賽銭箱は拒めない
初めてなのでお見苦しいとこしかないと思いますがお願いします。
一月二日、晴れである。正月休みで暇を持て余していた僕は、近所の寂れた神社にお参りに行くことにした。
特に叶えたい願いなどはないのだけど、暇つぶしの散歩の理由づけであった。
神社は家から徒歩10分ほどのとこにあり、軽い散歩にはちょうどいい、正月だからだろうか?なぜか空気が澄んでいるようなきがして、とても気持ちがよく、だんだん気分がよくなってきた。
神社につき、備え付けの30段くらいある階段を上ると思った以上に寂れた境内に、僕は驚いた。
まず、人がいない・・。まだ一月二日なので、お参りにこれなかった人が、少しくらいはいてもいいはずである、境内は時間が止まってしまったかと錯覚してしまうような雰囲気ですらあり、僕を困惑させた。
次にものすごくぼろい、神社は神聖なものであるという、僕のイメージのほうが先に壊れていきそうなほどである。誰かからも忘れられてしまった場所なのではないのだろうか。僕はそう思うと、とても寂しい気持ちになってしまった。
「早くお参りをして、うちに帰ろう」
僕は独り言をつぶやき歩を進める、人どころか神様さえも居なさそうな神社である。別にお参りなどせずに帰ってもよかったのだけど、それはなんとなく、申し訳ないようなきがしたのだ。
どこだろうか。僕は辺りを見回して、お参りをするところを探した。
それは、すぐに見つかったのだけど、同時に神社には似つかわしくないモノも見つけてしまった。
人である。それはおかしくないのだが、その有様とくれば、賽銭箱に体をくの字に折り曲げて何かをゴソゴソ探していた。時折箱の中から変なうめき声がしてきて、僕の顔をしかめさせる。
僕は、早くこの場から立ち去ろうと考えたのだが、怖いもの見たさで少しだけ近づいてみることにした。すると、うめき声などではなく、何かをつぶやいているようだった。
「ないないない、なんにもない、き、昨日は元旦だったよ??ね??お、おかしいなぁ~・・カ、カレンダーが間違ってるのかな??で、でもす、少なくとも冬は5回はき、きてるよ。あ、あれ私がおかしくなってるのかな・・?。ち、違うよ!お、おかしいのは世界のほうだよ!!こ、こんな世界滅びろよ!」
自らを賽銭とし、願いをささげるその姿は、なぜか僕の胸に響くものがあった。きっと人間どころか、神様からさせも、無視されるに違いない。
僕は危険を感じ、静かにその場から立ち去ろうとした。すると箱の中からくぐもった声が聞こえてきた。
「ひ、人の気配がするうう!!」
背中がぞくっとして、僕は、踵を返して走り出そうとした。すると、いつの間にか正面に女の人が立っていた。
「い、いっらしゃいませー。と、当店に何かごようでしょうか??」
店?なの?妙に下手に出たその姿は、久しぶりにご主人様に会った、愛犬の姿を彷彿とさせた。
僕は頭の中にある数々の疑問を打ち消して、関係者であろうこの人に報告する
「あそこにヤバイ人がいます!賽銭箱に頭を突っ込んで、何かぶつぶつ言いながらお金を盗ろうとしています」
僕は、振り向き先ほどの賽銭箱を指さした。だけどそこには誰もいなくて、あるのは寂れて廃れて寂しい神社だけだった。




