第四話 雪
「ねぇ、ダンってば!!」
僕は、少し興奮していた。
「…それは、わしにもわからない。だから、自分で見つけなさい。明日からルイと一緒に旅に出なさい。君は、そうするべきなんだ。私たちも、自分の能力を自分で見つけてきた。」
僕は、何も言わなかった。いや、言えなかった。
「あの、一つ聞いていいですか?」
「何じゃ?」
僕は、とっさに思いついた質問をした。
「その“色”っていうのはみんな持っているんですか?」
名前のある“色”は限られている。個性なのに六十五億ウン千万人すべて違う“色”を持つのは可能なのか、と僕は思った。
「…百三十五色しかいない。君は、世界の中で百三十五人しかいない“色”の持ち主なんだ。君のような“コバルトブルー”という色をもっているのは、世界でたった一人。君だけだ。」
僕だけ。そして、僕が持っている能力は誰も知らない。
「で、明日から二人には旅立ってもらう。ここに長居されても困るんでな。」
ダンがしゃべり終わった途端、また前のように暖炉から小さな爆発音が聞こえた。
煙がもくもくと立った後、暖炉の中にはバックパックくらいの大きな包みがあった。
「おぅおぅ。上等モンじゃ。」
ダンは包みを乱暴にバリバリと破いた。
「何ですか?それ。」
それには大きなかばんがつつまれていたようだ。
「リン、君の旅の持ち物だ。」
そうか、僕は旅をして自分の能力を探さなければならない。
「どんなものが入ってるんですか?」
僕は気になり、ダンが座っているロッキングチェア―に近寄った。
中をのぞきこむと、たくさんのものが入っていた。
「君が生きるために必要なものがたくさん入っている。旅中にゆっくり見なさい。使えそうなものをたくさんいれておいたから安心せぇ。」
僕は、なんだか急に寒くなった気がした。
「あっ雪だ。」
ルイが言った。
窓の外を見ると、こんこんと真っ白な雪が降っていた。周りに光がない外はとても黒かった。空には無数の星が輝いている。今日は、大きな満月だ。その月の隣で青白く光っている星は、ニュースで新生物がいると騒がれていた星だとわかった。
僕は、やはり外を見れば空を見てしまう。
「そろそろ寝たらどうじゃ。寝袋はそこにおいてあるから自由に使え。明日は朝一番に出てもらうぞ。」
僕は、時計を見た。
もう十二時を過ぎていた。
「はい。」
* *
君は、寝袋に入るとすぐ眠りについた。
雪はどんどん積もっていく。
静かに、静かに、闇の中へ解けていくように。
君は、明日から“自分”を探しに行く。
手探りの旅が始まる。
* *




