座は奇怪だ。俺はあんなクジラなど、見たことがない」
俺の星と同じだな。
どこの星でも星座は奇怪だ。
宇宙に広がる三次元的な星々を平面に縫いとめて、夜空に想いを馳せた古代の人々の幻想。
あれがハクチョウ座ならおまるはどう表すのだ。
あれが双子座なら俺たちはなんなんだ。
星が集まった天の川のずっと向こう、この銀河の中心のいて座A*の方角、天の川銀河の中心を眺めてその回転を思い、巨大な遠心力に振り落とされてしまわぬよう、俺はオリオン腕の端っこをしっかりと握りしめる。