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現実とは目を背けるものであり、決して受け止めてはいけない。

 ・・・理想(ゆめ)

 誰もが望む夢でありそうあってほしいと願うもの

 それらが無数に存在することで人々の意志が一つの形になる


 ---例えば、毎日素振りをしている自分はそれに見合う強さを得ることができる

 ---例えば、毎日走り続けている自分は誰よりも早く走ることができる

 ---例えば、毎日誰よりも練習をしている自分は誰よりも上手くなる


 こういった感情を持つ人間には一つの法則があることが見て取れる。

 それは、・・・”そのために俺は毎日つらい思いをしているんだ”という自身を行動を美化するということである。

 そしてそれがかなわないと知った時、決まってこう考える。

 ”周りが自分に嫉妬しているから認めないだけで本当にすごいのは自分である”


 まったくもって迷惑な話である。

 しかし、そういった感情が徐々に肥大化していき、多くの人に伝染する。

 『噂』という形になって広がっていく。

 結局のところは根も葉もない噂、もしくは根はあってもそこに葉はない。

 有り体に言うならば、嘘っぱちであるということだ。

 

 だが、人はそれを不思議と思わず、案外自然に受け止める。

 それは人が誰しもより確実なものを好む傾向にあるからであり、

 不確定・不明確なものよりもより明確で世間一般にいう秩序によって作られる

不条理かつ理不尽な世界にその意味を見出すことを望むものだからである。


「なんで太陽は毎日飽きずに同じことを繰り返せるんだ」

「陽にい、早く起きなよ」

「分かっている、あまりうるさいと嫁の貰い手がなくなるぞ」

「うっさいバカ兄ぃ」

 気づいた時には、目の前に妹がいた。

「乙女心のわからないバカ兄ぃに愛の鉄拳制裁です」

 そして、その言葉を聞いたのを最後に俺は現実世界と別れを告げたのだった。


 ---目が覚めた時には既に時計の短針は9時を差していた。

「・・・またか。相変わらず冗談の通じない妹だ」


 この男、名前は高峰陽希。十八歳の(仮)高校三年生・彼女なし=年齢=童貞

 そして先程の女の子は妹の咲良。十六歳の(仮)高校一年生・彼氏なし・ブラコン(重度)


  ---

 彼らの説明にやや不自然な点があることに誰もが気付くと思う。普通自己紹介をする時に、(仮)などと不自然な言い回しをする者はいない。しかし、彼らにとってそれは当たり前のそれこそ人が息をすることが当たり前であるように必要なことである。なぜなら、それは現実のそれに当てはめたものではないからである。では、それは一体どういうことなのか?そのことを説明しつつこの物語を進めていこうと思う。

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