表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様気分  作者: みつる
24/51

取り調べ

Aさん「あの階段の上の・・・?あー悪霊が住んでるとかいうね」

僕「悪霊・・・?」

Aさん「誰もいないはずなのに、後ろから蹴られたり、石がどこからともなく投げつけられたりするらしいよ」

僕「・・・・」


Bさん「あそこはヤバイよ・・・友達の友達がお賽銭箱に体をくの字に曲げて呻きながら中をあさっている女を見たって」


Cさん「おとなりの息子さん・・・回覧板を間違えてあそこに持っていって、それ以来、帰ってこないんだって」


以上、ご近所さん調べである。寂れているとはいえ、ここまでまったく人が来ないのもさすがにおかしいと思い、聞き込み調査をした結果がこれである。


「どこの誰なんですか?この人たち」

「あなたからの制裁を防ぐため名前は伏せてあります」

「こういう調査って年齢やその人のひととなりを考慮しないと結果がずれる恐れがありますよね?」

「結果次第なんじゃないですか?この結果を見る限り、どこの誰とかを考慮する必要はないと思いますよ」

ううう・・彼女は呻く・・

「私神様なので、いちおう姓名判断しときますよ。名前教えてください」

「いちおう・・?ダメです」

「じゃぁ、手相を見たいんでここに連れてきてください」

「なにをするきだ・・」

「制裁です」


原因はこの悪霊だった。こいつさえいなくなれば人は徐々に悪い噂を忘れ戻ってくるだろう。だけど彼女自身の力でお賽銭一千万を達成しなければ実家に凱旋帰国とはいかないのだ。呼び込むどころか追い払う彼女にあきれを通り越し更にあきれ果てる。


以下取り調べの記録である。


まずAさんが言った事なんですが、身に覚えありますか?

神「神様の前で失礼な行いをしたので当然ですよね?私は悪くないですよ。馬鹿共が面白がって仲間を呼んで肝試しとかしてきましたし」


あなたはその一人一人に対して危害を加えたということでよろしいですか?

神「はい、一人一人丁寧に。そしたら、人っ子一人来なくなりましたね、うふふ。」


Bさんが言っているのは・・・・ホントですね。

神「えー?身におぼえないなー。ていうか、万が一それが私だとしてですね。見えてるってその人やばいんじゃないですか?(笑)」

はい、三日後、車に轢かれて亡くなりましたね。それも悪い噂を増長させる一因になってます

神「それは私、悪くないもん・・・」


最後にCさんが言っていた事についてなんですが・・・

「あー・・・あれ空き巣じゃなかったんですね。てっきり空き巣かと思ってましたよ。アハハ」

おい

「回覧板かー。へーご苦労様ですね」

ふざけんな

「いや・・・でもですね・・これ以上悪い噂がたつと困りますし。。」

「そういう問題じゃないでしょ!回覧板のために神隠しにあったなんて可哀そうでしょうが!!」

「でも今時、回覧板って(笑)」

「おい・・・無事に戻してあげないとここから出ていきますからね・・」

「え・・・それは困ります。・・うー・・わかりましたよぉ・・」


二日後、新聞の片隅に行方不明の少年が無事発見されたという記事が掲載されました。なお行方不明時の記憶をなぜか無くしているようで、理由などは不明なままのようです。めでたしめでたし。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ